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「ここ来ると、障害も何も治るんですよー」

ゼミの仲間とともに、大阪府立西成高等学校を訪問しました。
首席(他でいう、主幹や教務主任)の先生からご対応いただきました。
「ここに来ると、障害も何も治るんでよー」
という先生の言葉が印象に残りました。
西成高校が好きで11年目だそうです。

・全ての活動において「生徒を主語」にする。
→これだけでも教員側の視点が変わる。

・登校は9:30
→アルバイトをしている生徒、夜中も年の離れた兄弟の世話をする生徒もいる。せめて1時間遅らせようと。
→他に9:00登校の進学校の例もあり。
→反発する職員もいたが、0限に会議や打ち合わせができるように。部活も0限に活動可能。結果として職員の多くは17:00退勤できている。

・生徒の約40%が不登校だった。発達障害、LGBT、複雑な家庭事情の生徒も数多い。
LGBTの男子生徒がスカートを履くために、全校へ手紙を書き、担任が伝える。理解を得たことも。

・となりカフェ
→積極的に支援するのではなく、教員以外の方が生徒のつぶやきを拾う場として機能。
→教室へ向かうためのアイドリング。

・高校教員として、業務に納得できない職員もいる。
→新学校には新学校のニーズ、ここにはここのニーズがあると話す。
→理解ある教員、西成への思いがある教員を制度を活用して引き寄せる。首席教員、校長はかれこれ10年以上。

・皆が何かしらの困難があるからこそ、差別にならず、尊重することができる。

・クラブ活動よりもアルバイトを!
→アルバイトができれば社会に出られる。
→(校長先生も、言い切るには勇気が必要だったそう)

・障害がある生徒の就労支援に注力。
→カリキュラムとしてではなく、授業を抜けていく形。
→間にコーディネーターが加わるので、卒業後も気にかけてもらえる。

・四肢に障害がある生徒が歩行練習している姿を笑いあえる
→差別的な笑いではなく、その姿をユーモアとして認め受け入れる職員の雰囲気がある。
→むしろ一律な生徒指導を推し進めてしまった時期には、障害のある生徒の姿に無反応、気づいても声に出さない冷たい雰囲気だったそう。

・西成高校はみんなが来たがる高校にはなれない。
しかし、卒業する生徒の9割が西成高校に来てよかったと言って出ていく。

公立高校でここまで温かく、頑張っている学校を訪問できたことに感謝します。

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