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「れんしゅうノート」が教えてくれること。

こんにちは!
『あずき音楽教室』講師の
さえき ゆきこ
こと
あずき先生です🫘

こちらのブログは、、
ひっそりこっそり、ナイショばなし的に
こそこそこっそり、書いております🤫


この春から、私のお教室では
オリジナルの「れんしゅうノート」を導入しています。

canvaで作ったよー。

このノートを作った理由は…
「生徒さんたちの練習量を、爆上げしたい!」
…というわけではなく🤣

子供達が「能動的に行動できる仕組み」をサポートしたかったからです。


以前、こちらのnoteでご紹介した小学生のHちゃん。
https://note.com/tasty_acacia137/n/nf28d8e683d2b

頑なに練習してこなかった彼女。
妹ちゃんの入会に刺激を受けて、
やっっと練習できるようになった!
(( °ω° ))/.:+🌟

…と思ったのも束の間、あっ!という間にまた練習しなくなりました(白目w)

「できないこと」への恐怖心が強いHちゃん。
とっても繊細で敏感な彼女ですが、実は人1倍、
「ピアノが上手になりたい!」という気持ちも強い。
そんな自分の中の矛盾がうまく消化できず、レッスン中に突然
号泣してしまうこともありました😭

そんなHちゃんに、私は変わらず

・できないことは怖いことじゃない。
・Hちゃんがピアノが大好きなことは、先生はわかってる。
・先生はHちゃんのお手伝いをするためにここにいるんだよ。

ということを伝え続けました。

今年の発表会の曲目は、Hちゃんの希望で
ギロックの「ウィンナーワルツ」に決定。

..練習嫌いのHちゃんにとっては難曲です😂

案の定「できない!」と荒れることもありましたが…
少しずつ、様子が変わっていきました。

できない!と暴れる前に、少しずつですが私の話を聞くようになってきました。
そして、頑なに嫌がっていた「部分練習」をレッスン中に行うことで、苦手部分をちょっとずつクリア👏

そうすると、、、
だんだん「できない」よりも「楽しい!」に意識が向くようになったのか、
少しずつ、自分から家でも練習してくるようになりました。

そして迎えた本番。
Hちゃんは、今までで一番素敵な演奏を披露してくれました😭✨✨✨

私がHちゃんに対して意識して行っていたことは

・Hちゃんの気持ちを「尊重」すること。
・「信頼」すること。
・信頼しながら、一緒に「待つ」こと。

です。

そして、ここが大事なポイントだと思うのですが…
練習するかしないか、
その最終的な選択は、Hちゃんに託していたのです。

練習しないままだと、発表会本番にもしかしたら大失敗するかもしれない。
それで、ピアノが辞めたくなるかもしれない。
でも、あくまでそれを決める権利と責任は、Hちゃん自身にあるのです。
この想いはママとも共有していたので、私は思い切って選択をHちゃんに委ねることができました。
そして、Hちゃんが自分で決めたからこそ
あそこまで頑張れたのだと、私は思います。

今回のHちゃんの変化を経て、私は改めて感じたことがありました。

それは
「人間は、能動的に行動することに幸せを感じるようにできている。」
ということです。

子供の頃、親から
「早く宿題やりなさい!」「部屋片付けなさい!」
などとお小言を言われて..

「今やろうと思ってたのに〜💢💢💢
と、激おこ&やる気が行方不明になった経験はありませんか?
私はたくさんありますw😂

「〜しなさい」と命令された瞬間に、
「自分の意思で行動する」という能動性は奪われます。

同様に、親切心からの
「〜してあげる」も、
実は人間の能動性を奪う行為のひとつなのです。


今、介護の現場では「ユマニチュード」というケアが注目され、実施されてきているそうです。

ユマニチュードとは、フランス語で
「人間らしさを取り戻す」という意味だそうです。

認知症患者に向けて、介護者が「あなたを大切に思っている」ことを
「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱で伝え続けながらケアをする。

そうすることで、「人間らしさを尊重する」ケアを届けながら、
同時にケアする側の心の幸福度も上がっていく。

ユマニチュードの中で、危険とされているもの2つ。
それは、「ベッド」と、「なんでもしてあげる看護師」
なんだそうです。

相手が病人であるという理由で、
健康な自分がなんでもしてあげる。
親切なように見えるこの行為は、実は
「ゆっくりだったら歩ける」
「時間をかければ食事は自分でできる」

というような患者の能動性を奪い、
人間としての尊厳を著しく傷つけることになる。

そして、この「〜してあげる」という行為は、相手が弱者であるという認識で行われることが多い。

これは、教育にも共通する点があるのではないかと私は考えています。

子供という存在を、まだ何も知らない教え導く必要がある弱者と認識する。
あの手この手で先回りして「音符が読める」「練習させる」「ピアノが弾ける」
方法を指導して、要求し続ける。

もちろん、この方法がうまくいく子供もいます。
ですが、この方法が当てはまらない、または上手くいったように見えても長続きしない子供がいるのも、実は当たり前のことなんだと私は思います。

子供は弱者ではありません。
ただ、まだ生まれてからの年月が先生より短いだけ。
そして、大人より優れているところも、実はたくさんあるのです。
そのひとつが「感じる」こと。

子供に「教えてあげる」という態度で接し続けていると、それは必ず相手に伝わります。そして、先生が自分のことを弱者と認識し、尊重されていないことも伝わってしまう。
そして子供たちは、そんな先生のことを信頼しなくなる。

相手を弱者と認識するということは、自分が相手よりも強者と感じられる、ということです。

「〜してあげる」という行為の中には、実はそんな甘い誘惑がある。

そして、先生がその甘い罠にハマってしまっていることを、
子供たちは言葉にしなくても、感じ取ってしまうのだと私は思います。
その結果、人間同士において最も大切な信頼関係を築くのが難しくなってくるのではないでしょうか?


私のお教室の【れんしゅうノート】には、ルールがあります。



ごほうびシールのページ

①1日1回でも弾いたら、「れんしゅうした日」の欄に日付を書いてOK!
②逆に、1日何回弾いたとしても、日付を書くのは1日分だけ。
③4日以上練習したら、ごほうびシール4枚。3日は3枚、1~2日は2枚、0回は1枚。

このルールの理由は..
①②は、まとめて練習するよりも、少しずつでも継続する力を身につけてほしいから。
③は、1週間毎日練習!とハードルを上げるより、4日間練習を頑張ったらシールがたくさんもらえた❤️
という成功体験を積み重ねて、「もっとできる!」の気持ちを育んでほしいから🌱
そして、たとえ0回だったとしても、レッスンに来たという成果に対して
ごほうびシール1枚は必ず渡しています。

シールを4枚もらった生徒さんに対して、私はめちゃくちゃ驚きます😳
「こんなにできたの😳‼️すごいね〜‼️」
そうすると、みんなとってもかわいいドヤ顔でなぜこんなに練習できたのか
誇らしげに説明してくれます笑
すると面白いことに…
週4日の練習でシール4枚をもらっていた子は、
私をもっと驚かせようとだんだん練習する日が自然と増えてくるのです。

そして、練習日数が少なかった生徒さんに対して。
私は決して叱ったりしません。

「じゃ、今日は2枚だね!」「うん、今日は1枚!」
と、その子の成果に対して、笑顔でシールを渡します。
それは、練習するかしないかはその子の選択に委ねているから。
どんなに小さな生徒さんでも、それは変わりません。

不思議なことに、幼稚園の子でも自分の成果以上に
「もっとシールがほしい!」とわがままを言う子はひとりもいません。

あくまでその選択権は自分にあり、先生は自分を尊重している
という事実を、小さな心でしっかりと感じているからなんじゃないかと、
私は思います。

この、「れんしゅうノート」を始めてから約3ヶ月。
短い期間の間に、子どもたちはたくさんの変化を見せてくれるようになりました。

①練習日数0の生徒さんがひとりもいなくなった。
②ノートに「ママにきかせた」「よくできた!」などと、自分から書き込んでくる生徒さんが増えてきた。
③レッスンに来てすぐに「はやくノートを見てほしい!」と言うようになってきた。
④宿題に出されたこと以上に自分から練習してくるようになってきた。
etc…

こんなふうに、びっくりするような変化が
子供たちから自発的に起こってきたのです😳

ちなみに前述のHちゃん、直近のれんしゅう
ノートがこちらです。↓

Hちゃんの直近のれんしゅうノート

ちょっと日付はかぶってますがw
安定的に少なくても4日、多い時は毎日練習してくるようになりました。
そして、その日の練習の満足度を自分から記入してくるようになったのです😭✨

ごほうびシールが貯まると、ちょっとしたプレゼントを渡しています。
ごほうびがもらえると、みんなもちろん喜びます。
ですが、プレゼントをもらえることよりも、
シールが増えてその成果を目で見られること
の方が、みんな喜びを感じているように思います。
その理由は、プレゼントがもらえたからといって練習量が減る子が
ひとりもいないからです。
むしろ、少しずつピアノが上達して自然と楽しくなってくる。
だから自分から練習したくなる。
そして、私に「できたよ!見てみて!」
とっておきの笑顔を見せてくれるのです。

「人間は、能動的に行動することに幸せを感じるようにできている。」

Hちゃんの変化を経て始めた【れんしゅうノート】が
とっても大切なことを、私に毎日伝え続けてくれています☘️✨




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