プラントベース「ツナ」の味わいとは?従来のツナ缶と比べました。
ヴィーガンブームや持続可能な食品への意識の高まりなどから、今後も成長し続けると予想される代替食品市場。代替肉ばかりでなく、植物性原料を使ったプラントベースシーフードも登場するなど商品のバリエーションも広がっています。2021年時点のプラントベースシーフードの販売額は、米国水産物小売市場全体の0.06%と試算されていますが、成長の余地は大きいと言われています。
今回は、2021年10月にネクストミーツ(株)から発売されたプラントベースの缶詰「NEXTツナ」に着目し、一般的なツナの味わいとの違いを調査しました。
味の個性はどこにある?
うま味と味の濃さのバランスを[図1]、酸味と素材感のバランスを[図2]に示しました。どちらの図でも、NEXTツナは一般的なツナ缶とは大きくバランスが異なっていることがわかります。
うま味は弱く、味の濃さが強い結果となりました。また、酸味と素材感はどちらも強く、酸味によってさっぱりとした口あたりになっていると考えられます。
比較のため分析した一般的なツナ缶では、素材となる魚の種類に関わらずうま味と素材感の強さが似る傾向にありました。グラフを見るに、商品の味わいの個性は味の濃さや酸味によって形作られているのではないでしょうか。
プラントベースツナとシーチキンの味わい比較
ツナ缶の中でも人気のはごろもフーズ株式会社「シーチキンLフレーク油漬」とNEXTツナの味わいを比較しました。
シーチキンLフレークはうま味とうま味の余韻が強い、まろやかな味わいになっています。対してNEXTツナは味の濃さや酸味、素材感が強くシーチキンLフレークとは味バランスがかなり異なっています。この素材感は大豆のたんぱく由来と予想され、実際に食べてみたところ、大豆の風味が感じられる味わいでした。
大豆たんぱくの風味は大豆を原料とした代替食品全般に共通していると考えられるため、より“肉”に近づくためには、大豆の風味をいかに克服できるかが大きなポイントになりそうです。