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365日のわたしたち。

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365日。 自分にとってなんでもない1日も、 誰かにとっては、特別な1日だったりする。 反対に、 自分にとって特別な1日は、 誰かにとってどうでもいい1日だったりする。 い…
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2022年4月の記事一覧

【365日のわたしたち。】 2022年4月30日( 土)

学校で教えるべきなのは、人間関係をうまく構築する方法だと思う。 あと少しの算数と、国語。 これだけあれば良いのだと思う。 生きていく中で、人間関係ほど難しいものはない。 むしろこれさえ解決してしまえば、快適な人生を送れること間違いなしだと思う。 十数年生きてきたけれど、そんな方法をだれも教えてくれなかった。 先生はみんな、口を揃えて「仲良くしましょう」と言う。 仲良くってなんだ? どうしたら仲良くなれるの? 友達100人嬉しいな? 嬉しいか? いや、嬉し

【365日のわたしたち。】 2022年4月29日( 金)

さよならの代わりに、あの百恵ちゃんは歌を歌った。 じゃあ、私は? 目の前ですがってくるこの男に、私は何を置いていけるだろう。 足蹴りだろうか。 罵声だろうか。 後ろのベットに腰掛けている女が、携帯をいじりながら、気にしていないようなふりをしてこちらの様子を伺っている。 サプライズで家訪問してみたら、まさかの逆サプライズが用意されていたなんて。 一瞬で、恋心の温度が氷点下200℃まで下がったよね。 側から見れば、これは修羅場なのだろうけれど、当の本人である私は、

【365日のわたしたち。】 2022年4月28日( 木)

鏡の前に立つ自分を、前までは本当に美しいと思っていた。 皮の下から骨が浮き出る感じとか、あの雑誌のモデルさんと一緒だって、嬉しくなった。 膝の骨がくっきりと出ているのも、何よりの痩せている証拠だ。 私の努力の結晶が、この体には表れている。 そう思うと、何度も服を脱いでは鏡の前でポーズを取ってしまうのだった。 母の出す揚げ物が大嫌いだった。 麺やご飯類も、やめてっていってるのに、出してくる。 どうして私の努力を邪魔してくるのだろう。 どうして私をサポートしてくれ

【365日のわたしたち。】 2022年4月27日( 水)

シンデレラ症候群、という言葉をみんな知っているのだろうか。 そういうことらしい。 最近友人に言われて、その言葉を知った私。 「いつも王子様の方から現れてくれると思って待ってるでしょう〜!そういうの、シンデレラ症候群って言うんだよ〜」 そう言われて、改めて自分のことはそんな風に見えるのかと思った。 でも、それが理想じゃないの? どんな女性だって、自分を支えてくれる男性が来てくれるのを待っているんじゃないの? みんなそうでしょ? そう思った私は、幼い頃に見たきりで

【365日のわたしたち。】 2022年4月26日( 火)

入選の連絡が来た。 彼女を描いたその絵は、自分の中でも最高傑作で、その入選の連絡に驚きはしつつも、納得だった。 その絵を完成させたのは、去年の今頃だっただろう。 毎日何時間と同じポーズをしてもらい、彼女をキャンバスにトレースしていく。 美しい曲線美。 かすかな震えから感じられる生命。 その全てを、このキャンバスに写し取りたかった。 あぁでもない。 こうでもない。 そう頭を悩ませながら、キャンバスに色をのせていく。 次第に、白い布の上の「彼女」に命が宿りだす

【365日のわたしたち。】 2022年4月25日( 月)

月曜日は憂鬱だ。 これから始まる灰色の5日間を象徴するかのような曇り空に、ぱらつく雨。 電車は湿気で余計にムワムワするし。 湿気たスーツや服って、なぜあんなに独特の匂いを発するのだろうか。 2ヶ月くらい前の雨の日も、俺は同じようなことを考えながら電車に乗った。 その時に、あの人を見つけたんだ。 一人、空気が違う人。 雰囲気って意味でもそうだけど、本当にあの人の周りだけ空気清浄機が置かれているんじゃないかってくらい、周りの空気を澄ませている人。 湿気なんて、熱気

【365日のわたしたち。】 2022年4月24日( 日)

何もこんな日に連絡してこなくても…。 外は雨がしとしとと降っていた。 その日の朝、携帯が鳴った。 彼が起きたのかも! そう思って飛びついた携帯の通知表示には、 「ごめん。…」 の一言が見えた。 続きはラインを開かなきゃ見れないのだけど、 開きたくないな、と私の直感が言っていた。 これを開いたら、今日1日が終わる気がする。 外は雨が降っていて、今日は別に楽しい用事もない。 一人家でゆっくりと過ごさなきゃいけないのに、このメールを見なければいけないのは、あまり

【365日のわたしたち。】 2022年4月23日( 土)

今日も私は会いに行く。 私を待っていてくれる王子様に会うのだ。 日中のつまらない仕事や、うるさい上司や、スーパーでぶつかってきても謝らないあのおじさんの方が、私の中では「夢世界」なのだ。 彼は現実。 私のリアル。 だから私は早く眠りにつかなくては。 そう幸せを噛み締めながら、布団に潜り込んで目をつぶる。 お待たせ。 私の王子様。

【365日のわたしたち。】 2022年4月22日( 金)

どこに行っても、私は私なんだな。 そう思った。 先日、溜まりに溜まった有給を消化するため、1週間ほど海外に行くことにした。 ずっと行ってみたかったハワイ。 芸能人がこぞって行くハワイは、きっと何か特別なものがあるのだろう。 出国前の私は、そんな期待でパンパンだった。 そして現地に到着。 空港から外に出ると、この時期だというのに、もう真夏のような日差しがサンサンと降り注いできた。 けど、気温は暑すぎず、空気もカラッとしていて過ごしやすそうだな、と感じた。 その

【365日のわたしたち。】 2022年4月21日( 木)

30代も半ばを迎えた私。 私、身体にフィットする服の方が似合う気がするな。 今日、まさに今日の朝、そんなことを自分に対して思った。 それまでは、体型を隠すため、フワッとしたシャツやワンピースを着ることがほとんどだった。 出産後の体型の崩れも気になるし、ジーンズでさえなかなか手を出せなかったのだ。 それがどうだろう。 先日の、鏡の前に立った私。 ユニクロのヒートテックに、ジーンズを履いた私。 なんだかとってもいいな、と思った。 少し(かなり?)ムチっとした体型

【365日のわたしたち。】 2022年4月20日( 水)

「人を好きになったことがないんだよね〜」 高校時代によくそう口にする友人がいた。 ボーイッシュで、髪の毛も少し刈り上げているような感じの彼女は、女子の私から見て、とてもかっこよかった。 うちの高校は女子の制服がスカート指定だったのだが、彼女はスカートを履いていることもあれば、下にジャージを履いていたりすることもあった。 男の子っぽいなぁ、と感じところもあるのに、さらっと膝下丈のスカートを履きこなす彼女に女性らしさも感じて、なんだか不思議な魅力を纏った人だと思っていた。

【365日のわたしたち。】 2022年4月19日( 火)

久しぶりに飲んだスタバのフラペチーノは、もう40代も後半を迎える私には、かなりしんどい飲み物だった。 向かいに座る娘は、ひとしきり様々な画角でフラペチーノの写真を撮り終えた後、美味しそうにストローでちゅーちゅーと吸い始めた。 昔はこんなんじゃなかったはずなんだけどなぁ。 そう昔に思いを馳せながら、私もゆっくりとフラペチーノを吸い上げる。 年を取ったと思いたくはないけれど、だんだんと自分にできないことや、辛いことが増えてきているような気がして、気持ちが年を取っていく。

【365日のわたしたち。】 2022年4月18日( 月)

その日、家に帰るとめずらしく花が飾ってあった。 あれ、なんかお祝いごとだったけ? と思いながら、「ただいま」と家族に声をかける。 「おかえりー」と、台所で作業をする妻と、リビングでテレビを見ている娘から返事が返ってきた。 「今日って何かお祝いごとだったけ?」 「え?」 「あ、いや。花が飾ってあったから。何かめでたいことあったかなって。」 「あ...。ううん。特にはないの。あの、380円で安売りしてたから、その。たまには買ってもいいかなって思って。」 「あ、そう

【365日のわたしたち。】 2022年4月17日( 日)

「じゃあ、今日はどこか遠くに行こう。」 朝、いきなりそう言い出したパパは、私を外に連れ出した。 そして少し歩いたところで、レンタカーってやつを借りていた。 なんか書類に色々書き込んでいるパパの姿を後ろから見ながら、慣れないお店の空気にちょっとドキドキした。 うちのパパは車を持っていないから、あんまり車でお出かけしたことない。 友達が、パパが車で送り迎えしてくれるって話を聞いて、羨ましいと思うこともあった。 だから、パパが車を運転して、私が車の助手席に乗って、ってい