伊藤詩織事件の闇
-知多郎さんの反論に再反論してみた-
6/13付で知多郎さんが「アンチ伊藤詩織さんとの討論 @English03153623」と題するnoteを公開しておられる。
これはEnglishさんのツイートに対する知多郎さんからの反論にあたるが、文章が平明で良いテキストとなりそうなので、当方より知多郎さんに再反論してみることとした。
と、その前に、、些末な部分でEnglish(E)さんの誤認箇所をtass(T)より訂正させて頂く。
E:原告は股関節が脱臼していたといい
T:正しくは膝関節です
E:控訴審が終わっていない段階でレイプ犯という
T:控訴審どころか刑事不起訴の段階から吹聴しています
E:自分から裸で布団に入り込んだ(誘った)
T:これはメール表現上の不備であり山口氏の主張は、「(先に寝ている彼女が)手を引っ張ったので添い寝する形となった」が正しい。
上の細かな3点を除いてtassはEnglishさんの主張を支持する立場にある。
さて、いよいよEnglishさんのTweetに対する知多郎さんの反論である。これに反論してみよう。(太字が知多郎さんの発言、以下敬称略)
知多郎0: 伊藤詩織さんへの誹謗中傷をしている者のほとんどはネトウヨ
tass:これは統計データがないので何とも言えない。
知多郎1: レイプドラッグについての知識はありませんでした。後で調べてそうだと思いついただけです。病院でも自分自身からレイプされたとは言えない状態でした。何日も寝込んだそうです。警察に届けたのは事件の5日後です。
tass:伊藤氏は4/9(木)に原宿署に届け出る以前の、4/7(火)にDRDについて看護師の友人Sに相談した。また、2017年以降には遡って毛髪検査も可能になっているが、なぜかこの頃に伊藤氏は髪を切っている。(著書では乳首の出血を訴えていながらルミノール検査の不実施も甚だ奇妙である)
何日も寝込んだというのは初耳。出典をご提示ください。事件当日もハワイアンカフェに行き夜は花見で、翌日(4/5)は食事会と続き、その後も家具屋へ行ったり。
知多郎2: 「脱臼」とは言ってません。デマです。歩いて帰ることができる程度の膝の痛みなのでしょう。後で触れますが、山口氏とのやりとりは既に警察に被害届を出し、山口氏自身に犯行を証言させるためのやりとりです。ネトウヨはそれさえ知らない情報弱者です。しらを切る犯人に対して被害を盛るのは必要悪です。膝脱臼というネットデマ。
tass:たしかに伊藤氏は「脱臼」の語は使っていない。彼女が医師の言葉(とされるもの)を代弁して言ったのは「凄い衝撃を受けて膝がズレている」である。医師の発言の真偽は別として、「脱臼」の初出は小川榮太郎氏のファクトチェック動画((H31年8月)と思われる。しかし小川氏も間違った発言はしておらず、「膝のズレ」を整形外科領域で「脱臼」と呼ぶのは事実である。
これを勘違いした伊藤擁護派(の内の読解力が著しく乏しい者)が、「小川榮太郎が脱臼と大げさに言ってデマを流している」というデマを流したもの。小川氏は当初より一貫して次の趣旨を主張している。
「伊藤さんはズレた(つまりそれは整形外科的には脱臼ということになるが)と言っているが、自分はそうは思っていない。現に診断書もそうなってないし矛盾することが多い」
膝モンダイはすでにTwitter上で決着がついている。
知多郎3: Tシャツについてはこの記事に明記 〈他に着るものがなく、反射的にそれを身につけた〉。つまり仕方なく差し出されたTシャツを着た
tass:伊藤氏の言い分ではその通りだ。しかしそれでも不可解な点は残る。
①ポリ製スケスケのブラウス(実際はチュニック)が翌朝までびしょ濡れのわけがない。
②絨毯濡らしてまで入口ドアノブに掛けるわけない。正しい位置はバスルームのカーテンレールである。伊藤氏はなぜドアノブと言ったのか。移動させる必要がどこにあったか・・・これもこの事件の重要な論点である。
③「なぜ濡れているのですか?」にY氏は答えたはずだ。答えはゲロだ。肝心な部分がカットされているのも新潮のドアマン証言と同じパターンであろう。
④仮にチュニックが半乾きでも、黒のタンクトップ、カーディガンにコートまであり "強姦魔"のTシャツ借りる必要は皆無である。
⑤上記④を問うた北口弁護士の求釈明に対して、伊藤弁護団は何と答えたか。なんとなんと「コートにはボタンがない」「コートは裸の上に着るものではない」などとトンチンカンに答えたきりである。現に朝の映像ではベルトをしっかりと結び、はだけもせずに歩いているのである。
知多郎4: 最初のメールは現実逃避でレイプ被害を忘れようとしたからか?その後、すぐに警察に被害届を出し、山口自身がレイプしたことを証言させるためのやりとりです。あくまで証拠集めです。
tass:一般論として被害者の「正常化行動」というものはあり得る。ただし伊藤氏の場合は当てはまらない。なぜなら伊藤氏と山口氏の間には体育会系の厳しい上下関係や、職場の上司・部下のような継続的な関係はなく、単にコネで就職斡旋を頼んだ一回性の刹那的な関係だからだ。加えて、伊藤氏には「正常化行動」があまりに多すぎ、何もかもをこれで説明しようとするには無理がある。
知多郎5: 既に逮捕状が出ているのに、安倍友の中村格が逮捕を阻止し、起訴を阻止したこと自体が不当だからです。
tass:これはEnglishさんの
5-1. 判決前にレイプ犯のレッテル貼りはいかがなものか
5-2. 最も信頼性の高い民事裁判とはどういう意味か
5-3. 刑事裁判よりも民事裁判の信頼性が高い理由を教えてほしい
・・・の3点で構成される疑問に知氏が答えたものだが、回答に具体性はなく「中村格による逮捕状の執行停止」という未確定情報に依っている。これはこれで気になる向きは調査を継続すれば良いが、なぜか超党派議員の会も尻すぼみでその後音沙汰なし。
いづれにしても疑惑でしかないものを論拠としている時点で、知氏の反論は論理としての効力を失っており、擁護論の軸が政治性であることがはしなくも露呈している。
知多郎 番外: 「泥酔し男のいる空間に自分から裸で布団に入り込んだ(誘った)」というのは大嘘付きの山口の証言を鵜呑みにしたものである!
tass:ここは知氏の言うとおりEnglish氏の誤解がある。山口氏の弁も曖昧ではあった。ただし問題発言とされる「私のベッド」にも二種類の解釈ができるほか、当人も「伊藤氏が荒唐無稽な話をしてくるので、イジワルも込めて大げさに語った」との趣旨が答弁で述べられている。
しかし何より、この発言がどういうタイミングで出たものか見落とすべきでない。その直前(4/18 20:36)に伊藤氏が突然論調を変えてレイプの嫌疑をかけてきた。「誠意」の一語とともに金銭要求まで(金銭要求は著書では省略されている)。
それを受けてY氏は同日21:50、丁寧に状況を説明したが、伊藤氏の22:44の返信は、それに直接答える代わりに「妊娠」の脅しであった。短いメール文面の中に「妊娠」は3度も登場する。(むろん当人が4/17産婦人科で不妊を確認した後である)
そういう背景があって発信されたのが問題の「私の寝ていたベッド」発言を含むメール(23:51)である。つまり脅されている最中に出された咄嗟のメールの、ほんのわずかな不正確な記述を針小棒大に取り上げられているのである。山口氏のメール文面も伊藤氏の語る荒唐無稽な話と比べれば、どちらが客観性があるかは一目瞭然、論を俟たないだろう。
以上、知多郎さんにおかれては、上記当方の反論を考慮のうえ、新たに擁護論を再構築されたい。