見出し画像

スクープ!その2 (比較検討!タクシー運転手の証言・前編)

タクシー運転手の証言 変遷の過程は?
~ 伊藤さんの記憶とともに ~


 舞台裏が見えてきた。
 週刊新潮は2017年5月10日の初報に先立って、5月5日に伊藤詩織さんに取材を行っている。まだ報道もなされておらず、もちろん伊藤氏の司法記者クラブでの会見(2017年5月29日)にも先立つ。本人取材は、いわば一連の騒動の原点にあたる。後に大氾濫を起こす本件を川に例えるなら、伊藤さんの供述は荒川の水源、奥秩父は甲武信ヶ岳の山中の一滴にあたる。

 伊藤さんへの取材に基づき、直後には新潮社がタクシー運転手に独自取材を試みており、伊藤さんご自身も同行されたもよう(ご本人が同日の取材を告白している)。タクシー運転手といえば、この事件での数少ない目撃証人の一人であり、氏が証言した内容は事件において大きな意味を持ってきた。

 運転手証言は検察審査会宛に提出された公式文書(以下の3)のほか、伝聞を含めれば1~2、4が存在する。3以外はすべて本邦未公開で、これまで薄暗い裁判所の記録の中に静かに眠っていたものだ。今回(前編)では1と2の内容に光を当てる。

1.伊藤さんが(A捜査員から聞いて)新潮社に伝えた内容(乙1号証)
2.週刊新潮によるドライバーへの直接取材の内容(乙6号証)
3.タクシードライバーの陳述書(本裁判 甲2号証)
4.伊藤詩織さんによる陳述内容(本裁判 甲37号証 )


1.伊藤詩織さんが新潮社に伝えた内容

2017年5月5日、新潮社会議室では伊藤詩織さんへの取材が行われていた。長文のうちタクシー運転手に関する箇所を抜粋する。伊藤詩織さんは新潮社にこのように伝えていた!
*括弧内は転記者による "(ママ)" を除いて新潮社による補足です。

画像2

 もうムチャクチャ、目が点とはこのこと。ほんとうにA捜査員からそう聞いたのかも定かでない。事件から2年を経て、BB出版前の伊藤さんの記憶はこの程度だった!「帰ります」?「いいじゃないか、いいじゃないか」ってそれはお伊勢参り(笑)匂いがないとか運転手が降りて声を掛けたとか、ここ以外では見れない珍供述の数々だ。
 既述のとおり本取材は伊藤さんが取材班に同行してドライバーと面会する3日前のもの。”A捜査員から聞いた内容”という触れ込みだが、伊藤さんはすでに防犯カメラ映像は見ている。
 くどいようだが上記、伊藤さんの口述内容を元に新潮社は事件性を感じて取材を進め、一連の報道に至ったのだ。

 トリヴィアで印象に残ったのは伊藤詩織さんが「そういう会話を聞いていても、運転手さんは駅ではなく山口の言う通りホテルに来てしまった」と、まるでマヌケなタクシー運転手のポカのように新潮社に伝えていること。吐かれて営業終了となり何度も取材で煩わされた運転手さんこそいい迷惑ではないのか。イーク表参道といい料理店といい・・・ああ、BBに横溢している彼女の特質がここにも・・・。

 では次に彼女が言うところの「繰り返し言っていた」を念頭に、新潮社がまとめた取材原稿を見てゆきたい。

2.週刊新潮によるドライバーへの直接取材

 5月5日の伊藤さんへの取材の2日後、取材班は5月7日に中村格氏へのインターホン直撃取材を、3日後の5月8日には伊藤さん同行でタクシー運転手への独自取材をそれぞれ敢行し、5月10日には週刊新潮が ”世間を揺るがす大事件” の初報(5月18日号)を打つ運びとなる。

 なお、取材になぜ伊藤さんが同行したと分かるのかというと、彼女が後日、本裁判で次のとおり陳述しているからだ。「私は、どのようにホテルに行ったのか記憶に全くないため、2017年の5月8日、真相を直接伺いに、そして検察審査会への証言をお願いするために、この時運転していたタクシー運転手に直接会いに行きました」(本裁判 甲37号証 )。各種裁判を横断的に渉猟する意味がここにある。

取材日:2017年5月8日
取材先:タクシー運転手(■■■タクシー・■■■■)
取材方法:対面取材
記者:田中

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

 

 検証マニアの方々におかれては、つっこみ所が何か所あっただろうか。まるでクイズのよう(笑)筆者からは敢えて所感は述べないが、”意識がない” 伊藤さんはよく喋ることが分かった(笑)これではまるで伊藤さんの傍証というよりも山口敬之さんの証言を裏付けるかのようだ。

 次回(後編)では、これら供述とBBおよび伊藤氏が法廷で語った証言を比較検討することとする。”運転手の証言” は驚きの変遷を見ることとなる!