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伊藤-山口 控訴審の近況


 さて、伊藤-山口の本裁判はどうなっているんでしょうか。控訴審の近況をお知らせします。

 今のところ目視確認できる資料では、山口弁護団からは令和3年1月14付で準備書面(5)(全80頁)が、一方の伊藤弁護団からは令和3年3月18日付第三準備書面(全44頁)が提出された段階です(閲覧制限で資料が隠れている場合もありますので、その点は考慮しなくてはなりませんが)。

 それとは別に、伊藤詩織氏が新潮に「すごく血が出ていた」と語った乳首の出血でしたが、このことや膝の怪我腰の痛みをめぐって「求釈明」↔「釈明」の応酬が両弁護団の間で続いています。

 以下では「釈明」のやりとりの要旨をお伝えします。硬くて読みにくい法律文書を筆者が平易な口調で意訳しました。

まるでネットの#詩織サポーターの如き返答にイラついて下さい(笑)

■1/14  山口側からの 求釈明申立の内容(意訳)


「致傷」の内容については裁判官から指示がありましたわな。具体的かつ明確に、どんな怪我があったのか全て特定して書き切るようにとのことで。なのに出てきた答えは不明確。これではこちらは認否反論が出来まへん。釈明を求めます。

1 そちらさんの主張する「致傷」の結果は以下でぜんぶでっか?
 ① 乳首や腰付近の出血やあざ
 ② 右膝の痛み
 ③ PTSD

2 これら①~③について、部位、傷病な、傷の程度、全治ないし加療期間等を特定してください。
 ア 出血は乳首のみですか?それ以外にもありましたか?
 イ あざは腰付近のみですか?それ以外にもありましたか? 
   また、不法行為の結果として主張しておられるのか、それとも単に
   事情として述べただけですか?
 ウ あざの位置を変更するのであれば、変更する理由を述べてください。
 エ 原審訴状では「体のところどころ、傷ついていることが確認できた」
   とありますが、それは上の「乳首や腰付近のあざ」のうちの「あざ」
   のことですか?それともそれ以外にもあったということですか?もし
   そうなら特定してください。

3 ①~③が、山口氏の行為によって生じたと言うのであれば、どんな行為によって生じたのか「行為」と「致傷」の対応関係を特定してください。

4 伊藤氏側は「午前5時頃」の時点で「酩酊状態にあり意識を失っていることに乗じて」とされていますが、5AMの時点でですか? 同状態の該当時間帯を特定してください。

     ↓
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■3/18 伊藤側からの釈明(意訳)

1 伊藤詩織氏は、山口氏による不法行為によって乳首の出血、腕のあざ、右腰付近の痛みや右膝の痛みという負傷を負ったわけですが、これらは不法行為の構成要件としてではなく、慰謝料増額の事由として主張するものです。

2 (1)傷の特定等
     乳首の出血は、左右いずれかまたは両方かの記憶はありません
  右腰付近の痛みは部位を特定できる記憶はありませんが、背後に痛みが
  あった記憶はあります。右膝の痛みは、受診の結果、病名は右膝内障・
  右膝挫傷でした。

  (2)腕のあざの主張は維持します。
  「乳首や腰付近のあざや出血」は→「乳首の出血、腕のあざ、腰付近の
  痛み」とします。

  (3)「体のところどころ傷ついていることが確認できた」→これにつ
  いては、傷の部位、種類ともに特定できません

3 (1)乳首の出血は、意識を取り戻してからではないけれど、他は(ト
       イレを挟んで)1回目と2回目の双方と考えて矛盾はないです。ただし
       右膝の痛みについては、意識をとりもどしてからのことと、強く推測で
       きます。

  (2)精神的損害については意識を取り戻す前と後の双方が該当しま
  す。

4 意識を取り戻した5AM以前のことについて、酩酊状態の時間帯やその
  度合いを釈明する要(筆者注:必要はないとの意か?)はありません。

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     ↓

■3/26 山口側からの 求釈明(2)(意訳)

返答をもらいましたけど、前より更に不明確になったではないですか。

1 「乳首の出血は左右いずれかまたは両方かの記憶はない」とか、「腕のあざは赤みを帯びた~で、部位は特定できる記憶はない」とか、「右腰付近の痛みは~記憶はないが、背後に痛みがあった記憶はある」などなど。これらの言い分は、「(これらの)身体的負傷を負った」という主張と矛盾していませんか

  ① どうして部位は特定できないのに「乳首」「腕」「腰」などと言え
    るんですか?
根拠をお示しください。

  ② 部位の記憶はないのに、「出血」とか「赤みを帯びた」とか形状や
    ら痛みの記憶が言えるものなんですかね?

2 先の求釈明では「行為」と「致傷」の対応関係の説明を求めましたが、お答えになっていません。

  ① 説明いただいた「乳首」の説明内容は、意識を取り戻す前のことで
    すか、それとも取り戻した後のことですか?
    もし後者のことであれば、原因は何ですか?

  ② 回答の内容から「乳首の出血」「腕のあざ」「右腰付近の痛み」
   「右膝の痛み」の各「致傷」の結果については、どんな行為の結果と
    して生じたものなのか、特定できないってことで良いですか?

3 そちらさんは、「意識」と「記憶」を混同しています。「被控訴人が意識を失っていた時間帯は、平成27年4月3日の寿司屋で2回目のトイレに入った後から平成27年4月4日午前5時頃までの間である」と主張する一方で、「本件寿司店で目を覚ますまでの記憶がなかった」などと主張されていて、用語の混同が見られます。意識がないことと、記憶がないことは明瞭に区別されるべき事柄です。そこで、以下の点について釈明を求めます。

  ① 伊藤詩織氏は「意識がない」という用語を、どんな意味で用いてお
    られるのですか?
  ② 伊藤詩織氏は「記憶がない」という用語を、どんな意味で用いてお
    られますか?
  ③「意識がない」と主張される時刻ないし時間帯を特定してください。
  ④「記憶がない」と主張される時刻ないし時間帯を特定してください。

     ↓
     ↓

■4/9 伊藤側からの 釈明(2)(意訳)

1 (2)の1項について
  伊藤詩織氏の主張に矛盾はありません。また、性的暴行を受けた
  者のありかたとして、何も不自然・不合理な点はありません。よって
  山口側の求釈明に対する釈明の要はありません!

2 同2項について
  こちらも同様に釈明の要はありません!
  なお、①については伊藤氏は意識を取り戻して以降は乳首への暴行ない
  し加害行為があったことを記憶していないので、そのように主張しまし
  た。

3 同3項について
 (1) 伊藤氏が記憶を有している時間帯は本件鮨屋で2回目のトイレに
  入った直後までと、平成27年4月4日午前5時頃以降です。その間のこ
  とは全て記憶にありません。

 (2) 伊藤氏には(1)の時間帯に、「記憶はないけど意識を取り戻し
  ていた時間があった」と主張できる根拠はありません。なので、(1)
  の時間帯に呼びかけに反応しない意識喪失状態が継続していたのか、
  一時的に意識を取り戻していた時間があったのかは不明です。仮に
  あったとしても、その時間帯を特定することは不可能です。

 (3) 本件では伊藤氏は一貫して5AM前後のことの責任を問うている
  のであって、一方の山口側は(5AMの)行為自体を否認したうえでこ
  の行為が「同意に基づく」と抗弁しているのでもないですよね。山口側
  はあくまで2-3時頃と主張しているのであって、2-3時は審理の対象では
  ありませんね。
  なお、2-3時の時間帯のことについては伊藤は記憶にないので、呼び
  かけても反応しない状態であったかどうかについて、根拠に基づき述べ
  ることは不可能です。
                              以上


まとめ

 感想を一言で言うと、逃げるな!です(笑)「記憶がない」だけで、伊藤さんには「意識を失って」いた期間は無いです。タクシーでも(英語まで交えて?)よく喋り、ホテルロビーでも速足で歩いています。その後の室内ではゲロってバスルームで貞子みたい(資料内の絵より)になった後、イビキをかいて寝ていただけ。ですから「意識」はずっと有ったのです。もっと言うと、一般人の普通の注意と読み方で上のやりとりを読めば、乳首も腕も膝も腰も、実はそのような事実は存在せず、後から付け加えたもの。もはや明らかです。「すごく血が出た(新潮)」のに、右か左かそれとも両方か覚えていないなど常識的に考えてありえない!受傷日を3/31と申告した膝の診断書は会社を休むためでしょうし。

 やりとりは今現在、ここで終わっています。この後、まだ続くのかどうなのか。これだけでも裁判長にはしっかり伝わっていると筆者は思うのですが。
 「意識」と「記憶」の混同は、早い時期からネットの検証マニアさんたちがモヤってきたこと。山口弁護団がキッチリ詰めてくれて気が晴れる思いです。
 すでに実態は分かりきったことをじりじりと言葉で詰めてゆく山口弁護団!こうして矛盾を言葉で露呈させてゆくのですね。おおーこんな風に追い込んでゆくのかーと非常に勉強になりました。伊藤側は「要はない!」とキレるしかないという(笑)こんどから詩織サポーターには「要はない!」で済まそうかな。

 すり替えも誤魔化しもサポーターとそっくりですね!