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スクープ!その1 (中村格氏への取材内容)

いま蘇る中村格・元刑事部長の肉声!

これは新潮社の吉田調書だ!

この取材内容で、どうしてあんなことまで言われなければならない?それがインターホン越しのやりとりを読んだ筆者の率直な感想だ。逮捕状の握りつぶし、中村格が決裁したという表現を私たちは何度耳にしてきたことか。


本件は伊藤山口の本裁判の他に、小林よしのり氏&小学館、新潮社、はすみとしこ氏+一般人2名、杉田水脈議員、大澤昇平氏・・・と複数の訴訟が今現在、法廷で係争中だ。筆者は伊藤山口控訴審とは別の裁判で、2017年5月7日に週刊新潮が行った中村格元刑事部長への取材内容を見つけた!発掘されたお宝資料!

この取材の2日前、5月5日には同社会議室にて伊藤詩織さんへの取材が行われている。伊藤氏の口述内容に沿って中村氏への取材が決行されたものと見て間違いなかろう。

取材の動機につき、新潮社は「権勢をふるう安倍政権において睨みをきかせる菅官房長官の懐刀で将来の警察庁長官とも目される中村刑事部長による捜査のストップ指令は権力の濫用にあたり、問題ではないかとの問題意識から、編集会議に企画として提出していたところ、取材を開始することとなった。」と述べている。

さて、実際に中村格氏は何を言ったか。タイマーで一定時間ごとに切れるご自宅インターホンを記者が何度も呼び直して行った初期取材の内容は次のとおり。これが後に2年以上に及ぶこととなる一連の報道の元となった取材の全容だ!

取材内容
取材日:5月7日
取材先:中村格(警視庁組織犯罪対策部長)
取材方法:インターホン取材
記者:週刊新潮・田中

*筆者注:太字が中村格氏

はい

- 中村格さんでいらっしゃいますか?
どなたさんですか

―私、新潮社という出版社で週刊新潮の田中と申します。
はいはい

― 大変お休みのところ恐縮なんですが、来週の水曜日発売の週刊新潮で中村さんに関する記事がでる予定になっているんですよ。
はい

― で、それがどういうものかと申し上げますとですね、2015年にさかのぼるんですが、当時、刑事部長でいらっしゃる際にですね、
ええ

― TBSの元ワシントン支局長の山口敬之さんの準強姦事件に関する捜査が行われていたんです。
はい

― 当時、■課長であるとか、高輪署の所長の了承のもと捜査は進んでおり、逮捕状を請求されて取得されていた、で、成田空港、6月8日ですね、待ち受けていたんですよ、当時、捜査員が・・・・あ、聞こえていますか?(インターホンが切れる)
(再度インターホンを押す)
すいません、時間で切れてあれなんで、ごめんなさいね

ー 切れてしまいましたね。その山口氏に関する準強姦事件で逮捕状がでていた事件があったと。で、当時、捜査員が逮捕直前までいっていたんです。成田空港で、待ち構えていた。その際に捜査が中止されてしまった。急にですね。
捜査中止ですか?

― はい。上層部の判断。つまり、当時の刑事部長の中村さんの判断ですね。
そういう話ですか?

― そういう話ですね。はい。
ふうん

― 中村さん、ご存じのとおり菅長官の秘書官も長く勤めておられてですね、
「申し上げますけど、個別具体的な」(インターホンが切れる)
(再度インターホンを押す)
はい。ちょっと時間で切れちゃうものですから

― つまり、記事の趣旨としてはですね、中村格さんが安倍総理であるとか、菅長官の意を受けて捜査を中止した、というのが記事の内容になっています。
ありえないですよ

― ありえない?ただ、現場の複数の捜査員がですね、極めて異例の捜査の中止だったと。これは、明らかに、
個別の具体的なことなんで、詳しくは申し上げられませんけど、あの、それは大きな誤解ですよ

― 逮捕状がでていた、
もう、言えません。具体的には申し上げませんけど、あの、これは相当、誤った情報です。はい。

― じゃあ、逆にどうして現場の捜査員たちが、複数の捜査員たちが、そういう風に思ったと思いますか?
それは、捜査自体のそれぞれの判断が、それぞれの立場であったはずですよ?

― 少なくとも、中村さんとしては菅さんから意を受けた、あるいは安倍さんから意を受けた、ということはないということですね?
ありえません。絶対、ありえません!

― じゃあ、
個別具体の事件について、あのう、秘書官の時の上司だったひとたちにどうこうということは、これまでも一切ありませんし、あの、それは事実無根であります

― なるほど。
はい。以上です(インターホン切られる)
(再度インターホンを押す)
はいはいはい

― すいません、最後に一点。中村さんが忖度をしたということはないですか?
ありえません。私は山口さんなんて普通知りえもしないし、誰から聞いたとかはありません(*意味不明)

― じゃあ、どうして中村さんは当時、捜査の中止を命じられたんですか?
具体的な中身は申し上げられませんけど、捜査の指揮として当然だと思います

― 合理的な理由があったということですね?
それは事件の中身をご覧になられたらわかります

― 少なくとも、その事件についてずいぶん記憶には残っておられるということですね?その、捜査が中止になったということについては?
まあ、あのう、非常に、捜査としては適切な方向に、自分として判断したおぼえがあります

― なるほど。逆に、山口氏の当時の立場が問題だったんですかね?
違います、違います。事件の中身として、私が判断(した)

― 事件の中身として身柄を取るにはいたらないという判断をされたということですね?
それはあの、その後、その事件がどういう評価を受けているか、最後

― そうですね、不起訴処分になっていますね。
そう。あとはわかりますよ。事件としてはそうなっているんですね。はい。

― なるほど。確認なんですが、忖度もなかったし、政権幹部の意を受けたということもなかったということですね?
一切ありません。そんなこと、とんでもない話です

― わかりました。どうもご丁寧にありがとうございました。失礼いたします。
はい

                         <引用おわり>

*筆者注:文中の意味不明の箇所につき、田中敦記者に通訳してあげよう。
ありえません。私は山口さんなんて普通知りえもしないし、誰から聞いたとかはありません(*意味不明)→「私は山口さんという方を普段、知り得る立場にはないし、他の誰かから(山口氏のことを伝聞で)聞いたということもありません。

田中記者は分からなかったか?言ってもない事を憶測で語るのはお得意なのに?


この内容が週刊新潮にかかると「私が判断した」にウェイトが置かれる。(2017年5月18日菖蒲月増大号記事

伊藤詩織氏はその後も何度も中村格氏に取材を申し込んだと言うが、中村氏はすでに明快に「全否定」の回答しており、これ以上の詳細が得られないことはプロの記者ならお分かりだったろう。クルー同伴で伊藤氏が走って追いかけ、中村氏が逃げ去る「」が撮れている。

↓新潮サイトには動画あり


新潮社による自宅凸撃に続き、(清水潔氏の)日テレも独自取材を敢行したが、元刑事部長は更に明確にこのように述べている。

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本note読者の検証マニアの方々なら先刻ご承知のことだろう。この事件は中村格氏が(官邸の指示を受けて)逮捕状を握り潰したのではなく、高輪署の杜撰な捜査を本庁捜査一課がすんでの所で正常化した一件だ。中村氏は部下の失態を正すという、部長として当然の責任を果たしたまでのこと。どう考えてもその方が常識的な見立てなのだが、ゲスな思い込みの「陰謀論」に嵌った週刊新潮は決めつけで爆走した。

高輪署・A捜査員については、「とよかつ」の女将さんも次のとおり述べているではないか。
「●●さん(筆者注:高輪署・A捜査員のこと)は、私達夫婦から事情聴取をした時に、伊藤さんを擁護する態度だったので、私達は●●さんに違うよ、彼女がかなり積極的だったと伝えたのですが、●●さんは納得がいかない様子でした。」(本裁判 乙第83号証の1より)

高輪署A捜査員の偏向捜査はすでに世間の知るところだ。角度のついた週刊新潮の記事が発端で、問題は国会にまで波及した。マトモな捜査をした一件が日本の悪評として全世界に広まった。小林よしのり氏は新潮報道を鵜呑みにした結果、現在は名誉毀損裁判の被告となっている。新潮社はこの大混乱をどうしてくれるんだ!日本中が翻弄され、熾烈な論争は今現在も続いている。これは新潮社の吉田調書であり、また、慰安婦報道と同じ。新潮社による平和に対する罪、人道に対する罪。これらの罪は殊のほか大きい。


補記:『新潮45』イシューでは論壇と言論を守ることをせず、脅しに屈して呆れたコメントを残したまま同誌廃刊を決定した佐藤隆信社長だった。新潮社・佐藤社長は田中敦記者、小出英知記者とともに新潮社裁判の被告となっている。今回ばかりは言論人としての責任を全うされよ!