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看護師Sの陳述書

- とりあえず緊急に公開!-

ライオンクローバーさんのツイートを受け、緊急に公開します。今回は全文です。緊急公開につき評論は追って追記します。

Sよ!おまえもか!!

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平成29年7月21日
東京第六検察審査会御中

自己紹介

(省略)

以下では、詩織さんが事件に遭った後の、私とのやりとりについて覚えていることを陳述いたします。

平成27年4月6日


詩織さんから話したいことがある、とLINEがきました。何か相談ごとがあるのかな、と思いました。
私は引っ越したばかりで、せっかく会えるなら彼女のインテリアセンスを借りようとIKEAに一緒に行ってくれないかと誘い、翌日、一緒に行くことになりました。

平成27年4月7日

(1) 当日待ち合わせ前に膝が痛いとLINEで言っていたので、薬局で一緒にサポーターを買いました。会ったときから、詩織さんは明らかに元気がありませんでしたが、多忙や膝の痛みのせいかな、と考えていました。電車で向かう途中は、お互いの近況や他愛のない話をしていました。IKEAでしばらく見て回ったのち、カフェテリアで昼食を食べることにしました。いつもならすごい勢いで食べる彼女が、まったく食欲がなく、だんだん心配になってきました。いつも通り、彼女から話してくれるのを待っていたのですが、なかなか言葉にできない様子は初めてで、何でも話せる私にまでなかなか言い出せないことってなんだろうと、心拍が速くなっていくのを感じました。私がどうしたの?一体何があったの?大丈夫、ゆっくりでいいから話して、などと言い、やっと、やっとの思いの様子で大変な目にあったことを話し出してくれて、私は彼女がそんな目に合うなんて全く想像もしていなかったため、最初は事件のことを受け止められずにいました。あまりにも、ショックが大きすぎたのです。彼女もまた、まだ混乱の中にいて、まだ女性として大切な身体と膝と心と全てが痛む中、泣きながら話す彼女を目の当たりにして、私も涙がとまらなくなりました。しかし、彼女がそんな目に遭いながら今日来てくれて話してくれたのだから、何とか力になりたいと思い、4月3日の夜から翌4日の早朝に起きた出来事について詳しく話を聞きました。

(2) 加害者の山口氏のことはニューヨークに一緒にいたときにも詩織さんの仕事の話の中で聞いたことがありましたし、立場のある人物だっただけに正直驚きました。彼女は仕事柄、人柄的にも世界中にコネクションがあり今回のようにメールでアポイントメントをとり仕事の話をするのは珍しくなかったようで、今回も何人かで会うものだと彼女は思っていたようです。その後、彼女が意識を失ったときのことを聞いた時、中学から一緒にいて、成人して初めてお酒を飲むところから彼女をみてきた私からしても、到底考えられない異常な事態だと思いました。まず第一に、お酒に強い詩織さんが、意識を失うということが信じられませんでした。アルコール度数の強いお酒をショットで何杯も飲んで正気を保てる彼女が、寿司と一緒に日本酒をちびちび飲んでいたくらいで意識を失う訳がないと思ったからです。第二に、仕事の関係者で、ふた回りも年上の方と付き合いでお酒を飲んでいるにも関わらず、彼女が泥酔するほど飲む訳がないと思ったからです。これらのことから、詩織さんが意識を失ったのは、アメリカなどで問題となっている薬や睡眠薬が、山口氏によって使われたのではないかと考えました。

(3) 4月4日の朝5時ごろのベッドの上で気が付いたとき、膣や胸がひどく痛かったことや、山口氏がコンドームを使っていなかったことを泣きながら話す詩織さんは、震えて血の気が引いており、冷や汗をかいて手が冷たくなっていました。必死で抵抗したそうですが、山口氏に上から馬乗りで押さえつけられ(原文ママ た?)そうです。このときに膝のけがを負ったのかと思うと、今でも涙がとまりません。 私は詩織さんから話を聞いているだけで頭痛と吐き気がしました。事件から今日まで彼女が一人で悩んで悲しんで悔んでいたかと思うと、怒りと悔しさと入り混じった感情が私の中にわきあがってきました。

(4) 事件後、彼女は被害にあったホテルから一刻も早く離れたくて、実際そうしたそうです。同じ立場に置かれたら、私だけでなく、どんな女性でもそうしただろうと思います。しかし、詩織さんは、私と話しながら、自分がとった行動を後悔していました。彼女は、第三者の証言等のないこの種の事件は密室で行われるために、自分の証言以外に客観的な証拠が乏しいことから、その現場から110番すればよかったと話していました。

(5) 私も周りにそのようなことを経験した人はいませんでしたし、警察への被害の届け方などの知識もありませんでした。どのような証拠をそろえれば良いのか、事件から日が経っていても大丈夫なのか、など心配ごとがたくさんありました。この日、詩織さんから話を聞いたあと、一緒に警察に行こうか二人で悩んだのですが、彼女は仕事のこともあって、まだ迷っている様子でしたし、私もとにかく彼女の身体と心が心配で休んで欲しかったため、この日は家に帰しました。

平成27年4月10日

(1) 詩織さんから、やはり警察に行こうと思う、とLINEがきました。彼女が警察署に行った帰り、地元の駅まで迎えにいって話を聞いたところ、彼女は精神的に疲れきっていました。私は彼女が警察署でたらい回しにされたことや、男性職員の酷い対応の話を聞いて、憤りと悲しみを感じました。準強姦という重大犯罪が「よくあることだから」とか「仕事にも影響するからやめておきなさい」という理由で被害を受け付けてもらえないことが、とても信じられませんでした。では、殺人も「よくあることだから」受け付けてもらえないのでしょうか。彼女は外見が綺麗で、見られ方によっては少し派手であるため、男性との関係には慣れている、むしろ遊んでいるのではないかと思われたのかもしれません。しかし、それはとんでもない誤解です。彼女はそういったことを一番毛嫌いしており、今までの男性との交際も本当に純粋で、誰に対しても裏表がなく、一人の人としっかり向き合える力をもっている女性です。ましてや彼女は、仕事において「女」を利用してやろうなど(と?)いう思想とは真逆のところにいます。彼女からそんな考えを聞いたことも見たことも全くないし、今まで実力を認めて欲しいと頑張ってきたことを知っています。

(2) この日から4月30日に被害届、告訴状を書くまでの彼女の勇気、行動を本当に尊敬します。日本の性犯罪に対する意識の低さ、警察の対応力のなさに、一人のジャーナリストとしても危機感を抱いて、突き動かされるように行動していたように思います。彼女の口からは、私が声を上げないと、また同じ目にあう女の子が出てくるかもしれない、泣き寝入りする子がたくさんいるかもしれない、という発言をよく聞きました。彼女は自分がたとえつらい立場になろうとも、全く自分の関係ない人のためでも勇気を出せる、正義感に溢れた人物だと思います。このように彼女は強いところがある反面、脆いところもあります。4月22日にLINEでやりとりをしたときには、何時間も電車に乗ることができず、新宿駅でボーっとしていたということを後で聞いて知りました。この事件のことは一生、彼女にとって忘れられない恐怖であることに、留意していただきたいと思います。

平成27年5月7日

彼女から、生理が遅れていると聞きました。不正出血もあったとのことです。事件の際、山口氏がコンドームを使っていなかったことで、彼女は妊娠していないかとても怯えていました。
警察からのアドバイスもあって、妊娠検査に同行しました。検査結果を待つ間、事件後に山口氏から送られてきたメールを見せてもらいました。罪を認識していながら逃げるような文言ばかりで、本当に腹が立ちました。加えて、山口氏はメールで、精子の活動が低調な病気だから妊娠することはない、などと言ってきていました。本当に気色が悪く鳥肌がたちました。
検査の結果が出て、医師から話を聞くときには、前は大丈夫だった男性医師も苦手になっており、女性医師を希望しました。しかし女性医師は手があかないとのことで、私が一緒に部屋に入って男性医師から検査結果を聞くことにしました。
妊娠していないという結果を聞くまで、彼女は極度に緊張していて、私の手を握る力がとても強かったのを覚えています。

彼女にこのような思いをさせて、身体と人格と尊厳を傷つけた山口氏をとても許すことはできません。
十分証拠もありながら、逮捕状が直前でとめられるなど、起訴されなかったのは不思議としか言いようがありません。
今回の彼女の検察審査会への申立が認められることはもちろんですが、彼女が勇気をもって声をあげたことで、法律のあり方や警察や社会の性犯罪への認識が変わるよう強く願います。 以上