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スクープ!その2 (比較検討!タクシー運転手の証言・後編)

変身!タクシー運転手の証言
~ 伊藤さんの陳述は? ~


 気の利いたお鮨屋さんなら、同じマグロでも赤身、炙り、漬け、中トロ、大トロ等・・・調理法を変えて舌を楽しませてくれる。でも、どんなに調理法を変えてもマグロはマグロでネタが鰯に変わることはない。ところが・・・だ!

 さて今回はマグロの食べ比べならぬ、タクシー運転手の証言4種の読み比べだ。前回の(前編)では1と2をお伝えした。今回(後編)では、3と4を行ってみよう。

1.伊藤さんが(A捜査員から聞いて)新潮社に伝えた内容(乙1号証)
2.週刊新潮によるドライバーへの直接取材の内容(乙6号証)
3.タクシードライバーの陳述書(本裁判 甲2号証)
4.伊藤詩織さんによる陳述内容(本裁判 甲37号証 )

 3については早い段階からネットに出回っているものだが、改めての掲載となる。前編の2新潮取材(5/8)と後編の3陳述書(6/26)のビフォーアフターを確認いただいた後、続く〆では4伊藤さんの法廷陳述(2018/11/26)に驚いてください!

3.タクシードライバーの陳述書(本裁判 甲2号証)

 この文書は2017年の検察審査会用に作成されたもので検証マニアの方々におかれては先刻ご承知のことだろう。あらためての掲載となるが、昨日の取材内容を念頭にご再読いただきたい。そして日付けに注目だ。(前編)でお伝えしたタクシー運転手の取材から一月ほどしか経っていない間に、もはや原形を留めぬほどに大変身を遂げているのだ!

 そして文体!昨日の(前編)でご紹介したざっくばらんな運転手の語り口と比較して、格段に体裁が整っており内容も精緻になってほぼBBに寄った。

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 新潮取材時から何がどう変化したか。沢山あるが、5月8日には喋りながらだんだん思い出してきた様子で内容もぼんやりだったものが、ここでは事細かに書かれている。運転手さんの文章力が格段に上がった。わずか一月でここまで進化するものだろうか。もはや誰が纏めてタイプアップしたのか?と疑うレベルだ。

 忘れてはならないのは、陳述書作成時には運転手はすでに伊藤さんと接触しており、直々に証言をお願いされたこと。変化の痕跡は・・・、

・まず、トーンが全く違う。新潮取材ではほぼ山口氏の言い分どおりだったものが、ここでは伊藤氏寄りに劇的な変化を遂げている。
・シェラトン都ホテルに行ってきたかもしれない/2年近く前のことなので、絶対という言葉を使えませんけど(取材)→よく覚えています
・「最初に(男が)「都ホテル」って言っていますから」が無い!消えている。
・取材では「(それを言われた地点が)目黒駅がいちばん近かった」となっているが→車に乗り込んですぐに女性が「近くの駅まで」と言ったことになっている。
・その辺は男女の仲ですから(取材)→二人は恋人どうしではなく仕事の付き合いなのだと推測
・仕事の話をしていたような気がする/一部は英語で話していた気も(取材)→寿司が美味しかったというような話、仕事の話
・「近くの駅で降ろしてくれ」って言われたんです。で、(それを言われた地点が)目黒駅が一番近かった(取材)→「厚生中央病院前」の交差点付近”でも”「目黒駅へお願いします」と言ってきました
・「とりあえず、駅はあれだからホテル行って」(取材)→「まだ仕事の話があるから、何もしないから」
・降りてからのことはこちらはわからない(取材)→いったん先に降りてカバンを車外に置いて/女性の脇に自分の肩を入れ引きずり出すような形で。伊藤さんは(A捜査員に聞いて)運転手が降りて声を掛けたとか言っていた。

 因みにたまたま運転手がぼんやりとでも覚えていたのは、「かきいれ時だったから。その時に吐かれちゃったから」(取材)であり、事件性があったからではない。印象的な出来事とはゲロで営業終了したことだ。

 「いったん先に降りてカバンを車外に置いて」とあるが、奇妙に思うのは、ホテルの車寄せで客を降ろした時に、鞄を車外に置いたことまで運転手は確認できたのだろうか。取材では全く触れられていなかったのに。まるで運転手が防犯カメラ映像を視て書いたよう。

 美人で”スタイルが良い”?「デキる女」と同様に後からちゃっかり加筆したか?


4.伊藤詩織さんによる陳述内容(本裁判 甲37号証 )

 次は、翌年の2018年、本人が民事法廷で述べた内容にあたる。

日付:2018年11月26日

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                        <引用おわり>


*えっとぉ、あまりにアホらしいので逐一コメントは控えますが、すでに盛られた陳述書がさらに盛られて姿を変えてゆく・・・。

まとめ

 新潮社に同行した取材は、BBではまるでジャーナリスト伊藤詩織さんが単独で運転手に直撃取材したように書かれていたが、実際には取材班に付いていったもの。後日あらためて(弁護士同伴で?)陳述書の作成にあたったのだろう。タクシー運転手の証言については、最初期に高輪署で採られた調書があれば、よりはっきりした事が分かるだろうが、残念ながら刑事資料は藪の中だ。
 BBならびに会見で有力証言と謳われたタクシー運転手の証言だったが、控訴審ではドアマン証言との違いゆえに重視されていない。だが世間ではまだ「何度も駅で降ろして・・・」「何もしないから・・・」BBの記述を信じ込んでいる人が多数なのではないだろうか。
 タクシー運転手の2種の証言のどこにも、伊藤さんが”何度も駅で降ろして”と伝えた痕跡は見当たらなかった。よく分かったのは ”意識のない” 詩織さんはよく喋るということ。