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はすみとしこさんとRT裁判 続報

 これまでの状況は(↓)こちらでお伝えした。今回はその後の進捗状況ご報告です!

 どうなるのかな?と思っていた「裁判の分離」は、現時点で実現されておらず、はすみさんとクリエイターA氏、医師B氏の全員が一纏めのまま訴訟は進んでいる。A氏もどうやら(弁護士はつけずに)本人訴訟で行く様子だが、下記にレポートするとおりそれで良いと思う。

■ イラストと伊藤詩織氏の類似性 

 そもそもイラストは伊藤詩織氏に似ているのか?似ているのか似てないのかについて議論が進んでいる。

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以下は、B氏代理人の弁。

<B氏代理人の弁>
2 登場人物たる女性の漫画は原告とは別人
原告はその女性は原告を指しているのだと主張しているが、その登場人物の女性はそもそも原告と似ていないし、デフォルメした漫画だとしても原告の顔の特徴を掴んでいない
たとえば、髪の整え方、眉毛の形、瞳の位置、鼻の形、口の大きさ、そして、何よりも顔の輪郭は、いずれも明らかに原告と異なっている。被告蓮見は、あえて原告とは別の人物を描いたのか、原告という人物を描いたつもりが下手だったのか、それとも、原告という人物を描く際に敢えて顔の特徴を外したか、それは定かではない。しかしながら、いずれにしても、一般の閲覧者が予断を排除して普通に漫画だけを見たならば、その人物が原告であるとは普通は判断できないであろう。

 描いたつもりが下手だったって、ちょ(笑)実際そう似てはいないね。毛量がちがうし分け目の感じも(苦笑)筆者なら鼻の違いをあげるな。詩織さんの鼻はもっと丸っこいよね。全体的な印象でいえば普段の伊藤さんはどちらかというとキュート系のお顔立ち。対するイラストは色気ムンムンです。

 当のはすみ氏代理人は(↓)こう言っている。画力からすればわけもない(笑)はすみさんの画力を巡って争わないで下さいね(笑)

<はすみ氏代理人の弁>
(お)原告は、13頁3行目以下で、原告は目が大きく、鼻筋がとおり、唇がやや薄く、当時の髪型がワンレングスと述べ、本風刺画の女性が被告と特徴が似ていると主張するが、目が大きく、鼻筋がとおりなどは美人の一般的な特徴であり、上記のジャスミンもそのような特徴である。
 唇については、本風刺画はどちらかと言えばぽってりした唇として描かれており、唇については原告と異なる。また、髪型についても、当時の原告の髪型をインターネット等で見る限り、右分けのワンレングスはそのとおりであるにせよ、本風刺画のような全体をふんわりさせているようなワンレングスではなく、その部分についても原告と本風刺画とは似ていない。
 被告の画力からすれば、唇を薄くしたり、髪型を原告のものと近いものにすることはわけもないことであるが、そのようにしていないのは、原告をモデルにしていないからである。
「絵の女性=原告」という図式は、原告や原告を応援する支援者、それに感化された左派メディアが言いふらしている誤ったイメージである。
 風刺漫画はリアリティを出す為、当時主流な髪型やコンテンツ、ニュースなど、現実から要素を取り入れる場合がある。
 漫画やイラストの通常において、ヒロインは美女として描く事が多く、美女に描くために目を大きくしたり、鼻筋が通った感じにするのは当然の技法である。原告は美女であり、それを自覚しているようで、風刺画の美女が自分のことだと勘違いしている

 美人だからアタシのことよね!って筆者も一度言ってみたいわ(笑)

■ 「枕営業」ってどうなの

 「枕営業」についても面白い。伊藤詩織側は「当の山口氏ですら「枕営業」とまでは言ってないのに、なんちゅうことを!」とお怒りだが・・・。

<伊藤詩織氏側の言い分>
「枕営業」は事実ではない。被告は本件性被害について何ら事実を調査しておらず、蓮見は原告が「枕営業」をしたと主張しているが、合意があったと主張する山口氏ですら原告は泥酔して自分のしたことを忘れているのではないか(にもかかわらず、その後私怨を募らせて告発した)と主張している。したがって被告蓮見において、摘示事実について真実を信じるに足る相当の理由はない。悪感情を表明したもので、公益を図る目的があったとは認められない。

 カンカンの詩織さん側に対して、はすみさんは一貫して、「だからさー、詩織さんのことじゃないって言ってんじゃん!」という回答なのだが、別の文書のB氏代理人の弁には噴いた。「枕営業」の言葉こそ使ってなくても、実際そういうことやんと言ってて笑える(笑)面白すぎる(笑)

<B氏代理人の弁>
訴外山口氏は「枕営業」という言葉こそは使用していないが、原告が泥酔して嘔吐したため就活に失敗してしまった模様を、訴外山口氏は重点的に丁寧かつ克明に描写している。まさに、いわゆる「枕営業大失敗!!」(泥酔して派手に嘔吐し、酔いつぶれてしまい、そのため実際は、その目的としていた「夜の酒食を伴った就活」のための「活動」〔セールストーク〕をやり損なってしまった、という大失敗譚〔しくじり話〕なのであった。)を基礎づける事実を、訴外山口氏はその趣旨として表現したのである。(準備書面(5))

 A氏に至っては「枕営業」どころか、事件そのものを知らなかったというのだからご災難が偲ばれる。

<A氏の弁>
原告に左翼の手先という噂が立っていた事や山口氏と原告が裁判をしていた事を、本件イラスト3-1をリツイートした時点までに私AがSNSで投稿した事実もありません。それは私Aがリツイートした時点では原告と山口氏の裁判を知らなかった事を意味しています
もしも原告の主張するように私Aが「左派」「リベラル」を批判することに熱心ならその山口氏と原告との裁判に関してSNSで投稿をするはずですし、リツイートしたツイートのリプライに反応して自らリプライにコメントを残すはずです。しかしそのようなコメントを私Aが書き込んだという事実はありません。それは私Aがそのリプライを読んでいないことを示します。事実、そのリプライを見ずに私Aはリツイートしております。

■ これはスラップ訴訟か

 はすみ氏とB氏の両代理人が揃って指摘しているのが、これはスラップ訴訟であるという点。第三者の筆者も同感で、スラップ訴訟の見本だと感じる。

<はすみ氏側の弁>
 そもそも本訴はスラップ(いやがらせ訴訟)である。
被告が今まで取り扱ってきた諸問題は、リベラル(革新派)を名乗る者たちが被告と反対の立場を取るような問題であり、被告の情報発信はリベラルを名乗る者たちにとっては望ましくないものである。
 そのような者たちが、原告の準強姦の二次被害の主張にチャンス到来とばかり便乗し、被告に攻撃・スラップ(嫌がらせ)をしている可能性がある。
 ちなみに被告は原告から示談交渉の通知を受け取った後、多忙のため、もう後2週間の猶予が欲しいと返答したが、原告はその期間を待たずに訴訟を提起した経緯がある。

 A氏(↓)は「スラップ」という言葉は使っていないものの、伊藤詩織側は明らかに政治思想の問題と捉えていて、はすみ氏の指摘と符合する。

<伊藤詩織側→A氏>
保守ないし右翼は原告が「リベラル」「左翼」の手先であると思い込み保守側が原告に対して左翼の手先になって山口氏への提訴をおこしたと主張している。そしてそれが蓮見被告のイラストの反響を呼んだ。

<A氏の回答>
 原告が左翼の手先で裁判を起こしたという説も私Aは知りませんでした。また蓮見被告のTwitterも私Aは頻繁に見ているわけでもなく、原告が訴えたリツイートしたイラストも本件のみです。これは原告が左派と呼ばれてるのに私Aがそれを理由に原告を貶める意図がない事を示します。

B氏(↓)もまた、こう言っている。

<B氏代理人の弁>
3 原告の代理人弁護士は、本件訴訟を提起するまでには何らの催告も行わず、本件訴訟を提起した日(2020年6月8日)の翌々日(2020年6月10日)に突然、被告Bに対して、「もしこちらと、話し合いで解決がしたいということであれば、応じる用意もある」と申し述べるために架電して来た(甲27「報告書」1頁)。(なお、もしも原告の代理人弁護士が本件訴訟の提起前に、被告Bリツイートを取り消す(撤回する)ように督促していたならば、被告Bとしては直ちに素直に取り消し(撤回)していたのであった。)(準備書面(3))

 B氏代理人が指摘する如く、ふつうは訴訟前にまずは「削除の要請」をするものだ。まずはTwitter社ないしは当人に直々に削除の要請があってしかるべき。「度々の要請にもかかわらず交渉が決裂した」というプロセスは仮に訴訟に発展した場合でも原告に有利に働くものだし、何よりも自助努力はするものだろう。ところが伊藤詩織代理人はいきなり高額訴訟を提起し、架電して「示談」を持ち掛けている。しかもたかだかRT程度で。その事についてもB氏は怒っている。カンカンに怒っている様子が文字から伝わってくる。筆者はもちろん、絵に描いたようなスラップ訴訟だと思っている。

 さて、ここからは個々の戦況を見ていこう。

■ A氏(クリエイター)

 当初からの「イラストが気に入って一時保管のためにRTした」との主張に対して、伊藤詩織側はなにかと理屈をつけて「オマエは思想的に右じゃねーか」「うそこけ」などと反駁しているが、A氏の回答は「事件のことは知らなかった」「原告を揶揄する意図はなく峰不二子的なものに惹かれた」、「ニコニコ動画の番組は見てない」、「職場ではラジオをBGMで流しているが、よほど大きな事件でもない限り気に留めない」、「もしも思想的なものがあるのならRT時にコメントを付すものではないか」等々、誠実にお答えになっている印象だ。

 A氏としては晴天の霹靂、普通に歩いてたら上から植木鉢が落っこちてきたようなものだ。あるいは肩が触れたとか、ガンつけたとか?A氏としてもこれ以上言いようがないだろうし、伊藤側も埒が明かないと思ったか、A氏は放置プレーでもっぱらB氏と積極的な準備書面の交換をはじめている。

■ B氏(医師)

 前回レポートではB氏代理人の美しい論理展開に感動させられたが、引き続き「誹謗中傷だ」⇔「いやそうじゃない」の応酬が続いている。これまでに交わされた文書は次のとおり。

  ●Bさん
  準備書面1 令和3年1月6日(全4頁)
  準備書面2 令和3年1月8日(全8頁)
  準備書面3 令和3年2月18日(全23頁)
  準備書面4 令和3年3月31日
  準備書面5      令和3年4月18日(全3頁)

  ●山口元一弁護士、西廣陽子弁護士
  準備書面1(対A+対はすみ求釈明) 2020年11月17日
  準備書面2(対B反論) 2021年2月25日
  準備書面3(対はすみ反論) 2021年4月22日(全23頁)
  準備書面4(対B反論) 2021年4月22日(全5頁)

 今現在、B氏側から「どうしてA、B両氏を選んだのか」という求釈明が出されていて、伊藤詩織側がどう答えるのか興味津々だ。(会見では身元割り出しの便宜という説明だったが、B氏のTwitterはご本名ではない)。要は「みせしめ」効果に加えて資金要員(脅せばビビッて金を出すだろう)目的と私は推察しているが、A、B両氏とも比較的裕福体面が気になる職業であることも関係するのではないか。ふと、BBで「医療にお金がかかった」と金銭要求したメールの一行が削除されていたことを思い出したり。

■ はすみとしこさん

 真面目に戦っておられるところ不謹慎かもしれないが、準備書面(1)が面白すぎる!読みながらクスクス、途中でプっと噴き出す場面も。イラストの右下の男性はユズキさんで、”風刺画の構図において余った空間に入れた蛇足的人物”とか(爆笑)

 笑かしてくれたかと思うと、真面目なレクチャーの場面もある。これはギャラを頂かないと!お婆さんが寝っ転がって「あたしゃ40年後」のイラストでは、

<はすみ氏側の弁>
 この風刺画は2018年7月に描いたものである。慰安婦問題でもそうだが、女性が姿、名前を出して涙の訴えをすれば、周囲はいともたやすく女性を信じてしまう。女性が涙を流しさえすれば、たとえ相手との主張に大きな食い違いがあっても、物証がなくとも、証言しかなくとも、女性の証言がコロコロ変わったり、矛盾が多くあったとしても、世間はそれがさも真実かのように扱う。何事においても本来は本当に被害を受けたのであれば、証拠がまだ新鮮に残っているであろうその場その時期に然るべき手段で告発または被害届塔の訴えを行うべきで、#MeToo運動のように数年経ってから物証もない主張だけで被害を言い出すのは不審であるし、卑怯である。このような行動は、日本国内において完全否定された慰安婦問題のおばあさんと同じであると感じ、日本は感情に流されず法と証拠に基づいた判断が下される世であるべきだと描いたものである。

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<はすみ氏側の弁>
2 風刺画について

 風刺画とは、「社会や人物の風刺を目的とした絵画(デジタル大辞泉)」であり、風刺とは「個人の愚行、政治の欠陥、社会の罪悪などに対する批判や攻撃を、機知に富んだ皮肉、あざけり、あてこすりなどの形で表現した詩文(デジタル大辞泉)の事である。
 しばしば、「風刺画とは権力(者)に対し『のみ』描かれるものだ」という意見が見られるが、これはその人物の教養の無さを表しているか、もしくは意図的な論点ずらしである。英語圏だけを限定して見ても、権力(者)以外を風刺した風刺画(個人や社会現象を揶揄したもの)は数多く存在する。
 そして、風刺とは、世相や世の不条理を面白おかしく表現するものであるから、自意識にて少しでも自分にあてはまる者が訴訟を提起し、それにより損害賠償が認められることになれば、民主主義の根幹である「言論・表現の自由」が委縮してしまう。

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 私が一番好きな、「一方の意見しか聞きません」の法廷イラストを描くにあたっては、

<はすみ氏側の弁>
(ア)世の中には様々な人間がおり、法務に携わる人間も同様であろう。被告は実子誘拐(子供の連れ去り)問題を取材し書籍も出版しているが、往々に女性というものは裁判においても有利であると感じる(母性優先の原則)。
 加えて裁判官も人間であるから、世間において女性が圧倒的被害者の扱いを受けている事案に関しては、世間の意見や風潮に判決が引っ張られている印象を受ける。
 日本は三権分立の国であり、司法は政治や行政や世間の手の及ばない独立した機関であることから、司法判断が世間の意見や風潮に引っ張られることはあってはならないし、もしそうであれば自らを律するべきである
 裁判官は世間の意見や風潮、裁判官個人の感情を判決に反映するべきではなく、法と証拠に基づいた公平な判断をするべきと思い描いたものである。
 ちなみに逆説的に言えば世間の風潮に判決が引っ張られる世においては、女性はメディア露出を高め、せいぜいカメラの前で涙を見せて世間の同情を買い被害者になることが裁判の必勝法であり、この風刺画の女性主人公はそうあるべきでないことのアンチテーゼとして書かれている。

 届け、裁判長に!!

 さて、伊藤詩織側は謝罪広告を要求しているが、はすみさんのTwitterアカウントは凍結されたままだ。どうすんのかな?と訝っていたところ、伊藤詩織側ははすみさんに(Twitter社に対して)凍結解除を求めるのかどうかしつこく聞いて来たあと「不明」の返答を得るや、なんとなんとOpen The Black Boxのサイトに掲載せよなどと言ってきた!うげ~!これ、倒した族長の首を玄関前に晒すアレか?伊藤さんって綺麗なお顔ですごいこと考えるね💦

■ まとめ

 本件が「イラスト」裁判であるせいか、クリエイティブな要素のある資料は読んでいて楽しく、同時に勉強にもなる。クラップボックスとはカホンという叩いて鳴らす楽器のブランドらしく「ほれ、これだよ」と書証にフォトが出てきて、おー!と感心したり(笑)こんなの(↓)みたいよ。

 
 筆者ははすみ氏代理人の言う、以下に全面的に同意する。「原告は広義の公人であり、パブリック・フィギュアである。(世界的ジャーナリスト、作家、映像監督、世界的モデル、国内外のテレビやラジオにも出演、ニューヨーク国連でスピーチ、国会質疑にも議題として取り上げられ、世界に影響力のある100人に選ばれている)。したがって、一定程度の評価、批判は受忍すべき立場にある。」受忍限度論の範囲内ですね。世界の100人が風刺画に「グラァ!」で、たかだかRTに目くじら立てるとは、みっともないではないか。小さ。

 一連の風刺画はシャルリ・エブドのフランスなら何の問題にもならないだろうし、ここ日本でも、この程度で訴訟になるようなギスギスした世の中はイヤです。ジャーナリストといえば普通は表現規制に抗うものではないのか。原告は「表現の不自由展」の人とは仲がよさそうだったのに。「一方の表現の自由」しか守りません!ってことですか?

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 全般的には、三者三様の戦いぶりだがはすみさんに対する攻撃にB氏の抗弁が実質的な反論となっていたり、意図せずして連携ができているように見えるので、裁判は分離されなくてかえって良かったのかもしれない。あと一人いたら隊列が組めるのに。ホイミ、ベホイミ、ベホマラーとか声掛けあってHPを回復、経験値を上げていってほしい。「表現の自由」チームを応援してますよ!