モンブランが食べたくて

「私、モンブラン大好きなんですよね」

家事をしながらYouTubeを聞き流していた時、そんな言葉が耳に入ってきた。
へぇ〜この人モンブラン大好きなんだ。
私も、モンブランめっちゃ好きかと言われたらガチ勢には負けるかもしれないけど、ケーキを選べと言われたら候補に入る確率は高い。
なんか、いいよね。あの、太い糸みたいなのがグルグル巻かれてる感じ。

…そういえば秋なのに旬のもの全然食べてないなあ。
モンブラン久しぶりに食べたいなあ。

そんなことを考えていたらどんどんモンブランが食べたくなってきて、でもその時はもう夜だったので、次の日の朝モンブランを求めてチャリンコを走らせた。

普段、ここまで強く特定の何かが食べたいという気持ちになることはほとんどないのだが、何故かこの時だけはモンブランへの情熱がすごかった。
あの栗のグルグルが何がなんでも食べたい。

実は引っ越したばかりで、今住んでいる土地のことを何も知らないので、ケーキ屋もGoogle MAPで調べた。

そして、私はゲットしたのだ。

ご覧ください。
ツヤツヤの栗とグルグル!!
なんて美味しそうなんでしょう!!
だがしかしなんか写真だと伝わりきらない感じがする…!!
実物はこれより更にもっともっと美味しそうなんですわ!!


ちなみに、持って帰る過程で上に乗っかっている栗だけ他のケーキの上に住所変更してたので無理やり戻している。味に影響はないので問題ない。

そうして私は待望のモンブランを食し、求めたものを得られた喜びと秋を感じ、充足感を味わいつつ、ケーキ屋に感謝した。
ありがとう、こんな美味しいモンブランを作ってくれて。

上のグルグルも美味しかったが、土台の部分がべらぼうに美味しかった。
土台を美味しいと思ったのは初めてだ。

おばあちゃんにもケーキを届けたのだが、「これ土台が美味しいねえ!」とコメント頂き、全力で同意した。なんだこの美味しい土台は。
このケーキ屋の焼き菓子は絶対に美味しいはず。次は焼き菓子も買ってみよう。

こういう素直な欲求というのは、際限なくエネルギーが湧いてくる感じがする。チャリンコを漕ぎながらハアハア息が切れる、それすら何だか楽しかった。モンブランを食べながら、来年は仮装してハロウィンパーティーもしてみたいな、なんていう新たな欲求が生まれてきたり。

ここ数年、常にエネルギー不足感があって色々と受け身になりがちだったのだが、自然に湧いてきた自分の欲求に従うことでこんなにもエネルギーが湧いてくるものなのだと改めて実感した。
周りの人間関係にも、好循環があった。
まだまだ自分のことは分からないが、こういう小さいことを数珠つなぎのように積み重ねていけば、更に味わい深い人生になるんじゃなかろうか。


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