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持ち物の品格

今年度も上半期は終わり、半分になっている。なので随分と前の話になってしまうのだが・・・

春先に弟に腕時計とシャチハタX-スタンパーをプレゼントした。

決裁印を押すのが大変という話


弟氏が昇進したのだが、決裁印を押すだけでも相当な時間がかかるという。
そして「通例としてシャチハタを使えないかもしれない」というバカげたことを言いだした。
印鑑そのものが廃止でいいんじゃないか?って話題になっているというのにシャチハタがダメってどういう価値基準なんだろうか。

朱肉を都度使う押印と、Xスタンパーでの押印に、機能面でどう違いがあるというのか。

また、弟が言うには「Xスタンパーでは隷書体がないので、上席としてふさわしくない」というようなことも雰囲気としてあるようだ、

ちょっとばかげた話だったので、私がプライベート用に所有していたXスタンパーをプレゼントした。

ボディからキャップまで艶消しシルバー。決してプラ材質の職場によくあるような認印とは違う。ぱっと見にはX-スタンパーにはとても見えない。



外観はシャチハタの認印には到底見えない

XスタンパーVIVOっていうアイテム。これより上位モデルのVIVOプレミアムになるとゴールドなどもあって、とにかく事務用押印=地味というのが思い込みであることがわかっていただけるだろうか。

また、印影はもともと明朝体や教科書体に限っていないのがXスタンパーだ。今回プレゼントした印鑑は、隷書体で作ってある。

本来、会社で使うつもりだったのだが、隷書があまりに立派で、偉い人から「おっ?これはだれの印鑑だ?わからんやないかい」と指摘があった。
どんなつもりで言ったかは知らんが、ゲスの勘繰りでは偉そうな印影と思われた可能性もある。
そこで、この印鑑は自宅での荷物受け取り時や金融商品の契約時などに限定される印鑑になっていた。

シャチハタXスタンパーVIVOの使用感


プレゼント後1週間してから、本人に使用感をきいたところ、大変高評価だった。めちゃくちゃ大喜び。
Xスタンパーで次々と隷書体の決裁印を押せるにもかかわらず、全身シルバーの印鑑は、だれが見てもただのシャチハタ認印には到底見えない。「こんな便利なものがあるんだねぇ」と言っていた。
アンテナを張っていれば、多少なりとも文房具や事務用品が好きならこの程度の気が利いたアイテムはすぐに見つかるものだ。

腕時計も1本プレゼントした


GSXの時計をコレクションしていたので、コレクションの中からどれでもいいよ!ってことで選んでもらった。
彼が選んだのは白い文字盤のGSX208SWH /SMART no.25 だった。


GSX SMARTの中でも合わせやすくて人気のあるno.25

http://gsx-watch.com/history/gsx-history/200series-history/208line-history/gsx208swh

既に販売がなされていないものだから、入手は基本的にはデッドストックや中古品になるのだが、この白いGSXはかなり状態がよかったため、金額面でそれなりに競った。

時計そのもののお値段は20年程前の当時で39,800円とかなので、今の感覚だと60,000円くらいだろうか。

ともかく、ぱっと見た際に威張りすぎず、POPすぎず、それでいて安っぽさは全くない。
会議の場面で腕時計がどうかってのは見られるらしいのだが、GSXがそうした場にふさわしいかは知らん。
しかし今どきはよほどの場面でなければAppleWatchでも全然問題はない。
ならば純然たる腕時計としてのGSXを連れて会議に参加しても、全く何も問題にはならないはずだ。

なお、本人には、腕時計の世界にはドヤる価値観があること、その点ではGSXはそんなにたいしたものでもないことをお伝えした。

持ち物の品格は、素材感が重要


今回、弟に渡したアイテムは、実はいずれもそれほど大したものではない。
だが、一般的なものとは違う。一線を画している。
自分のキャラクターや求められる役割に応じて、それに似あったアイテムを揃えることは非常に大事なこと。
良質なアイテムは、気の利いたデザインと素材感を大事にしていればそれほど高価なものでなくともそれなりの見栄えと品格になる。

持ち物について、その世界では常識だと思われているようなことでも、本当にそうなのかはよく考えてみるほうがいい。

私に相談していなかったら、弟はいまだに連日朱肉で赤色を付けながら書類に決裁印を押していたかもしれないね。


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