4歳児でもつくれるパン焼きに挑戦した話 (後編)
コロナ禍で、マスク、消毒液、スイッチ(リングフィット)、小麦粉が店頭から消えた。衛生用品や前から欠品気味のハードはわかるが、小麦粉は正直想定外(欠品するほど需要がスパイクしてる?)うどん粉(中力粉)でもパンはつくれると聞いてトライしてみることにした。
前行程はこちら↓
焼き入れ行程(所要時間3時間)
寝坊した。07:00 種は昨日の2倍くらいまで膨張↓
田舎パン(パン・ド・カンパーニュ)をイメージして成型
ストウブに入れる
2時間待つ。二次発酵の工程を想定してなかったが、一次発酵の時間超過がどのような結末になるか不安なまま待つ
オーブンに入れる
20分後、蓋を外してもう15分焼いたら完成!
試食
クラストは固めだが、クラムはもちもちで味わいあり
評価
味:素人がはじめて作ったパンとしては、まずは食べられるレベル。ざっくりというと、アメリカのレストランとかで頼んでないのに最初に出てくる、日本人的には微妙な感じのパンに近い。ただし、小麦粉は国産(今回はうどん粉)なのでベースの味は、みんな大好きの枠内に収まっている。粉の選定や厳密な発酵時間を含む工程管理の徹底により改善余地は大きいと思われる。
工程:手がベトベトしたり、オーブンが熱かったりと、四歳児にはハードルが高い気がする。昨今の四歳児を過少評価している可能性はあるが、少なくとも四歳児の自分では母親のストレスを増長する因子にしかならなかっただろう。
経済性:ホール一個の原価は約百円。粉のグレード等を勘案すると、街のパン屋にも対抗できるか。ただし、この発酵時間(アイドルタイム)を含む総工程時間、また菓子パン等も含めた品揃えや、日々の温度湿度等含めた品質管理の安定感と安心感を考えると、昔の職業讃歌の一節にある「朝一番早いのはパン屋のおじさん」という特質は、参入障壁として十分機能していると推測される。
まとめと今後の課題
なぜ人はそんなにパンが焼きたがるのか?
家で過ごす時間が増える→料理をしたくなる→パンを焼く→家族の笑顔
的な因果関係は容易に想像できる。しかし、この兆しが「新しい習慣」として定着するか?そのための本源的なドライバーは何か?を考えると、まだ僕には何かが足りてない気がする。
多少出来が悪くても、家族や友達が喜んで食べてくれること。美味しくできるようになるまで暖かい目で見守ってくれること。
パン、コーヒー、ワインに限らず、革新は求道者のある種狂気に近い精神によって生み出される。しかし、そのイノベーションが普及していくためには、愛情が不可欠である。
近所に住むパン好きの母が、僕のパンを楽しみにしている。強力粉を入手してもう少し柔らかいパンが焼けるようになったら届けたい。できればクララからもらわずになんとかしたいと思う。
謝辞
4歳児はともかく、資本主義に骨抜きにされたオヤジにも美味しくつくれるレシピはこちら↓
食に対しては厳しい師匠でつい反発しがちであるが、求道者であり布教者でもある。
「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」