入院4日目
絶賛24時間蓄尿中。予定では本日の14時まで。
尿をひたすら袋に溜めていくのだが、他の患者の袋も並べられていて、愕然とした。
他の患者は黄色いのが相場だが、僕の尿だけ、茶褐色というか黒いのである。明らかによろしくない色をしている。とくに自覚症状はなかったのだが、それは僕が鈍感なだけで、確実に僕自身の免疫によって腎臓が蝕まれている最中なんだな、と実感した。
昨日は薬の作用か興奮していて寝れらず、23時まで寝がえりを繰り返していたが、それ以降は記憶がなく、いつもどおり健康的な5時起床。
朝の検温では平熱に戻っていた。おそらく、勝手に興奮していただけということになる。
今日もたくさん血を抜かれた。投薬が始まって血糖値の検査も増えたが、指をパチンとやって血を出すのは割と好きな部類の痛みだった。散々血を抜かれたあとに、指をデコピンされたようなあれしきの痛みで「ちょっとチクッとしますね♡」と言われるのもキュンとくる。じゃあ血を抜くときは「ちょっとザクッとしますね♡」ぐらい言ってくれればいいのにと思う。
部屋にテレビがあり、食事中は観る習慣ができつつある。特に最近の心の支えになっているのは朝食中のラヴィットと、昼食中の昼メシ旅。ラヴィットを見ていたら大谷さんがア・リーグMVP受賞の速報。当然だろうとは思っていたけれど、やっぱりいざ受賞と言われると、あらためて歴史を目撃している感じがして勇気をもらえる。
ステロイドパルス療法二日目。慣れたもので、なにも感じず、あーなんか管繋がってて動きづらいな、というぐらい。
免疫が下がっていて、エレベータホールに出ることを控えろと指示があり、病室でPC作業をやっていても黙認されるようになってきた。僕の病気の詳細については「入院前夜」という記事にたっっぷり書いたので、もしご興味があれば読んでみてください。
お昼ごろ、先生から呼び出される。
ステロイドの効果も数日でみられるものではないし、現状が悪いというわけでもなく、あくまで様子見の状況だが、来週から抗がん剤治療も始めていきたいとのこと。
がんではないため、通常のがん治療より投与する量は遥かに少なく、よく言う吐き気とか脱毛とか倦怠感は可能性が低いとは説明を受けたが、それなりに覚悟をしておく必要はあるだろう。また、その他よく見られる副作用として、白血球の減少による易感染性、血小板の減少による出血は気を付けてみていく必要があるらしい。
ただ、通常は免疫力の低下した爺さん婆さんを対象とした治療で、副作用(易感染性)による感染症での死因が高いことから慎重にならざるを得ないのだが、僕は若年性でもともとの基礎免疫も高いと踏み、病気の進行も速いことから、腎臓を守るためにやれることは全てやっていきたい、と真っ直ぐ目を見据えて話してもらった。
抗がん剤と言われ、不安に思う気持ちはあるけれど、ここは先生に委ねることにした。
ハナから腹は決まっている。……と、強がっているだけかもしれない。
今日も会社への申請手続きなどで、(ちゃんと許可は得たうえで)エレベータホールに出て何度か電話でやりとり。あとはひたすら部屋でPC作業。合間にこの文章を書く。はやくウォーキングデッドが観たい。
蓄尿が終わり、通常の尿検査もして、結果は腎機能を表すクレアチンが異様に上昇している。ただ、これは想定の範囲内で、明日から下がっていくだろう、とのこと。
どうでもいいけれど、入院の時間を生かして、文章を打つのが速くなってきた気がする。数独もちょっとだけできるようになってきた気がする。今しかできないこともあると捉えて、暇な時間を活かして前向きにスキルアップできたらいいなあ。
今日は満月、そして月蝕らしい。
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