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入院2日目


 寝付けないと思いきや、10時には就寝。4時ごろに目が覚めて、トイレに行き、結局また6時まで寝た。

 起きて早々血を抜かれる。体感5分ぐらい、延々と抜かれていたと思う。気分はカブトガニ。なにやら今日は採血検査が集中しているようで、特別大サービスとのこと。毎日この量を抜かれるのかと戦々恐々としていたが、どうやらそうではないらしい。

 やっと終わったと思ったら、看護師さんが戻ってきて「ごめん、一本分忘れてたからもう一回いい?」と同じ箇所に針を刺した。寝起きで意識がもうろうとしていて、もうどうにでもしてくださいという気持ちだった。


 朝一で便をとれ、と言われたが、これがなかなか出ない。出るとおもったら、引っ込んで、便器の内側に敷く流せるシートを一枚無駄にしてしまった。訊くと予備はないようで、一発勝負というプレッシャーが余計肛門を締め上げる。出ろというときに出ないし、勃てというときに勃たない、アンタほんと情けない男ねえ、と言われた気がした。


2_朝飯

 今日は特にやることがないらしい。午前中の検査を終えたら、あとはひたすら自分の尿の量を記録していた。尿測定はお手のものである。

 そのほか、雑事では会社に提出しなければいけない書類などをまとめて、院内をうろうろした。院内の売店でちょうど切手を切らせているとのことで(そんなことある?)、バレたらまずいけど、近くのコンビニまで足を伸ばした。一日ぶりの外の空気。これからもっと吸えないのかと思ったけれど、それどころではなかった。


 明日からステロイドの投薬治療が始まるので、夕方に看護婦がやってきて、点滴のルート確保をしてもらった。ベテランにみえたが、僕の緊張が伝わったのか、とても緊張している様子。無事終わり、あーうまくいったよかったと胸を撫でおろしていた。

 「失敗すると、その映像がよみがえって、トラウマになるんですよ」ルート確保には、かなりのコツがいるらしい。そりゃ針が刺さった痛みはあったけれど、看護婦が「よし、漏れてない」としきりに言っていたので、本人からしても上出来だったのだろう。さすが、お見事です。

 腕にずっと管が刺さっている。僕も勘違いしていたが、常時刺さっているものは針ではないらしい。最初は違和感があったけれど、夜にはだいぶ慣れてきた。

 身体は少しだるいぐらい。頭痛はもともと偏頭痛持ちなのでそれだと思っている。朝の血液検査の結果を先生に見せてもらったが、確実に腎臓の値は悪くなっていた。


 ステロイドは副作用の多い薬品と説明を受けた。だが、その副作用がみられれば別の薬を処方して、ほとんどの副作用に対するリカバリはできるハズ、らしい。しかしながら、顔がパンパンに腫れて満月のようになるムーンフェイスは避けられないから勘弁して、とのこと。笑

 明日から三日間ほど、点滴を引き連れての生活。なんか病人らしくなってきた。友達がネトフリのアカウントを貸してくれた。家族は届けるものはないかと仕切りに確認のLINEをくれる。事情を知っている会社の一部の先輩たちも、応援のメッセージをくれた。


 社会人になってこんなに暇な時間が与えられるとは思っていなかった。こんなに薄味のごはんを楽しみに待つとは思っていなかった。

2_夕飯


 また、いかに自分の身体をないがしろにしてきたかがわかってきた。まだまだ全然足りているとは思わないけれど。とりあえず「はたらく細胞」とかから勉強してみようと思う。

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