日経ビジネスinput_2021/01/31

課題解決の引き出しを増やすために、日経ビジネスを読んで気になった内容を整理することを習慣づけようと決心しました。その備忘録的な記事になります。

以下の内容はすべて、『日経ビジネス 1月25日号』(日経BP)の引用を含みます。


サプライヤーリソースのロックイン

出前館がデリバリー向けのキッチンを、飲食店向けに貸し出すという記事でした。それにより飲食店は初期費用を抑えられると同時に、価格決定などのノウハウ提供も行うとのこと。

ツーサイドプラットフォームのサプライヤーサイドについて、ネットワーク効果が実は働きにくい(特に、スイッチングコストが規模の力だけでは高まらない)ことはしばしばあるように思います。
例えば、私が以前住んでいた地域のUberの運転手は、Uberを起動しつつつ、Taxifyも起動していました。

その中で、競合が未だ利用できないリソースを発見・活用し、囲い込む戦略と理解しています。(出前館のキッチンに入居した飲食店は、さすがにUber eatsには出品できない)

ツーサイドプラットフォームにおいて、サプライヤーのある種弱みを補う付加価値提供により、ロックインを行う差別化は、汎用性の高い戦略だと思います。

社区団購という顧客単位

中国で注目を「社区団購」というビジネスモデルが注目を集めているとのことでした。都市部では社区と呼ばれる集合住宅に住むのが一般的であり、社区の単位で商品を発注し、その商品をデリバリーするビジネスモデルです。

(社区という非公式的な単位の)顧客の単位や、商圏の定義により、新しいビジネスモデルができているところが面白いと感じました。製造業でも、工業団地や、正式ではない製造パートナー群、が存在するので、そういった単位・商圏でのビジネスも考えうるかもしれないと思います。

楽しみ方の主導権を消費者にゆだねる

ホンダがタイで開発した新しい”カブ”のコンセプトとして「楽しみ方の主導権を消費者にゆだねる」というコンセプトがあるようです。

カスタマージャーニー・MVPなど、どちらかというと消費者の楽しみ方を定義しきる方向性が強いと感じていたので、面白いコンセプトだと感じました。

オーディナリーケイパビリティと、ダイナミックケイパビリティ

D・ティースによると、企業の能力はオーディナリー・ケイパビリティ(オペレーション、管理など、通常能力)と、ダイナミック・ケイパビリティ(感知・補足・変容する変革能力)に分類できるとのこと。

また、職務権限が明確に個人に帰属する欧米的経営では、オーディナリー・ケイパビリティは発揮しやすい一方で、人材流動性が低くなり組織内取引コストも大きいことからダイナミック・ケイパビリティは発揮しにくい。一方で、ジェネラリストが多く、個人に職能が明確に帰属していない日本的経営では、その逆の傾向が強くなります。

ベンチャーにおいては、日々プロダクト・マーケットフィットの達成のために、サービス自体、それを提供する組織構造・オペレーションフローが常に変化し続けることが多いと考えられます。

その意味では、職能を過度に分化させず、できるだけジェネラリストをそろえてダイナミック・ケイパビリティを確保することが有効だろうと思いました。

その前提に立つと、ジェネラルな能力を兼ね備え流動できる能力を持った人材の獲得、および、そのような人材を短期間で育成できる社内体制、の重要性が極めて高いと感じ、これは日々の仕事での実感と一致します。

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