「き」 金曜日

さて、今回は「き」ということで
ご応募いただいた「き」たちの中から
五十音note実行委員会(通称GNJ)が
厳選なる協議の上、選んだことばは


金曜日です。


という事で、今回は「金曜日」をテーマに
書いていこうと思います。


金曜日は、他の平日に比べて
ちやほやされ過ぎだと思う。

ブラックフライデー
プレミアムフライデー
決戦は金曜日
金曜日の妻たちへ

何かと金曜日がフューチャーされる。

わたしが木曜日だったら
ただただ、金曜日が妬ましい。

そんな木曜日の妬み嫉みを
ざっくりとお話にしました。


「どうして、みんなして
金曜日だけ、えこひいきするよ。
大してかわいくもないくせに
ほんと、いけ好かないわ。」

金曜日への妬み嫉みが
徐々に膨れ上がってゆく。

火曜日と水曜日を呑みに連れ出しては
大酔っぱらいし、だる絡み。
出てくるのは金曜日の愚痴ばかり。

夜中に居た堪れなくなっては月曜日に電話。
話半分で聞いてる月曜日を尻目に
気が済むまで金曜日の悪口を延々と喋り倒し
一日が終わってゆく。

それでも金曜日は、ちやほやされる。

「金曜ロードショー?

金曜日のスマイルたちへ?

ふざけんじゃないわよ!!
どうして、どいつもこいつも
金曜日、金曜日って·····。
あんなやつのどこが良いのよ!!」

木曜日は、日に日に荒れてゆき
遂には引きこもってしまった。


それを見かねた月曜日、火曜日、水曜日は
木曜日を訪ねた。

「何しにきたのよ·····。
無様なわたしを嘲笑いにでも来たの??」

バチン!! (木曜日に平手打ち)

「いつまで腐ってるつもりなのよ!!
わたしたちの大好きな木曜日は
どこいっちゃったのよ。
わたしたちの木曜日、返してよ!!」

「ほんとわね、わたしじゃなくて
なんで金曜日ばかりが、ちやほやされるのか
心のどこかで、わかっていたの·····。
口を開けば、愚痴と悪口ばかり。
こんな妬み嫉みしかないわたしなんて
誰もちやほやしてくれるわけないよね·····。」

「なによ、わたしたちが居るじゃない!!」

「そうよ、わたしたちは何があっても
木曜日のこと、見捨てたりしないよ。」

「そうだよね·····わたしにはみんながいる。
わたしは独りじゃないんだ!!」

「そうよ!!」

「みんな、ごめんね·····。
わたし、もう、金曜日のこと妬んだりしないよ。」

「わぁー、よかったー。」

こうして、四人で抱きしめ合いながら
涙が枯れ果てるまで泣きじゃくった。

これが後に「一週間」という言葉ができた
由縁の一つになろうとは
この時はまだ誰も知らないのであった。


~ 完~


【あとがき】
こんなんだったら当初、予定していた
「金曜日のつく曲」を紹介する記事を
素直に書いてれば良かったと、しこたま後悔してます。
TK氏も「反省は毎日で 悔やまれることが多すぎて」
と仰っておりますが、まさにその通りです。


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