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なんでもない日おめでとう

私が日中働いている会社は良くも悪くも「昭和な会社」である。
先日は創立記念日ということで休日となったのだが、それに先立ち記念品が配られた(このあたりに漂う古式ゆかしさよ)。

それを今日になってようやく箱を開けた。既に開けた人から中身がバウムクーヘンであることは聞いていたので、その点は特に驚きもなかった。
説明書きを読むと「幸せになれるバウムクーヘン」だそう。あら素敵。こりゃぜひ幸せになりたいものだね。

それはいいとして、しっかりとクーヘン本体に焼き印がしてある。曰く、「祝 X1周年」(Xには数字が入っているのだが、ぼかさせていただいた)。
ん?「X1周年」?キリが良くない数字だけど祝っちゃうのね…?一桁のうちは毎年祝いたくなるが、二桁になってからはさすがに毎年は…?

もやっとした気持ちを持て余すこと数時間、自分の中に一つの落とし所を見つけた。それが、「なんでもない日おめでとう」精神。たしかこれ、不思議の国のアリスに出てくる言い回しだったか。
キリが良くない数字でもお祝いする。「なんでもない年おめでとう」だ。

なんだかこれに似た気持ちを抱いたことがあるな…と思い返していたら、それは大学1年生の時のことだった。
こう書くと出身校がバレるのだが、私が大学に入った年、我が母校は「125周年」事業の真っ只中であった。
あまりの数字の不思議さに驚き、その由来を聞いてさらに驚いた。なんでも創立者が「人生125歳説」を唱えたとかで、「125」という数字は大学にとって意味のある数字なのだとか。当の創立者本人はあたりまえだが125歳まで生きなかったというオチまでついている。大学側からすれば意義深い(?)数字なのだろうが、私から見たらまさに「なんでもない年おめでとう」だった。

そんなわけで、今日という日におめでとう。

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