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「音」と「意味」が上手く結びつかない言葉がある

京王線の新宿駅では、電車が着くとまず降車専用ホーム側のドアが開き、客が降りきったところで乗車専用ホーム側のドアが開くようになっている。さらに、乗車専用ホームには当然ながらホームドアが設置されていて、それが車両のドアと同時に開く。

このホームドアを開けるタイミングはホームに立つ駅員さんがアナウンスするのだが、その内容は「FDどうぞ」なのである。

さて、この「FDどうぞ」について私は、恥ずかしながら特に気にすることなく聞き流し、「社内用語なんだろうなぁ」くらいの気持ちでいたのだが、ある時ようやく気づいたのだ。

「FD」=「plat"F"orm "D"oor」
そう、「フォームドアー」なのだ。

日頃、あまりに「ホーム」という音に慣れすぎて、頭の中で"platform"と結びつかなくなってしまっていたということである。
同じようなことは、"fast food"を「ファースト」フードと言う現象にも(やや形は違うが)当てはまるのかもしれない(余談だが、"fast fashion"は「ファスト」ファッションだ)。

私の頭では、他にもなぜか、音と意味がうまく結びついてくれていないものが何組かある。

・「きつえん(喫煙)」と「きんえん(禁煙)」
レストランに入った時、「お煙草はお吸いになりますか」と聞かれる分には「いいえ」と答えればよいので問題ない。これが、「『きつえん』ですか、『きんえん』ですか」と聞かれると、途端に分からなくなる。いつも、「(えーっと、「きんえん」の「きん」は「禁止」の「禁」だから…)き、きんえんで」と、考えてしまう。

・「おんよみ(音読み)」と「くんよみ(訓読み)」
これも昔から苦手。「この漢字は『おんよみ』で何と読みますか」と聞かれた時は、(「おんよみ」の「おん」は「音」だから、意味じゃなくて音を表す方で…)とやっているため、必ず答えが1テンポ遅れる。しかも、緊張している場面だとそこまで考えた挙げ句、堂々と訓読みで答えたりするから厄介だ。

・「しゅんかしゅうとう(春夏秋冬)」の「しゅん」と「しゅう」
これまた難しい。「りっしゅん(立春)」と「りっしゅう(立秋)」なんて、間違えずに言えたためしがないかもしれない。「しゅんかしゅうとう」の4つを思い浮かべ、「『秋』だから『しゅう』」にすんなりとたどり着ければよいのだが、なかなか上手くいかない。

まだ他にもあるかもしれない。
あくまで局所的に苦手な言葉があるだけで、それ以外のものはすんなりと運用できているため、なおさらこの「上手く結びついていない感じ」というのが我ながら不思議だったりする。

果たして、皆さんの頭でも同じような現象が起こっているのか、気になる今日この頃だ。

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