【7日目】あんぱん

 M-1を観ていない。ケーキも買ってない。昨日は銭湯に行ったら、麦茶みたいな色なのに無臭の湯船に浸かったのがハイライトだった。あれはいったい何の色だったんだろう。何かが入った洗濯ネットがぷかぷか浮いていたが、いかんせん香りが全くしない。ついこの間が冬至だったので、恐らく柚子なのだろうが、ただただ茶色いエキスがにじみ出しているだけだった。前日から使っていて、香りが飛んじゃったのだろうか。

 そんな生活なので、今日も特別なことはしていない。出社するときに普段は行かないスーパーに寄ったら、めちゃくちゃ安いあんぱん6個入が売っていたのを発見したのがハイライトだ。一つ上の棚には某メーカーの一個減ったあんぱんがあったが、そっちの方が40円くらい高かった。企業も色々大変なのだろう。あえて高いほうを買って応援しようかとも思ったけど、どっちのメーカーにも特に思い入れがないし、どっちかを応援したらどっちかは応援できないので、お財布のSOSに素直に従うことにした。ちなみに今日は給料日だった。

 どちらかを選ぶと、どちらかが選ばれない、というのが苦手だ。大きな話にすると、自分の行動が、誰かに影響を与えるのが苦手だ。「責任取れないよ」と思って逃げ出したくなる。
 今日も仕事で電話を取っていたら、先輩に「最後までしゃべりきらずに、相手に『わかるでしょ?』という感じにしているのは、直した方がいいかも」と言われた。例えば、「ただいま担当が席を外しているのですが…」で止めてしまうのだ。自分でもなんとなく自覚はあったので、とてもありがたい指摘だった。
 これは、自分が最後まで話して、相手の言動をコントロールしてしまうことになるのではないか、という不安が常にあるからだと思う。それで、相手の主権を脅かさないように、過度にオドオド非主張的になってしまうのだ。その態度は、ある意味相手をなめていることでもあるとはわかっているのだけれど、つい癖になっている。一体いつから、こんな話し方になったのか、思い出せない。ただ、大学生活の中盤から社会人になり、現在に至るまで、だんだん傾向が強くなっているのはわかっている。

 誰にも影響を与えない仕事って多分なくて、どんな形であれ仕事とはアウトプットをするものだ。その代価としてお金をもらう。自分のアウトプットに責任を持つのは社会人の義務だと思うのだけれど、それが重責になっているんだろう。気にしすぎだと自分でも思うが、この地球上で「気にしすぎだよ」というアドバイスで現実が好転した例は一つもない。もやもや考えたまま眠ることにする。ちなみに、私の長所は寝付きと寝起きがいいことだ。よかった。

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