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[読書]_人類と空腹の戦いの歴史から

定期的にテーマを決めてゆるーく読書会をしております。
今回のテーマは国連で毎年10月16日に設定している「世界食料デー」。
飢餓や食料問題について考え、解決に向けて一緒に行動する日であり、10月はその月間でもあります。
国内でもいろんなイベントやキャンペーンが実施され、おにぎりアクションなんかもその一つですね^^

ということで、今回自分が選んだ本はコチラです↓↓↓

作者のルースさんは、もともと地理学者として、地球表面が農業やそのほかの人間の土地利用によっていかに変化してきたかを衛星写真を用いて研究していて、今は大学で持続可能な開発について教鞭をとっているそうな。

この本は、工業的な農業生産と、古来の暮らし方を比べるわけでも、どちらかがよよいことだという訳でもなく、以下の文中の言葉にある通り、事実として人類はいったい今までどのようなことをやってきたのかを明らかにし、未来の姿を考えるキッカケするものということで選びました。(本はかなりボリューミーなのでどこまで読み切れるかはなんともですが💦)

本書が目指すのは、人類が歩んだ旅路をなぞり、どのような経緯でここまで到達したのかをあきらかにすることである。
いままでをふり返れば、きっとこの地球上でのわたしたちの未来の姿が見えてくるはずだ。

文中抜粋

超超超ざっくりと本書のあらすじを書くと以下のような感じです。
一つひとつの話には科学的説明とか、そこに至るドラマ的な話があって、そういう面白いところはぜひ買って読んでいただくといいかなと。

1.地球が奇跡的に生命が繁殖できる環境であること
 
-太陽との距離感として、水が蒸発するほど近くもなく、凍り付いてしまうほど遠くもない絶妙な距離。

2.人間が非凡能力を持っていること
 -人間は、様々な状況に創意工夫をすることで、火を自由に生み出すなど、環境や道具を自由に使うことができる。そうした環境適応の中で、定住することの利点に気づき、狩猟採集から、農耕に食料採取の方法を変化させてきた。(結果、エネルギーの主体が肉からデンプンに移り、摂取たんぱく質の減少で、農耕以降の人の体格は狩猟時代よりも弱くなっているそうです)

3.交易によって資源を移動させたこと
 
-自然環境では長時間かかる窒素とリンを、簡単に移動させることのできる海鳥の糞「グアノ」を発見し、農業によってやせた土壌に栄養成分を補給することができるようになった。また、農産物の交易というカタチで人に必要な水を各地に移動させることができ、川の近くでなくても文明を作り出すことができるようになった。(その分、グアノなどの資源がどんどんなくなっていった)

4.窒素とリンを人工的に扱えるようにしたこと
 
-「グアノ」を使いまくった結果、それに頼れない状況がみえてくるにつれ、無機栄養説を基盤とした化学肥料の商品化が進んでいって、空気中の窒素から、顆粒状の固定窒素を大量生産できるようになった。

5.品種改良を狙ってできるようにしたこと
 -いわゆる、メンデルの法則が発見され、人間に都合の良い形質を持った作物を狙ってつくりだせるようになった。

6.化学的に害虫と戦えるようになったこと
 -品種改良をして、都合の良い形質を持った作目を大量につくると、病気とか害虫に弱くなってしまうけど、殺虫剤をつくることによって、害虫や病気に対抗できるようになった。
 けれど、その分、初期の殺虫剤は害虫(と人間が呼ぶもの)以外の生物にも影響するし、環境にも悪いという悪影響が強かった。

7.遺伝子操作で農作物を作り出せるようにしたこと
 -単一作物が病害虫に弱くても、それに負けない作物を作れば大丈夫。何年もかけて品種改良をしなくてもバイオテクノロジーで短時間で実現。


とかとか、本にはもうちょっといろいろあるのですが、こうした歴史を経て、食料を大量に作れるようになった人類。
しかし、それによる問題として、肥満などの健康の問題と、地球に無理をさせてきたしっぺ返しが起きつつある。っていうか起きている。
特に地球からのしっぺ返しは重大で、安定した気候・栄養分の循環・生物の多様性が、それぞれ脅かされている。

(気候は…)
農業、牧畜で使われる肥料、肥やし、牛やヤギの胃、水を張った水田、作物のための森林開拓などは温室効果ガスの発生源となっていて、それによる気候が変動している。

(栄養分の循環は…)
より多くの食料を得るために、土壌栄養を人工的に作り出すことで、自然の栄養循環が崩れ、栄養分は水の流れに注がれ、湖や沿岸水域は富栄養化してしまう。

(生物多様性は…)
森林を開拓すればそこ住む動物種は生きていくことが出来ず、化学殺虫剤で害虫と見做した生物を駆逐し、そこに人間に都合の良い作物や動物を繁殖させれば、生物多様性は無くなってしまう。

本では、それらに対して、食料の大量生産を編み出したイノベーションの様に、人間がいまある食生活を常に見直し、食料をつくるために自然とどのように折り合っていくのかを見直すことを第一步とし、いくつかの取り組みが紹介されています。
作者は、さまざまな取り組みを失敗もしながら試していく力を信じているように感じました。


ここからは、自分が思ったことをつらつらと…
人が増えて食糧が大量に必要になったからその手段を編み出してきたのか?食糧が大量にあるから人が増えるのか?
今となってはわかりませんが、食糧は今後も人口に適した量が求められます。

そこに対して、地球のしっぺ返しを緩和するためだからと、食糧生産を減らして環境を守るってことが、一部の意識高い人・国だけでなく、成長・消費を渇望する人・国も協力して、世界的に実現できるとは考えにくいです。

だとしたら、出来ることってなんでしょう?

少なくとも1つは、生産したものをムダにせず、需要と供給が限りなく一致できるようにする、もしくは食糧が最終形態ではなく、別のものに変換することではないかと。
いまでもアップサイクルとしてのとりくみで、廃棄予定の原材料とか、工場の残差を食品ないし食品以外のものにする取り組みはあるみたいだけど、家庭で出るよう食品の廃棄とか、とにかく作っちゃったやつをどうにかするとかできないんだろうか。
微生物の栄養源にはなるから、そういうのでエネルギー的なこととか、家庭で燃料つくれます。みたいな。

こういうのが家庭でもできて、家の電気とか、車の燃料とかになるなら、生ごみの分別くらいはするんじゃないかなとも思ったりします(量が稼げないのかな…)

あと、レトルト殺菌食品の賞味期限なんてあってないようなものなのに、そうしたものを間違って提供した場合にめちゃめちゃ企業とかを叩いているのを見ると、期限切れのレトルト食品の廃棄とか多いんじゃないかと思います。そうした廃棄は本当に無駄だから、そこの再配分もできることだと思います。

これも、防災備品から始まって、小売りや家庭などで当たり前のことになるといいなと。

ただ、単に廃棄物回収とか再利用といったことだと、メンドクサイが勝ってしまいそう。あまねく継続的にっていうのを考えると、エネルギーなら家庭の燃料費削減ができるとか、余った食材の回収も、空き瓶の回収で10円返ってくるみたいな多様なりとも利点がないと難しいのかな~、と思ったりします。

の前に、そもそも少なくとも自分の家では食料の無駄が起きないようにするっているのが第一歩。
それもしつつ、持続可能な食糧生産に貢献する事業を応援することが、とりあえずのできることなのかなぁ、まずは 10/6になったら「#OnigiriAction」のあっぷをしようと思います。

以上 


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