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5分でわかるトレーニングにおけるG-TーGの重要性
【はじめに】
サッカーのトレーニングをプランニングする際に特に大事なのは、G(ゲーム)-T(トレーニング)-G(ゲーム)である。
なぜなら、その方が全体像を選手が掴みやすいからだ。
例えば一つの技術のトレーニングを行うとする。
個人、もしくは小さいグループからトレーニングに入ってもゲームのうちのどの部分だか分からないだろう。
しかし、まずゲームをしてそのトレーニングしたい部分の全体像を掴ませる。そこから個人、もしくは小さいグループのトレーニングに入れば選手は理解しやすく、より浸透しやすい。
そこからまた最後にゲームをすることで改善している可能性があるし、コーチングもしやすい。
そのサイクルを回していくことで選手は成長する。
このようにゲーム→トレーニング→ゲームという流れを一回のトレーニングに組み込むことはとても重要である。
そして、それはサッカーが文化として発展途上であるアジア諸国でより力を発揮する。
その重要性をより詳しく挙げていきたい。
【プレーのイメージを付けやすい】
アジア諸国のサッカー文化は発展途上である。それによってサッカーのプレーのイメージを持っている子供が少ない。
私がドイツへ留学していた時、驚いたことの一つに街の至る所でサッカーが流れていて、サッカーを見ることができたことがある。
この環境で子供が育った場合、その子供は説明できるかは別にして、なんとなく様々なサッカーのプレーをイメージできるだろう。中盤の選手を良く見る子供はその選手のボールの受け方のイメージを多く持っているだろうし、ディフェンスの選手が好きな子供はいつスライディングするべきか肌で分かっている。
しかし、アジアは小さい時からここまで肌でサッカーを感じ、多くのイメージを持っている子供が多いわけではない。
そして、そのサッカーのプレーのイメージがあるか、ないかそれが大きな差を分ける。
●プレーのイメージのある場合=ゲーム中心に考える
トレーニングする時もゲーム中のプレーを一番にイメージする。
ゲーム中のどこで使うか、どんな動きをするかイメージを持っているのでトレーニング中もそれを頭の中で思い浮かべながらトレーニングする。
ゲームをしてもトレーニングしたことが発揮しやすい
●プレーのイメージのない場合=トレーニング中心に考える
トレーニングする時、イメージするのは見本のコーチ。見本がない場合は、近くにいるできている選手。トレーニングを中心に考えている為、トレーニングで成功させることが目標になる。
ゲームと上手く結びつかない為、トレーニングしたことが発揮しづらい。
つまり、トレーニングで成功するが一番重要なゲームで発揮できなくなってしまう。
それだとトレーニングの為のトレーニングになってしまう。
そこでまず一回のトレーニングのはじめにゲームをすることが重要になる。
ただゲームをしてもその日のテーマとなることは多く起こりにくい。できるだけ起こって欲しい状況が出やすいゲーム形式からトレーニングする。
もちろんそれがテーマになるのだから、最初はミスが起こりやすい。
そのミスを意識(ここでネガティブな雰囲気でミスを選手に植え付けるとトレーニングの効果を発揮しづらいので要注意!ミスに対してポジティブな雰囲気が最重要‼︎)させながらトレーニングに入る。
それによってトレーニング中もゲームのことをイメージしながらトレーニングしやすい。
そして、そのトレーニング後にまたゲームをすることによって修正・改善することができているか見ることができる。
【プレーの種類を増やしやすい】
コーチの1番の仕事は選手にプレーの仕方を教えること。ボールをどう扱うかも大事だが、ある程度できるようになったらプレーの仕方をどんどん教えていくべき。
では、どのようにプレーの仕方を教えるか?
ここでもこのゲーム–トレーニング–ゲームの順番でトレーニングを組むとプレーの種類を増やしやすい。
いつまでも同じコーンドリブルをしているトレーニングがあるが、よくあるのは工場のようにずっと同じボールコントロールだけをトレーニングしているパターン。
例としては、2人組対面パス。
雑誌などでよく見かけるのは、回転しないように止める。ボールの勢いを完全に止める。と言った技術の習得に何十時間も使っているトレーニングプラン。
それのどこに意味があるのか…流石に全く意味がないとは言わないが…
これをずっと繰り返しているとこでいくらたってもプレーの種類は増えない。
プレーの種類が少ないとゲームでは活躍しにくい。
では、様々なプレーの種類をトレーニングすれば良いのではないかという意見がありそうだが、まずゲーム形式無しでトレーニングしてもいつ、どこで、どのように使うかを浸透させるのは難しい。
ゲーム形式から始める場合はどうか。
まずゲーム形式を行なって、そこで様々なコントロールのパターンをいつ、どこで、どのようにするかの全体像を掴む。
そこからその動きをイメージしながら、一つ一つ短く区切ってトレーニングすることで一つ一つの精度はすぐには高くならないかもしれないが、1日で多くのプレーの仕方を学ぶことができる。どのみち技術はその日に身につけることは難しい。
それならばまずはゲーム形式でプレーの仕方を提示して、短時間で区切ってトレーニング、そしてまたゲーム。このサイクルを回す方がプレーの種類は増えて、ゲームで活躍できる可能性がグッと高くなる。
先述した通り、ゲームでプレーができるかどうかが一番重要。
なので、一つのパターンのボールコントロールしっかりできるよりも、完璧ではなくてもいつ、どこで、どのようにボールをコントロールするかを複数パターン知っている方がプレーの種類が多い。その選手の方がゲームでは活躍する。
特にジュニア、ジュニアユースの年代は体の成長が安定しないので様々な技術ができるようになったり、できなくなったりする。
その時期に少ないプレーの種類のために多くの時間を割くより、様々な種類のプレーを覚える方がずっと良い。
【戦術トレーニングが浸透しやすい】
ゲーム–トレーニング−ゲームのサイクルの1番利点、それはこの戦術トレーニングが選手、チームともに浸透しやすいことにある。
例えばあるトレーニングプランが、
Thema:プレッシング
2vs2→4vs4→ゲーム(8vs8)
このような流れだとする。
この流れで戦術トレーニングするとまず、2vs2をトレーニングしている時はゲームの中でどの部分をトレーニングしているのか分かりにくい。場所や状況によっては体の向きやボールホルダーとの間合い、カバーの距離様々なことが違うはずだ。
逆にトレーニングプランを
8vs8(ゲーム)→4vs4(最初のトレーニングによっては2vs2)→8vs8(ゲーム)
このようにする。
するとまずは最初の8vs8の中でいつ、どこで、どのようにプレッシングをかけるかを戦術としてチームで確認してから、それに付随した4vs4のトレーニングを行いまたゲームに戻る。
このような流れにすることによってまずゲームの中での全体像を掴むことができるのでポイントを選手は理解しやすい。
そこからスモールグループにしてより細かなところまでトレーニングすることによって深く理解し、最後ゲームでまたチェックできる。
細かな部品から物を作るより、まず全体を形どってから細かなところを作っていく。
細かな部品から作り始めると今自分が全体のうちのどこを作っているのか分からなくなってしまう。
【まとめ】
今回はゲーム–トレーニング–ゲームのサイクルの重要性を説明した。
アジア諸国はヨーロッパと比べてサッカーの文化が根付いていない。
だから、彼らと同じようにトレーニングしても追いつくことはできない。
どれだけ彼らのトレーニングがよく見えて、それを最初から完全にコピーしても同じ効果が出るとは限らない。
サッカー文化が違う。
アジア諸国にあったトレーニングプランだったり、トレーニングを組むべきである。
その一つの方法がまずはゲームから入るこのサイクルだと思う。
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