「ズッコケ情報公開㊙️ファイル」の感想
元々は、「ズッコケ三人組のオンブズマン」というタイトルで行きたかったらしい。いくら不動の人気を誇るズッコケシリーズと言えども、オンブズマンでは売り上げが落ちると( 誰かが)判断したのだろう。
内容といえば、三人組がオンブズマンとなって、市役所で情報開示を求めるところから物語は動き出す。しかし、ハカセはともかくハチベエやモーちゃんがいきなり政治に興味を持つわけではない。人気時代劇「ひょっとこ侍」に影響を受けてのことだ。この「ひょっとこ侍」は、ざっくり言うと水戸黄門+遠山の金さん+桃太郎侍÷3である。これを現代でいうとオンブズマンであろう、というハカセの助言を受けて、ハチベエはその気になるのだ。なにしろひょっとこ侍はモテる。自分もオンブズマンになればモテるはず、と考えたのである。
ハチベエの、女の子にモテたい思いがとてつもない行動力を生むわりに、女の子の気持ちを理解しようとか、自己を改善しようという方向に頭が行かないところ、本当に、あーあ、と思う。どうかこのまま大人になりませんように。どこかで気づきますように。
どうしても小難しい話になってしまいそうなテーマだが、そこを二時間ドラマばりのサスペンス仕立てで魅せていく手法はほんとに見事というしかない。ストーリーに引き込まれて読んでいくうちに、いつのまにかオンブズマンという言葉が身近になっている。作者の言いたいことにたどり着かせるために、ここまでやらなきゃいけないんだよな、と、身が引き締まる思いになります。
ところで、美少女トリオがいつのまにかケータイとか持ってるんですけど!2002年の作品だもの、そりゃそうか。電話ボックス探して走り回ってた頃が懐かしいぜ。
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