『ズッコケ三人組と死神人形』の感想

クリスマスイブ、雪山の山荘に差出人不明の小包が届く。山荘の主人が中を見ると、そこには死を呼ぶと噂される不気味な死神人形が入っていた。そしてその夜…。これは、死神人形の呪いなのか?それとも、周到に仕組まれた殺人なのか?

どこの本格ミステリ?と思われたかもしれませんが、これが今回のあらすじです。このnoteで繰り返し書いてることですが、ほんと、対象年齢ぶっちぎりです。人が死ぬ死ぬ。ミステリー協会は、ちゃんと本格ミステリの入り口としてこの作品を扱った方がいいと思うんですよね。つまり、

子どもをミステリ沼に引きずり込む入り口として。

登場人物も、三人組の他に、いけすかないオーナー夫婦。夫婦にこきつかわれている元オリンピック選手。傲慢なカメラマンと、気弱な助手。きゃぴきゃぴ女子大生四人。

どうですか!全員死にそうだし殺しそう!

ミステリーには欠かせないお色気シーンもあります。とはいえさすがに裸は出てきませんが、男風呂と女風呂は薄いかべ一枚で防音一切なし。女子大生の一人が放つ「あの可愛いふとった男の子、ペットにしたいわ」なんて台詞にモーちゃんが顔を赤らめる場面なんて、小学生には刺激強すぎませんか?自動車ショー歌かよ!

本格ミステリですが、話が複雑すぎて分かんなくなる、ということはないです。そこがうまいとこなんですけど、視点は三人組なので、今何が分かってて何が分からないのか、を三人が共有する形で読者に解説してくれるんですよね。だから次々謎が襲っては来るけどついていける。なに?わからん!とならないんです。

きちんとミスリードされるし、意外な事実が明かされるし、落ちも好きです。刺激的なことが続く分、可愛いズッコケで締めてくれるところも良い。おすすめです。

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