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【無料マガジン】 髪質も癖もそんなに強くないのに伸びないのはなぜ?

今回も前々回にマガジンに書いた記事、失敗の原因から共有しようという内容のやつです。

前回書いてみて、「これは勉強になるなぁ」と自分で思いましたw


たくさん送っていただいてますが、まだ全部は追いつきません。
(本人にはすぐ返信してますので、お気軽にご相談ください!)


いつもはマガジン限定にしてるのですが、今回は同じような内容を誰でも見れるように公開してみます。こんなこといつも書いてるよーってやつです。


さて今回はこちら。
ご協力ありがとうございます!

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めちゃくちゃ丁寧な施術内容で助かりますありがとうございます。
(こういう一往復でやり取りが終わるような質問ができる人って好きです!絶対仕事できるし優しい!w)



Before↓

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After↓

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この方の毛髪診断
癖の種類、強さ:捻転毛、そこそこ強い
髪質:黒髪バージン普通毛、ダメージほぼなし
使用薬剤、工程
N.NA (ph8.0、TG4.0、AL0) ←間違えてたので修正 システアミン
FAVE H (ph9.2、TG8.7、AL5.8) チオ
GMT66.6
ワンダーザサード7.0 (ph7.0、TG6.2、AL0.3) システイン

N.NA:ワンダー7:FAVE H:GMT66.6 (1:1:1:10%)
10〜15分で塗布し、15分放置。
癖が残っている部分にFAVE Hを塗布して5分放置。

8割ドライ、ブロー、180度でアイロン
反省
捻転毛なので、S1、S2をじっくり還元したいと思い低アルカリの両方に効く還元剤を配合したが、伸びが悪かった。原因はアルカリ量が低いせいだと反省。
ドライの際、フルウェットからのブローを選択するべきだった。


↑分かりやすいように整理しました。


さて、仕上がりであまり綺麗に伸びなかった原因はなんでしょう?
ここを理解できていれてば、失敗は大きな経験値になります。

ただ、そこを理解しないまま、じゃあ次は薬を強くしてみよう、長く置いてみよう、アイロンの温度を上げてみよう。ではもっと大きな失敗をします。

今回のパターンの失敗は薬剤選定、アイロンが大きな原因ではありません。

今回のポイントとなるのは「捻転毛の特徴」を知ること。


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この仕上がりたぶん、99%の人がなります。
なんとなくツヤは出たけど髪は硬く、微妙にうねりが残っている、、、
これ、「ちょっと薬弱かったなー」とか「アイロン甘かったなー」とかじゃないです。どれだけそこに本気出してもこの仕上がりになると思います。


今回の髪はバージン毛ですが、見た感じそこまで毛は太くなさそうです。
なので薬剤的には十分なはず。

強いて言えば、捻転毛なのでチオのスペックを下げてシステアミンのスペックを上げること。

元はこれです。
N.NA : ワンダー7 : FAVE H : GMT66.6 (1:1:1:10%)

このpHとアルカリだとGMTを混ぜるメリットはあまりないのでいらないです。
ワンダーザサードは使ったことないので、スペックでの予想ですが、

同じ薬剤の中で選定するとしたら
N.NA : N.H : FAVE N : ワンダーザサード (1:1:1:1) ですかね。


Afterの写真を見てもらうとわかるのですが、癖が微妙に伸びきってないけど、なんとなく伸ばされていて、ツヤが出ています。

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分かりやすくイメージでお伝えすると

還元 → 髪の中の結合(癖の原因)を切ること。
軟化 → キューティクルを開いて、髪をやわらかくすること。

です。

還元がしっかりされていれば、当たり前に癖は綺麗に伸びます。
髪が細毛軟毛、もしくは弱い癖でない限りはほんの少しの軟化はあった方が良いのです。

還元だけしっかりされて(中の結合だけ切れて)、外側のキューティクルが一切動いてないとしたら、キューティクルは元の癖の形に沿ってあるので、そのまま。
髪が硬い人なんかは、それで反発して元の癖の形に戻ろうとするんですね。

ちなみにストレートにこだわってる人たちが、酸性の薬剤や、極端に弱い薬剤で、ブローやウェットアイロン等で無理矢理伸ばしてるのを見ますが、当たり前に髪は大ダメージです。そして熱で変性させないと伸びないので、仕上がりも全然不自然です。

軟化させてないので根本がペタンコにならないだけで髪はつぶれています。


脱線しましたが、そういう理由でほんの少しの軟化は必要なのです。
そしてさらっとブロー、アイロンすれば「毛が丸いまま」無理なく癖だけ伸びます。

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そしてこの仕上がりはその逆です。

還元不足で癖は残っているまま、軟化はしていたのでキューティクルは開いて外側は形を変えれる状態。
アイロンで無理矢理熱を与えれば、キューティクルが変性するので、こういう風にツヤは出て外側から抑え込まれるのでなんとなくは伸びます。

でもダメージしてキューティクルが開いたり、時間が経つと癖が出てきます。取れる、戻る気がするのはほとんどの場合がこの理由です。




、、、、と薬剤による還元不足はそんな感じ。
とは言っても、元の薬剤でも伸びると思います。

ここからが本題。


捻転毛はブローが超重要。

S1結合は親水性、S2結合は疎水性と言われていますが、この乾かした時の水分の離し方、収縮率で毛が捻れるのが捻転毛の特徴です。
だから濡れていて、両方が水を吸っている状態は癖が消えるのです。

つまり、還元がしっかりされていても乾かしたら癖は出るのです。


でも乾かすしかないですよね。

だから、濡れている状態からブラシを入れて、一発でフルドライまでもっていきます。
濡れている時は髪の形を変えやすいです。
「癖が出る瞬間を与えない」って感じですね。

縮毛矯正マニュアルのほうで書きましたが、捻転毛は毛の捻れです。
ドライヤーのコードと同じ。

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乾かして捻れが出ている状態に、いくらアイロンしても伸びるわけないんです。
ドライヤーのコードを真っ直ぐにするには、端と端を持って引っ張って捻れをほどくしかないんです。つまりブロー。


これを理解せず、薬剤やアイロンにいくらこだわってても一生伸びません。


この方も反省点で「フルウェットからのブロー」を選択するべきだったと言っています。マニュアルを見てくださっているので、かなり理解度は高いと思います。

もう少し!すごくいい失敗だったと思います。


参考になったと思ったら、コメントください!(励みになりますw)
質問ももちろんどうぞ!

引き続き、施術写真送ってくれたら共有したいと思いますのでお待ちしております!


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