ノマド？

ターザン山本

日曜日。まず朝、新宿。喫茶「ルノアール」。3丁目。ビルの地下。9時30分、客はガラガラ。そうだよな。11時40分、地上に出ると強い雨だよ。

傘がない。濡れる。急いで音楽喫茶「らんぶる」へ。友人とおしゃべり。雑談。何を話したのか覚えていない。彼はいつも録音、とっているんだよなあ。15時40分、歌舞伎町、TOHOシネマズ。

映画『ノマドランド』を見る。満席状態。これ、普通に退屈な内容だ。寝てしまうよ。うとうとうと。睡眠作用あり。シンジロー君は先にこう言った。「これは山本さん向きの映画ではないかもしれません」とね。

それを心配していたようだ。そういわれると逆に燃える。しっかり見ようとなるんだよ。天の邪鬼だから。主人公の女性が美人とはほど遠い。ビジュアル的にはアウトだ。

それをずっとスクリーンで見せ続けられるのは苦痛だ。それは言えるぜ。ノマドは遊牧民。主人公は町が消滅。夫も亡くなった。住むところがない。キャンピングカー生活。

実質、ホームレスだよ。男ならわかるが女性とはね。新しいパターンだ。見るからにみすぼらしいんだよ。色気、ゼロ。存在、カサカサ。何もかもが渇いている。乾燥している。それでも夕陽と朝日が向こうに見える。

見終わったあと居酒屋、乱入。そこから22時40分まで延々とトーク。感じたこと、思ったことを全部、吐き出していく。

そうしないとホンモノの自分に出会えないのだ。アウトプットの意味はそこにある。感性の出し惜しみはするなだ。メンバーはシンジロー君とニーチェ君。

私を含めた3人の組み合わせは独身、既婚者、バツ2なのだ。最後は恋愛論になった。何がベストなのか？　ベターなのか？　正解はない。存在しない。結局は人それぞれの性格がすべてだ。

性格はその人の才能であり限界でもある。アートとは何か？　それも論じた。違和感、ズレ、ギャップを恐れるなだ。帰宅したのは23時57分。日曜日だぜ。

路面には雨の跡。日曜日はなぜか毎週、雨になる。今日の“四字熟語”はノマド？


ターザン大陸より）
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