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どこよりも早い第104回全国高校野球選手権千葉大会展望(後編)

 やあどうも、しゅうです。
今回は夏展望の後編、右上(木更津総合・東京学館・東海大浦安・船橋東)ブロックと、右下(銚子商業・西武台千葉・専大松戸・長生)ブロックに焦点を当てていきます。最後まで読んでいただけると幸いです。
それではいきましょう!
(前編はこちらから↓↓)

木更津総合・東京学館・東海大浦安・船橋東ブロック

Aシード:木更津総合
Bシード:東京学館
Cシード:東海大浦安、船橋東
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 6年ぶりのセンバツで1勝を挙げた木更津総合がAシード。そのセンバツでは2試合連続でのタイブレークに。守備力・投手力の高さを全国でもアピールした一方、攻撃では右投手のスライダーを中々とらえられない、という場面が見受けられました。
投手陣の中心は夏もエースの越井颯一郎になりそう。センバツでは2試合とも先発し、合計20イニングで2失点、与四死球が4、WHIP(1イニングあたりの許出塁指標)が0.70と全国でも抜群の安定感を見せました。先日の平塚学園との練習試合でも好投を見せており、仕上がりは順調でしょう。

それを支えるのは金綱伸悟金本硫瑚の3年生コンビ。センバツでは悔しい結果になった金綱は県大会で2試合に先発。準決勝の銚子商戦では一発を浴びたものの5回を被安打3失点2と好投。金本はセンバツで135キロを記録した右サイドハンド。前チームの主力投手・神子史温(現獨協大)のような働きが出来れば、越井の負担も減ってくると思われます。
打線では秋は5本塁打、春は2本塁打を放った山田隼、夏もクリーンアップに座ると予想される水野岳斗芦川正真の2年生コンビが中心か。センバツで見せた積極的で質の高い走塁に、精度の高いバントを絡め、「スピード感」で圧倒していけるか。
更に春では楽しみな1年生トリオがデビュー。最速138キロ右腕の千葉雄斗。現ヤクルトの山下輝を彷彿させる大型左腕の井上陸。全試合6番に座り中央学院戦では先制打を放った羽根徹平と全員が「逸材」と呼べるレベル。
2年後どのような姿になっているか楽しみです。

 Bシードは東京学館。前チームは現横浜DeNAに入団した粟飯原龍之介などを擁し初の関東大会出場。今春は2試合連続完封勝利を含む3勝を挙げ、8強進出でした。
最注目投手は、春に頭角を現した右腕の牧航汰。現ロッテ・佐々木朗希のような左脚を高く上げるフォームから、最速140キロのストレートにスライダーやスプリットを投げ分けていくスタイルで、千葉敬愛戦・千葉黎明戦と実力校相手に2試合連続完封勝利を果たしました。

前チームから登板を重ねている最速144キロ右腕の田中千歳は、準々決勝の市船橋戦で初先発。8安打を浴びながら8回2失点とさすがの投球を披露。
さらに春は1番をつけた山崎正太も控えるなど、盤石の投手陣。3人が万全の状態で夏を迎えることが出来れば、他のシード上位校にも間違いなく脅威になるでしょう。
打線は前チームとは変わって春は「日替わり打線」でした。その中で毎試合上位に座っていた2年生の永岡隼人阿部寛之が夏も中心となるか。昨年より投手陣が充実している分、1点ずつ取っていく攻撃が出来れば、理想的な展開に持っていけるでしょう。

 Cシード1校目は個人的今大会No.1ダークホースの東海大浦安。好投手擁する成田・市原中央相手に一発攻勢で圧倒し、16強進出でした。
注目はその野手陣。3番の鰺坂賢弘が成田戦で二発、2年生の4番・谷田虎太朗が2戦連発、5番の岡歩夢が市原中央の松平から初回に先制スリーランを放つなど、クリーンアップ3人で計五発と、春では考えられないような破壊力は県内トップクラス。1番の杉山来弥は出塁率が高く、夏も5割前後の数字を残してくると得点の確立も一気に上がってくるでしょう。
投手陣も県内屈指の左腕に成長した金韓根に、安定感のある左腕・中島寛喜、右アンダーハンドの川口瑛大に速球派の右腕・岡歩夢と、バラエティ豊富。春はコールド勝ち寸前のところで決めきれず、終盤追い詰められる、というところが見えたため、夏は「締め方」といったところにも注目していこうと思います。

2校目は船橋東。春は予選で東葉と船橋芝山、県では八千代と船橋法典を、いずれも実力校との接戦を制しての16強でした。現地で観戦した3回戦の市船橋戦では、初回の相手投手の投球練習時に、ベンチ入り選手全員で外に出てタイミングを取っている姿がとても印象的でした。船橋法典戦で2ホーマーを放った真下尚己が夏も攻守でチームを引っ張ります。
ノーシードでは、成田国際vs我孫子東多古vs松戸六実など実力校同士の楽しみなカードが初戦から実現。船橋芝山敬愛学園、ここ5年でCシード2回の四街道も今年は開幕試合からの登場。昨夏創部初年度で初勝利を挙げた光英VERITASは部員数が2倍以上に。さらに初戦がマリンスタジアムと、さらに注目度が増す夏になりそう。

このブロックもシード校中心の勝ち上がりになりそう、また順当に勝ち上がると5回戦で実現する、木更津総合vs東海大浦安がどのような結末を迎えるのか、要注目です。


銚子商業・西武台千葉・専大松戸・長生ブロック

Aシード:銚子商業
Bシード:西武台千葉
Cシード:専大松戸、長生
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 Aシードは復活した「黒潮打線」の銚子商業。1回戦から千葉学芸、流経大柏、暁星国際、習志野、木更津総合を破っての準優勝と、激戦のブロックを勝ち抜いてきました。
投手陣は右腕の飯島聖矢、左腕の関根大翔の2枚看板。制球力が増し、ストレートは数字以上の速さを感じる飯島は、準決勝の木更津総合で10安打を浴びながら9回2失点で完投勝利。関東大会初戦の青藍泰斗戦でも9回3失点で完投勝利を挙げるなど、高いゲームメイク能力を見せました。
左腕の関根は準々決勝の習志野戦で先発し8回3失点、決勝の市船橋戦でも先発し5回まで無失点とこちらもゲームメイク能力は抜群。球持ちの良いフォームから、ノビのあるストレートと空振りの取れるスライダーが武器。ピッチャーでない時は外野を守っており、夏も二刀流の活躍が期待されます。
打線は木更津総合戦で一発を放った鵜澤智也石毛陽己。青藍泰斗戦で3安打の主将・久保形怜司に走攻守どれも質の高い注目の2年生ショートの押本柊也。さらに速球・変化球への対応力が光る関根などどこからでも点が取れる打線。県大会では6試合。12年ぶりとなった関東大会では秋の関東王者である明秀日立に敗れるも価値ある1勝を挙げ、復活を印象づけました。
19年もAシードからの夏でしたが、その時は5回戦で涙をのむ悔しい結果に。春のような野球が出来れば2005年以来の甲子園も見えてくるでしょう。夏最注目のチームです。

 Bシードは西武台千葉。3回戦では強打の東海大浦安を下しての8強進出でした。投打の柱は川井鴻之介。バットでは東海大浦安戦で追撃となる一発、準々決勝の拓大紅陵戦でも反撃ののろしを上げるタイムリー。両試合で終盤リリーフとしてマウンドに立っており、投打の両方で試合の流れを変えることの出来る選手です。その他の投手陣では上記の2試合で先発した、タイミングの取りにくい左腕の爲我井洸平、好リリーフを見せた右腕の横枕誠也のサポートが夏は鍵か。
打線は1番に座る落合真大の出塁率が夏は重要に。とにかく塁に出て川井、4番の野川和暉に得点圏で回すことが出来れば、東海大浦安戦のような攻撃が出来るでしょう。

 Cシード1校目は昨年の代表校の専大松戸
投手陣では最速148キロ右腕の鈴木良麻に大型右腕の竹葉洋太。野手では甲子園を経験した大森駿太朗横山瑛太、プロ注目捕手の加藤大悟など全チームに全く見劣りしない布陣となっています。
秋は2回戦で四街道に、春は3回戦で習志野に敗れるなど不本意な結果に。昨年は吉岡道泰(現神奈川大)という強力なゲームチェンジャーが牽引。持丸監督も夏に向けて選手の入れ替えを示唆しており、そこにニューフェイスが活躍してくれば昨夏のような勢いに乗れると思います。

2校目は長生。2回戦で昨秋専大松戸を破った四街道を下し16強進出。第7地区唯一の16強進出となりました。
立役者は2年生エースの峰侑志。四街道打線を相手に緩い変化球を使い完投勝利。夏はこのタイプの投手が強豪校相手に「ハマる」展開がかなりあるため、夏はどのようなジャイアントキリングを起こせるか注目です。

ノーシードでの注目は成田。重たいストレートと落ちる変化球が武器の右腕・高橋竜平、前チームから中軸に座る檜村圭吾に俊足好打の中橋巧喜と経験豊富な主力が、同じくノーシードだった18年以来の決勝進出を目指します。昨夏Bシードの東京学館浦安もノーシードからの登場。こちらも2年生から主力だった根本騎平澤登悠幹松丸璃玖らが18年以来の決勝進出を目指します。順当に勝ち進めば3回戦で当たる専大松戸とのカードは要注目。
一昨秋に当時の1年生が中心で中央学院や千葉明徳を下し、4強に進んだ千葉英和はその世代が最後の夏。春は地区予選で敗れただけに、キャプテンの長尾涼太郎を中心にもう一旋風起こせるか注目です。
その他では近年安定して16強に顔を出す千葉商大付に、昨夏8強の日大習志野。公立では着実に実力を挙げてきている市立千葉に伝統校の佐倉柏南八千代vs茂原北陵の楽しみなカードが1回戦からになるなど、このブロックもそうそうたるメンツが集まりました。銚子商・西武台千葉・専大松戸中心に回ることはほぼ間違いないと思いますが、成田・学館浦安あたりが8強に進んでいる可能性も等しくあると思います。このブロックも目が離せません。

しゅう的夏の注目選手

今年も最後に個人的に注目してる選手を連ねていくので、ご参考までにどうぞ。

  [投手]
森本哲星(市船橋)
飯島聖矢(銚子商)
越井颯一郎(木更津総合)
小堺心温(拓大紅陵)
関順一郎(習志野)
糠谷翔大(中央学院)
牧航汰、田中千歳(東京学館)
川井鴻之介(西武台千葉)
鈴木良麻(専大松戸)
金韓根(東海大浦安)
伊東賢生(千葉黎明)
三輪圭摩②(暁星国際)
森陽生(八千代松陰)
高橋竜平(成田)
松平快聖(市原中央)
渥美亮太(千葉経大附)
佐藤力基(松戸六実)
荒張勇紀(明聖)
  [捕手]
片野優羽(市船橋)
中西祐樹(木更津総合)
四十住海都(拓大紅陵)
鈴木海偉②(習志野)
真下尚己(船橋東)
加藤大悟(専大松戸)
日高彰太(東海大望洋)
  [内野手]
谷藤汰樹(市船橋)
押本柊也②(銚子商)
空康輔(木更津総合)
中村瑠斗(拓大紅陵)
栗原政悟(習志野)
大山朝陽、青山天星(中央学院)
鎌形俊明(学館船橋)
大森駿太朗(専大松戸)
谷田虎太朗②(東海大浦安)
鈴木結翔(千葉学芸)
紅林伶音、藤平愛也②(八千代松陰)
檜村圭吾(成田)
森悠生②(市川)
澤登悠幹(東京学館浦安)
  [外野手]
森本哲太(市船橋)
関根大翔(銚子商)
山田隼、水野岳斗②(木更津総合)
菰田朝陽②(拓大紅陵)
栗山護一②(習志野)
井ノ上拳汰郎(中央学院)
黒須堅心(専大松戸)
鰺坂賢弘、岡歩夢(東海大浦安)
栗原泰人(市柏)
小川晃士朗(市原中央)
磯ヶ谷悧雄(千葉経大附)
根本騎平(東京学館浦安)

(※2年生には②を付けています)

最後に

 今日で6月も終わり、明日は展望号の発売日。梅雨も明け連日厳しい暑さが続いています。今大会は3年ぶりに開会式・開幕試合から一般のお客様の入場可能となっており、久々のブラスバントでの応援も合わさり、大歓声がグラウンドに響き渡る夏となるでしょう。
くれぐれも暑さには十分気を付けてください。対策グッズはもちろん、特に水分・塩分補給は渋らずに積極的に行ってください。少しでも「キツい」と感じたときは、日陰で休むなどの行動をとってください。私も1回戦からどこかしらの球場に訪れる予定ですが、1日3試合持つか分からないので…笑

  開会式は7月9日(土)ZOZOマリンスタジアムにて、開幕試合は同日・同球場において、四街道-千葉東のカードが予定されています。観戦マナーを守り、精一杯の拍手で、今年の千葉球児の活躍を応援しましょう!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

(各データ・動画等引用元: https://www.hbnippon.com)

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