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どこよりも早い第104回全国高校野球選手権千葉大会展望(前編)

 やあどうも、春大の記事を先延ばしにしていたら抽選会の日になっていました、しゅうです。
本日、第104回全国高校野球選手権千葉大会の抽選会が行われました。「左上」というワードを目にした方が多いのではないでしょうか。
今年も発売が予定されている千葉大会展望号(ベースボールマガジン社)より早く、4ブロックの戦力分析と展望を、秋春の戦績や自分の目で見た感想などを含め書いていこうと思います。
前編は左上(拓大紅陵・習志野・市柏・学館船橋)ブロックと、左下(市船橋・中央学院・暁星国際・千葉黎明)ブロックとなります。長くなると思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
(記事内は敬称略とさせていただきます、ご了承ください。)

春の振り返り

 夏の展望にいく前に、まずは軽く春の大会を振り返ります。
結果は以下のような形になりました。

優勝 市立船橋(関東大会出場)
準優勝 銚子商(関東大会出場)
ベスト4 木更津総合 拓大紅陵 (ここまでAシード)
ベスト8 習志野 西武台千葉 中央学院 東京学館 (Bシード)
ベスト16 東京学館船橋 船橋東 専大松戸 東海大浦安
     市立柏 千葉黎明 長生 暁星国際 (Cシード)

銚子商がセンバツ帰りの木更津総合を準決勝で破り、決勝は市立船橋との公立対決に。関東大会では、銚子商が開幕戦で栃木3位の青藍泰斗を相手に、小刻みな得点とエース・飯島聖矢の好投が光り勝利。市立船橋は2回戦からの登場で、埼玉2位の山村学園の強打に屈し、初戦敗退となりました。

夏の組み合わせは以下のリンクからご覧ください。

https://chbf.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/%E7%AC%AC%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%94%E5%9B%9E%E7%B5%84%E5%90%88%E3%81%9B%E6%97%A5%E7%A8%8B%EF%BC%88%E7%99%BA%E8%A1%A8%E7%94%A8%EF%BC%89-1.pdf

拓大紅陵・習志野・市柏・学館船橋ブロック

Aシード:拓大紅陵
Bシード:習志野
Cシード:市立柏、東京学館船橋

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 まずは例の「左上」ブロックからです。「ノーシード爆弾」がかなり集まりました。
Aシードは秋準優勝、春4強と安定した強さを見せている拓大紅陵
投手陣ではエースの小堺心温の制球力は言わずもがな、ストレートにキレのある嶋田翔太谷岡優也がそれぞれ先発として安定した投球が出来た、といったところが春の収穫だったと思われます。ここに下級生が一人でも加わると、さらに厚みが増すと感じています。
打線では1番の菰田朝陽と3番の中村瑠斗が中心。試合によって打順が変わっていた四十住海都が夏は鍵になるでしょう。個人的には2番を打っていた大立翔良が「イヤらしい」いい打者で注目選手です!
春は惜しくも市船橋に敗れたものの、点差も実力もほとんど差が無いように見えました。安定した3人の投手と積極性のある打線で、夏はいかに早く自分たちのペースに持ち込んで戦えるかが、このブロックを勝ち抜いていく重要なようになると思います。

 Bシードは習志野。秋は8強、春も3回戦では専大松戸をコールドで退けての8強進出でした。
投手陣は前チームから登板を重ねている鈴木颯太・古賀海音・関順一郎に加え、銚子商に敗れた準々決勝で好リリーフを見せた吉川凌平の存在が夏は鍵か。前チームからベンチ入りしていた左腕の大野真太朗がさらに加わってくると層は厚くなるでしょう。
打線も経験豊富な栗山護一、竹内奏楽、栗原政悟が並ぶ上位から中軸に、専大松戸戦3ランを放った鈴木海偉が9番に座る打線は今年も迫力満点。昨秋は八千代松陰に完封負けしたものの、一冬超えて専大松戸相手に8点を取れる打線に仕上げてきました。
敗れた銚子商戦では失点に絡んでしまう「見えるミス」と「見えないミス」が出てしまっていたようですが、そこは夏に向けて修正してくるでしょう。
Aシードの拓大紅陵も含めと習志野はブラスバンドも超強力。久々に「美爆音」が戻ってくるグラウンドでどこまで勝ち進めるか。

 Cシード1校目は市立柏。千葉日大一を下しての16強進出。
秋は市原中央のプロ注目の右アンダーハンドの松平快聖を打ち崩せませんでしたが、春は予選2試合を含む4試合で50得点と、一冬超えて打線を強化してきました。中でも昨夏は1番ショート、春は4番センターで出場していた栗原泰人が注目のバッター。自身のバットでチームを勝利に導けるか注目です。

2校目は東京学館船橋。日大習志野と我孫子をそれぞれ完封で下しての16強進出。秋は習志野相手に接戦を演じるなど、試合巧者ぶりも光ります。
注目はクリーンアップに座る鎌形俊明。春3回戦の中央学院戦では、左中間への先制タイムリーに右越ホームランとチームの全打点を叩き出す活躍。

先日の東海大菅生との練習試合でも一発が飛び出した模様。

中央学院戦ではマウンドにも上がるなど、夏は「二刀流」の活躍も期待されます。

 そして注目の「ノーシード爆弾」です。2回戦で市柏と対戦するのは、八千代松陰君津商業の勝者に。八千代松陰は秋に習志野相手に完封勝ちを収めた森陽生・森琉晴の双子バッテリーに、昨夏からレギュラーだった紅林伶音藤平愛也など選手は粒ぞろい。春は敗れはしたものの中央学院と熱戦を繰り広げ、勝利していれば8強は堅かったのでは、と思わせる戦力が揃っています。君津商業は秋の予選で市原中央の勝利。春敗れた拓大紅陵相手には、序盤リードする展開を見せるなど、今年のノーシード公立校の中では屈指のダークホースだと思っています。初戦からもったいない組み合わせになりましたが、両者がどのような試合展開に持ち込んでいくのか注目です。
さらにそのブロックを勝ち抜けると3回戦で当たると予想されるのが、毎年安定した戦いを見せる千葉敬愛。そこを勝ち抜くと当たりそうなのが注目選手を多く擁する東海大市原望洋。秋春と「節目」の試合では敗れてはいるものの、勝った試合の内容はどれも圧倒的なので、好投手からも点が取れる打線に仕上がっていれば、上位シード校とも互角に戦えると思います。

秋8強組では、流経大柏もノーシードからの登場。プロ注目の右アンダーハンド・松平快聖を擁する秋4強の市原中央も、春は2回戦で超強力打線の東海大浦安の前に屈し夏は1回戦からの登場。投手では諸岡柊斗が東海大浦安戦で好リリーフを見せており、夏も松平をサポートする役割が期待されます。
昨春4強の県船橋志学館との対戦と、こちらも屈指の好カードが初戦から実現。さらには近年強力打線を毎年揃えてくる幕張総合に、近年好投手を多く輩出している松戸馬橋など、両手で数えきれないほどの「ノーシード校」がひしめくブロックとなりました。

 何が起こるか分からない千葉の夏、果たして4強に進んでいるのはどのチームか、要注目です。

市船橋・中央学院・暁星国際・千葉黎明ブロック

Aシード:市立船橋
Bシード:中央学院
Cシード:暁星国際、千葉黎明

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 Aシードは28年ぶりに春を制覇した市立船橋
投手陣は最速143キロのストレートにキレのあるスライダーとチェンジ系(?)のボールを投げおろす左腕の森本哲星に、春は背番号1を付けた最速141キロ右腕の坂本崇斗、元巨人の森福を想起させるような角度でえぐってくる左サイドハンドの西村壮太郎に決勝で先発し好投を見せた1年生右腕の工藤将祐などと、バラエティに富んだ投手陣となっています。夏はさらに計算できる投手が2~3人絡んでくるはずなので、例年以上の「投手王国」が見られると思います。
打線は3番に座る森本兄弟の兄・森本哲太(弟は哲星)と、プロ注目の4番・片野優羽が柱。

足のある三浦元希・石黒慎之助の1,2番に、決勝の銚子商戦でチームの全打点を挙げた谷藤汰樹が下位打線に座る、切れ目のない打線になっています。
関東大会では坂本-森本(星)-西村の継投で12失点しましたが、これを「授業料」とし夏に向けては問題なく仕上げてくると思われます。
夏は過去6年で8強以上が5度と安定した成績を残していますが、木更津総合相手には3敗。昨年は4回戦で涙をのみました。恐らく今年は戦力・実力ともに木更津総合の対抗1番手と言っていいでしょう、まずは16年以来の決勝進出なるか、注目です。

 Bシードは中央学院。秋はコロナの影響もあり予選敗退となりましたが、春は予選を含め6試合を戦い、堂々の8強進出でした。
投打の柱は昨年から多くのマウンドを経験している糠谷翔大。最速144キロのストレートに空振りの取れるスライダー、さらに120キロ台中盤~後半のカット系(?)のようなボールも効果的に使っており、大会を通して好投を見せました。2番手以降は背番号9をつけていた長身の2年生右腕・井川一心と八千代松陰戦、学館船橋戦で共に先発した右サイドハンドの吉川晃生。春の内容を見るとやや打ち込まれる場面も見えた(もちろん相手打線が強力だったのは言うまでもない)ので、夏に向けてどれだけ修正できているか注目です。
打線は全体的に足が使えるのと、例年以上にセンターから逆方向への意識を強く感じました。注目はショートの大山朝陽。強肩を活かした躍動感溢れる守備と、広角に打ち分ける打撃は県内屈指。

また二遊間でコンビを組む青山天星も確実性のある守備と、木更津総合の越井から唯一2安打を放ったシュアな打撃を披露、夏もキャプテンとしてチームを引っ張ります。
他のシード校より試合経験が少ない分、まだまだ大きな伸びしろを残していると思われる中央学院。夏も大会を通じて成長しながら、4年ぶりの甲子園を目指します。

 Cシード1校目は暁星国際。望洋を下しての16強進出でした。
注目はその望洋打線を9回4安打1失点に抑えた2年生エースの三輪圭摩。昨夏から威力のあるストレートを投げ込んでおり、望洋打線から15奪三振を記録。来年の夏にはドラフト候補に挙がる可能性も十二分にあるでしょう。
是非、球場で観たい投手の一人です。打線も銚子商の好投手・飯島聖矢から11安打で7点を奪うなど、今年も爆発力に期待大です。

2校目は千葉黎明。秋8強、春は16強と今年のチームも安定した強さを見せています。注目はエースの伊東賢生。最速142キロのキレのあるストレートと、打者の手元で鋭く曲がるスライダーで秋の市銚子戦では19奪三振、敗れたものの春3回戦の東京学館戦で14奪三振と、三振奪取能力は県内でもトップ。スプリットやカットボール、カーブなど小さい変化や緩急も合わせて使うことができ、夏にどれだけ評価を上乗せできるか、彼も球場で観たい投手の一人です。

 ノーシード校の注目は、まずは第1地区の3校。検見川は春の予選で千葉経大附、県1回戦で千葉明徳を倒すなど、今年の同地区で頭一つ抜けた存在になりました。1回戦を勝てば、春に敗れた市船橋への挑戦権を得ることが出来るため、初戦から勢いに乗れる勝ち方が出来るかどうか。

千葉明徳はイチロー氏が指導に訪れたことで全国的に話題になりましたが、春は一回戦で涙。しかしここ3年連続で8強、昨夏は春夏連続出場の専大松戸を崖っぷちのところまで追い詰めるなど、夏の強さは周知のとおり。今年こそ8強の壁を越えられるか注目です。
千葉経大附は前チームから主戦を務める右腕の渥美亮太の出来が鍵か。春は予選敗退だった分、夏の本領発揮に期待です。

昨春優勝の千葉学芸も夏はノーシードから。県内屈指のショート・鈴木結翔が攻守でチームを引っ張ります。昨夏の千葉英和戦で好投を見せた軟投派左腕・波多野龍星擁する袖ヶ浦に、秋の敗者復活戦では千葉学芸を破った実力校の日体大柏。東総工業と八千代東のカードも一回戦屈指の好カードと言っていいでしょう。

 個人的にはシード校4校を中心に回っていくと予想する同ブロック。3回戦からかなりの好カードが揃う組み合わせにもなりました、要注目です。

 前編はここまで。後編は残りの2ブロックに焦点を当て、近日中に公開予定です。お楽しみに!
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

(各データ・動画等引用元:
https://www.hbnippon.com/https://www.youtube.com/c/5589com)

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