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【確定申告】【青色申告】風水害に踊らされた家主

 いえね、お家賃を頂けているだけで、大変嬉しいし、ありがたいんですよ。
 でもね……。
 ああ、今年の申告はしんどかった。(毎年言ってる気がする)

 

1 事件


 時は1年ほど遡り、2021年の風の強かった2月頃。
 私が家主をやっている貸家の1件の賃借人から連絡がありました。
 強風で壁の一部が剝がれたと。
 幸い、それによって寒風が室内に入り込むとか、雨漏りがするなどの室内への直接的被害はないらしい。
 とはいえ、こういうものは放っておくと、家屋内部の風化や劣化を早めて、家の寿命を早くしてしまうので、近いうちに何とかしなければならない。
 修繕はまあ、旦那の親戚の工務店に頼んでもらえばいいよね……などと考えていたら、旦那から
「これ、保険使えるんじゃないの?」と言われた。
 そう言えば、保険、かけるだけかけておいて、使ったことがない。
 私は、職場の共済(全労災)で、貸家に火災保険と地震保険をかけていたことを思い出した。
「一応、そっちに電話してみたら?直してしまってからでは判定できないしね」
 という訳で、まずは全労災で被害の程度を見積もってもらい、確定したら修繕にかかる、という段取りになった。
 全労災に電話してみたところ、近いうちに現場を見て、判定するとのことなので、貸家の住所を伝えた。
 判定ができた、との連絡がきたのは2週間後位だったと思う。
 その後、工務店が修繕を始めた。
 工務店さんいわく、「壁そのものが古くなって痛んでいるし、屋根も塗装がとれかかっているので、直しておいたほうが良いですよ」とのこと。
 きたよきた。古い家は何かと修繕費がかかる。
 この家は、私の貸家購入第一号で、当時お金も無かった私は、まだ使える中古住宅を幸運にもかなりお得な価格で購入することができたのだ。その時既に築14年くらい経っていた。
 その後も、倉庫が一部壊れたとか、暖炉が要らないとかといった部分修繕があったり、風呂の足場の床が傷んでいたり、台所からリビングにかけてシロアリでスカスカになっていて床板や床の梁を取り替えたりと、何かと100万円、200万円と数年に1回は年間家賃以上、もしくは数倍の修繕費が飛んでいく家となった。
 その教訓を踏まえ、それ以降は購入当時に築古の家が建っていても、よっぽど良い家でなければ更地にして新築し直すようにしている。修繕費で何百万ももっていかれるのは、この家だけで充分だ。
 という訳で、壁等の修繕で、請求額は240万円になった。
 共済の見積もりで入金された共済災害協力金(保険)は23万円。
 まあ、1割弱は戻ってきたのだから、ありがたいことですよ。
 そんなことがあった、2021年の春。

 共済災害協力金23万円は、家賃の振込用の口座に振り込んでもらった。
 基本的には、不動産収入はこの通帳を見れば記帳できるように一本化できるところは一本化している。
 弥生会計には「その他収入」勘定で入力した。

 全労災は、私がサラリーパーソンとして就職した頃から生命保険として加入している団体で、掛け金もお値ごろなので、保険ものはここに集約している。
 ただ、これは給料から天引きになるので、不動産の口座から差し引くことはできない。自宅の家財保険も一緒に引かれているので、計算が面倒になってしまうからだ。

2 インクの色に心乱れる


そんな出来事も忘れかけた2022年3月。1月2月は体調が悪く、なかなか確定申告に手が付けられなかった。
 実は、2020年6月に、二度目のメンタル体調不良で休職をし、半年自宅療養、2021年12月から試し出勤という扱いで徐々に仕事時間を増やし、2021年12月にやっと正式に復職したばかりだった。「試し出勤」の間は、給料が2割削減される。それが出るのも1年までで、あと1か月延びていたら無給だった。ギリギリセーフ。
 復職したばかりだから、ということで仕事はかなり他の人に割り振っていてもらったが、それでもまだフルタイムである程度の仕事を毎日こなすのは体力的に順応し切れなかったようで、寒さに弱い私は1月2月は仕事を休んでしまう日もしばしばあったし、休日は休んでいないと平日働く元気を回復できない状態が続いていた。更に、3月10日に3度目のワクチンを接種したところ、3月11日午後は熱が出て背中が痛くなり、午後は仕事を休まざるを得なかった。
 そうしてやっと3月12日(土)から、本格的に確定申告再開となった。
 まず、青色申告を弥生会計から打ち出す。
 ここでファーストトラブル。プリンターのインクの色がどう見てもおかしいのだ。
 黄色の筈の色が緑色に、赤の筈の色が赤黒くなっている。
 インクテストをして、ヘッダークリーニングもしたが、駄目だった。
 どうも、純正でないインクを使ったからのようだ。早々に劣化してしまったのだろう。
 仕方が無いので、カラーインクは全部ストックしてあった純正品に取り換えた。苛立っていては健康に悪い。
 弥生会計と国税庁の青色申告をシンクロさせた記事は、以下をご参照ください。


 今回は、風水害で降りた共済協賛金と、毎月かけてる地震保険について。
 今回は、いままで惰性でやってきた申告、色々とちゃんと見直そうと思った。
 というのも、旦那が「俺、自分で確定申告できた。医療控除したよ」と私よりも早々に確定申告を済ませやがったので、負けてられっか、とチョッとライバル心を燃やしたからだ。
 我が家は同一会計ではあるが、事実婚なので、「妻と子供の医療費も含めて医療控除してるんだ」なんていう普通のサラリーマンのおっさんのようなことはできない。確定申告においては、個々にスタンドアローンだ。
 現在、旦那は専業主夫であるが、法律婚をしていないので、私の扶養家族にカウントすることもできない。
 旦那は、早々に年金をもらい始めたが、早めの年金は金額も低く、総所得は200万円に満たない。そのため、かかった医療費は全額控除対象となったとのことだった。いわゆる「10万円の対象外」なのだ。
「君も試しにやってみたら?」と言われた。
 私も、けっこう個人的に医療費かかってるんですよー。毎月心療内科と普通の内科医に行っている。心療内科での診察代・薬代、普通の内科のほうは毎月喘息(ぜんそく)の治療薬をもらっているので、そちらも診察代と薬代。ぜんそくの薬は吸入器も毎月購入なので、それだけで3000円以上かかっている。
 という訳で、年間の自払い分の医療費を計算したら、9万数千円であった。10万まであとちょっと。
 でもでも!
 今年240万円も貸家の修繕費で赤字だし、給料は8割だったし、ひょっとしたら、ひょっとしないかな……とも思い、机の脇に医療費のお知らせも出しておいてみた。
 そんな感じで張り切って始めたが、第一関門はプリンターインクであった……。
 インクを取り替えて、気を取り直す。

3 青色申告には雑収入の項目が入らない


 そうだ。青色申告の項目に「損害保険料」とある。これ、地震保険のコトじゃないの?と思い、弥生会計に書き加えてみた。
 現金科目に 事業主借 / 損害保険料   で、共済から届いた地震保険の項目を書き加えた。

 さて、内容も見直して、いざ国税庁の確定申告コーナーを開く。
「青色申告書と確定申告書を作る」を選択する。
「給与の他に、不動産所得のある人」を選択する。
 昨年のデータを読み込ませて、今年のデータを弥生会計から打ち出した青色申告書を見ながら入力して……あれ?
 国税庁の青色申告、「その他の収入」が無い!?
 えー、共済の協賛金、入れられないじゃーん。

4 共済協力金を消す


 弥生会計の青色申告、書き直しかよ。
 弥生会計を開く。
 「預金出納帳」を開いて、共済協賛金の項目を行削除した。
 そしてまた、青色申告書を弥生会計で作り直して、間違えた青色申告書には共済協賛金の部分を赤ペンで丸をして「確定申告の雑所得に加える」とメモ書きした。
 そして、確定申告の入力を始めた。

 ここで、旦那から「晩御飯だよー」とハングアウトで呼ばれる。
 んじゃ、降りなきゃなと思って、ハッと気づいた。
「共済協賛金、通帳に入れたお金だから、行削除しちゃったら、通帳の金額が合わなくなっちゃうじゃん!!」
 これはまずい。
 通帳の金額が合わなくなると、全てを忘れた来年の申告時期に「なんでこんな数値なんだ」と死ぬほど悩み苦しむことになる。
 だめだ、だめだ。今直さなきゃ。
 でも、今直すと言ったって、やりはじめたら30分から1時間はかかる。
 正しいのは、もう一度弥生会計に共済協賛金を入力して、勘定項目を「事業主借」にして青色申告をやり直すことだ。
 確定申告も、戻ってやり直しだ。
 とりあえずメモ帳に「青色申告やり直し 共済協賛金入れる」と書きなぐった。

 うちは、ご飯、風呂、イトオテルミー、寝る、という流れになっているので、続きは一度寝て、起きてからになった。

 午前3時に起きる。もう悠長にしていられない。
 弥生会計に共済協賛金を入れ、「事業主借り」の勘定項目にした。
 そして、青色申告書を見たら、貸借対照表の通帳残額も正確に直っていた。プリントアウトする。
 この控えを元に、確定申告をキャンセルして、国税庁の青色申告を作り直す。
 実を言えば、まだ不動産は事業規模(戸建てなら5軒、アパートなら10戸)まで行ってないので、青色申告にしなくても申告はできるし、貸借対照表も出す必要は今の所は無いのだが、この先は可能性があるので、その時になって路頭に暮れても困るので、今からキチンとやっておく。
 というか、昨年の申告まで、自分は65万円控除できるものだとずっと誤解していたのだった。自分はまだ事業規模の不動産経営ではないので10万円控除までしかできないと、昨年やっと気付き、5年分の修正申告と延滞金の支払い義務があることを知った。それに気づいたのは3月だったか4月頃だったので、慌てて税務署に行ったら、「自主申告の場合は3年までの修正申告ですし、延滞金の割合も低く抑えられますよ」とのことだった。
とは言え、かなりの予想外の納税となった。そしてこれと連動して、給料から天引きされる住民税も3か月ほど倍額になって、カツカツの生活となってしまった。
 という訳で、ずっと青色申告をする習慣はできているので、今更止める気などない。それよりも早く65万円控除が堂々とできる高みに行きたいと奮起するためにも、今から困らないようにこの習慣は続けていく。

5 地震保険の置き場所

国税庁HPの青色申告を、弥生会計で打ち出した青色申告書を見ながら、もう一度打ち直していく。今度は青色申告の収入は純粋に家賃だけだし、貸借対照表の通帳欄も正確だ。

災害協賛金は、確定申告書の雑収入の欄に入力。うんうん順調。
さて、収入項目は後は源泉徴収票を見ながらの入力だな。うちのところはまだ税務署にデータを送っていないみたいで、データ入力はできなかった。

源泉徴収票分の入力を終え、次は「地震保険料控除を確認」と目立つ色が申告書についている。
地震保険料、地震保険料……あれ!?
ええっと……。今年確か、青色申告の「損害保険料」のとこに入れたような!な!
確定申告書の「地震保険料控除を確認」の文字をクリックすると画面が展開した。

画面には、「全労災」という文字が。

私、昨年この項目に入力してたんじゃん!
うわー、すっかり忘れてた!
ってことはぁ…… また青色申告書き直しかよ!
→ふりだしに戻る

6 セーフ


書きかけの確定申告をキャンセルし、弥生会計から「損害保険料」の項目を削除する。そしてまた、弥生会計から青色申告を作り直し、それを見ながら国税庁の青色申告を作り直し、また確定申告の入力をし直した。
今回は一体何回、青色申告書を作り直したんだろう。毎年やっているのにバカですか私。
そう言えば、話は変わるが、今年1つありがたいことがあった。
私は赤十字の本部に直接募金をしているのだが、募金控除の項目が、今までは「地元の赤十字」か「その他の団体」かに別れていて、結局「その他の団体」に入れていたのだが、今回の分類から、本部に直接入金している私でも「赤十字に寄付」を選べば良くなった。分かりやすくなっていてこれは良い改善だと思った。
確定申告は、1つの団体(国)のソフトであるから、改善のスピードも早い。年々便利になっていく。
地方税も様式を統一して、できるだけコストをかけないようにしていく方針のようだが、早く進んで欲しいものだと思う。
何はともあれ、3月13日(日)午前7時台、確定申告はなんとか無事送信することができた。
医療控除は、240万の修繕費と、8割に落ちた給料をもってしても、所得が200万円を切ることはなく(200数十万円くらいというこれまたある意味惜しい数値)、今年も申告できなかった。
ただ、久しぶりに大きな修繕費と給与減額の結果か、還付を受けられることになった。
昨年は修正申告がけっこうキツかったので、これは素直にありがたいと思った。
何はともあれ、年を開けると確定申告が終わるまではソワソワして落ち着かない。今年はギリギリに近かったが、何とか期間内に申告することができて良かった。

7 まとめ


来年に向けて、自分の備忘録も兼ねて、やるべきこと、どうやってやるかをまとめてみた。
■事前準備

 ・プリンターインクは純正のものに変えておく。非純正のインクだと、経年劣化が激しく、ひどい色合いになってイラッとくるので。

 ・弥生会計の端数計算をチェックする。「切り上げ」になっていたら「切り捨て」にする。

 ・減価償却費の期首残高が合ってない場合は、直せるので直しておく。

■青色申告

 ・地震保険でもらったお金は「事業主借」に仕分けする。(後で申告書に「雑所得」で計上する)

  理由:国税庁の不動産用青色申告書の入力欄には「賃貸収入」と「礼金・敷金・更新料」の欄しかなく、他の収入が書き込めないため。

 ・地震保険をかけている金額は、青色申告の「損害保険料」には入れない。

  理由:確定申告書に「地震保険」を入力する項目があるため

■確定申告

 ・雑所得(災害でおりた保険)は確定申告欄に入力する。

 ・地震保険(天引きでかけてる保険金額の1年分の合計)の項目も、確定申告欄に入力する。


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