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第2回 大舞台での経験-2024ver.-

 こんにちは、タルコン(@doratarukon)です。前回の記事から3年半が経ってしまいました。その間与田政権から立浪政権へと移り、チーム体制は大きく変わりましたが、チーム状況は今もなお低迷が続いており、変化を見せていないと言った所でしょうか(もしかして酷くなっているのか…)。

 前回(第1回)はドラゴンズとクライマックスシリーズ(以後、CSと表現)、日本シリーズ(以後、日本Sと表現)に着目し、2020年時点での各球団のCS/日本S出場選手在籍数の割合を示してドラゴンズはどういう立ち位置に居たのか。また2021年時点で、そんな「大舞台」を経験した当時ドラゴンズに在籍した12選手のポストシーズン全データを示し、紐解いていきました。

 今回はそんな前回記事のアップデート版、いわゆる2024年バージョンとなります。活発なトレード・現役ドラフト導入など他球団含め、選手の入れ替え・状況が大きく変化し、活発化してきました。4シーズンでどういう変化が見えるのか、前回同様の形式で紐解いていきたいと思いますので、宜しければ前回(第1回)記事を先に読んで頂き、こちらの記事に来ていただくと良いと思います。

 のんびりのびのびと自分なりに述べていきたいと思います。こういうデータもあるのか。そのように気楽に読んで頂ければ、私としても嬉しいです。それでは参りましょう!


1…12球団で最も、、、

 2024年シーズンも交流戦前までやって来ました。皆さんもご存知の通り、ドラゴンズは昨年(2023年)もBクラスに陥ってしまいました。更には2年連続最下位という、球団史上初の非常にまずい記録を打ち立ててしまい、歴史的な低迷となっている現状にあります。そんなことはさておき(さて置けないですが…)、この為ドラゴンズが最後にAクラス入りし、CSで戦った(2020年もAクラス入りしているが、新型コロナウイルスの影響によりCS中止の為、除外)のは、2012年。日本Sに至っては2011年まで遡ります。

これを他の11球団と比較してみましょう。以下がその詳細となります。

【各球団の最後のCS/日本S出場年】
※2023シーズン終了時点
※左がCS、右が日本S
※太字は12球団で最も遠ざかっているチームを指す
(セ・リーグ)
阪神  …2023年/2023年
広島  …2023年/2018年
横浜  …2023年/2017年
ヤクルト…2022年/2022年
巨人  …2021年/2020年
中日  …2012年/2011年

(パ・リーグ)
オリックス…2023年/2023年
ロッテ  …2023年/2010年
SB   …2023年/2020年
西武   …2022年/2008年
楽天   …2021年/2013年
日ハム  …2018年/2016年

もう皆さん、何が言いたいかお分かりだと思いますし、ご存じの方も殆どでしょう。現在、中日ドラゴンズは12球団においてCSから最も遠ざかっている球団だという事です。CSが導入された2007年から6年連続の出場を果たし、CS通算の勝率では6割を超える(22勝14敗1分 .611)チームですが、近年では苦しいシーズンが続いており、出場から遠ざかっているのが現状です。更に次のデータを見てください。

【各球団のCS/日本S出場経験者数】
※2024シーズン開幕前時点の成績から算出
※左:出場経験選手数 右:在籍選手数(2024/5/24時点)
※支配下選手のみの算出(2024/5/24時点)
(セ・リーグ)
阪神  …39人/66人(59.1%)
広島  …28人/68人(41.2%)
横浜  …35人/66人(53.0%)
巨人  …28人/67人(41.8%)
ヤクルト…34人/68人(50.0%)
中日  …14人/68人(20.6%)
(パ・リーグ)
オリックス…40人/67人(59.7%)
ロッテ  …42人/66人(63.6%)
SB   …39人/65人(60.0%)
楽天   …23人/65人(35.4%)
西武   …23人/64人(35.9%)
日ハム  …16人/67人(23.9%)

 以上のデータは、2024シーズン開幕前の各球団の成績から、CS又は日本Sに出場経験のある支配下選手が2024年5月24日時点で、どれだけ球団に在籍しているのかを示したものです。もちろん最後に出場した年が遠ければ遠いほど自然と人数は少なくなることが分かるかと思います。我がドラゴンズは、人数・パーセンテージ共に12球団中12位(最下位)。経験者は支配下登録選手の約5分の1に留まっています。
 以上を踏まえて私が思うのは、CS・日本Sというものは、やはりレギュラーシーズンの試合とは全くもって別物だと思いますし、記事の題にも記した通り、その「大舞台」での経験というものは後々チームに与える影響というものも物凄くデカいのではないかと思います。そうした経験者がチームにどれだけいるのか、終盤の首位ないしはAクラス争いにおいてどれだけ強みになるのか、頼もしくなるのか、経験者が多ければ多いほどチームに良いスパイスを与え、「大舞台」に強いチームが形作られていくではないかと考えます。

 実際にもドラゴンズに在籍する清水達也投手は、自身が代表入りした侍ジャパンの経験(アジアプロ野球チャンピオンシップ)と関連して、以前にこのような発言をしています。抜粋します。

シーズンオフに開催されたアジアプロ野球チャンピオンシップでは、第3戦の最終回に打者3人を2奪三振に抑えて優勝に貢献した。
「本当に楽しい時間でしたし、最後は優勝という形で終われて本当に行って良かった。(ドラゴンズでは)ポストシーズンの戦いを一度も経験していない、ジャパンの試合は1試合1試合がポストシーズンの感覚で負けられない戦い。そこで勝ったときの達成感があった。それを味わいたい。『清水が投げれば大丈夫』『7回まで頑張れば勝ち』と思われるようなピッチャーになりたい。」と語った。

(引用)清水達也 逆転被弾のシーズン開幕から日本代表へ至るまでに迫る

 清水投手にとって、侍ジャパンでの国際試合の経験は、ポストシーズンならではの独特な経験と達成感を味わえたと語られていました。「大舞台」の経験こそチームにとって非常に大きな意味を持つことが伺えると思います。

 ここまでは12球団比較を行ってきましたが、ここからはそんな「大舞台」を経験したドラゴンズ在籍の14選手1人1人に着目して、冒頭にCS/・日本Sでの成績を挙げながら紐解いていくことにしましょう。長編に渡りますので、無理なさらず、お時間の許す限りご覧ください。

2…ルーキーイヤーの経験-田島慎二投手-

【田島投手のポストシーズン全成績】

 1人目は田島慎二投手です。田島投手がポストシーズンに出場したのはドラゴンズの最後のCS出場となった2012年。また、田島投手にとってルーキーイヤーでした。
 計6試合に登板し防御率は5点を超えていますが、3Hとルーキーながら、申し分ない成績を収めています。ポストシーズン初登板となったCSファーストステージ第1戦、先発中田賢一投手からバトンを受け、2番手での登板となりましたが、1イニング目は三者凡退。回跨ぎとなった7回に当時ヤクルト在籍のバレンティン選手に本塁打を浴び、後続にも出塁を許した1死1.2塁の場面で降板。代わった浅尾投手が凌ぎ、ホールドが付いています。
 改めて思うのは田島投手はこの年56試合に登板し5勝3敗。防御率は1.15と即戦力としてチームのCS出場に大きく貢献しており、非常にタフな印象を受けます。その後のシーズンでも16年には現在のセ・リーグ記録である開幕31試合連続無失点、17年にはリーグ2位の34セーブ(1位は阪神ドリス投手で37セーブ)を記録し、皆さんご存じ「タジ魔人」の愛称で活躍しました。20年には右肘のトミー・ジョン手術を受け一時離脱しましたが、ここまで積み上げてきた登板数は460。ドラゴンズの歴代では10位の記録となっています。培ってきた登板数に、痺れる場面での経験。低迷期を支えてきた田島投手の力が優勝・Aクラス入りには必要不可欠です。タジ魔人復活だ!

3…豊富な経験得て背中で紡ぐ-涌井秀章投手-

【涌井投手のポストシーズン全成績】

 2人目は涌井秀章投手です。2022年オフ。阿部寿樹内野手との交換トレード。当時は賛否を呼びましたが、低迷するドラゴンズにとって、ポストシーズン-「大舞台」-を知り尽くした非常に頼もしい男がやって来たのです。通算では13試合の登板、防御率は何と驚異の1.82。大舞台での強心臓ぶりが伺えます。初登板はプロ4年目の2008年シーズン。レギュラーシーズン3年連続二桁勝利で迎えた同CSでは初戦から先発登板。見事に白星を挙げ、中4日で再び先発。ここでも好投に応え、見事に同シリーズのMVPに輝きました。涌井投手の躍動は日本Sでも続き、初戦に先発し勝利投手に。第7戦では中2日で中継ぎ登板。大車輪の活躍で見事チームの日本一に貢献しました。以降の年もポストシーズンでの登板を重ね、現在に至ります。マウンドでは表情を見せる事無く、淡々と投げ切るポーカーフェイスを貫く涌井投手。その背中を見て大野投手や柳投手など後輩投手へと、想いや姿勢が紡がれているはずです。今もなお年々進化を遂げている涌井投手のドラゴンズとしての「大舞台」での頼もしいピッチング、待ち遠しい限りです。果てなく輝け!

4…エースに繋がるCSでの1勝-大野雄大投手-

【大野投手のポストシーズン全成績】

 3人目は大野雄大投手です。プロ2年目の2012年に経験しています。勝手ながらもっと投げていて勝っているイメージでしたが、通算では2試合の登板で、初登板はCSファイナルステージの初戦を任される形での先発登板でした。首脳陣の期待に応える形で5回2/3を自責点1で切り抜け、見事にポストシーズンでのプロ初勝利を手にしています。大野投手は2010年ドラフト入団である為、ドラゴンズの生え抜き投手で唯一ドラゴンズの優勝を知っている投手でもあります。ルーキーイヤーの2011年10月14日対ジャイアンツ戦。優勝マジック2が灯る中、当時の落合博満監督は大野雄大を先発投手として抜擢。これが何とプロ初登板。プロ第一歩目から痺れる場面での登板でした。その後のシーズンでも、3年連続の二桁勝利・ノーヒットノーラン・沢村賞受賞などまさに「エース」としてチームを支え続けてきました。もはや説明不要だと思います。しかし昨年、左肘手術の影響で「エース大野雄大」は不在。そんな中、後輩先発陣のインタビューでは「手本」「見習いたい」「一緒にローテを回りたい」として「大野雄大」投手の名前が多く聞かれた印象がありました。若手の大野投手がCSで掴んだ1勝の経験は、大野投手を「エース」へと導き、やがてベテランとして次世代のエースを創り上げ繋げていく。
 2020年シーズン。11月5日の試合で、8年ぶりのAクラス入りを自らの白星で手繰り寄せた試合後のヒーローインタビューでの大野投手の発言。以下に抜粋しますが、ずっとずっとファンの皆さんの印象にも残っていると思います。

「僕が入団してからほぼBクラスだったんで、本当にこのAクラスを掴むまで長かったです。本当にファンの皆さんには悔しい思いばかりさせていたので、何とか弱いドラゴンズは今年で終わらせて、来年からは本当に優勝を目指せるようなチーム創りを今年せなあかんと思ってたんで、今年に関してはCSも無いですけど、僕らにしたらそんな事関係なくて、ホンマに長かった7年Bクラスというのを、終わらせないといけないという気持ちで皆やってましたし、こんな年にAクラス入って喜んでる場合じゃないって思われるかもしれないですけど、でもそれは選手とファンの皆さんはそうじゃなくて、ここ目指して必死にやってきた7年間やったと思うんで、めちゃくちゃ嬉しいです」

(引用)「Aクラスを目指して必死にやってきた7年間」【大野雄・一問一答】中日スポーツ

ドラゴンズを愛する大野雄大投手とやっぱり優勝したいです…。俺たちは大野雄大と優勝したい!

5…新天地で雄々しく輝け-梅野雄吾投手-

【梅野投手のポストシーズン全成績】

 4人目は梅野雄吾投手です。昨シーズンオフ、第2回現役ドラフトでヤクルトスワローズから移籍。梅野投手はプロ2年目の2018年、2度の登板実績があります。何れも0に抑えており、この翌年のレギュラーシーズンではチーム最多の68試合に登板。28ホールドはこの年セ・リーグ4位(日本人選手ではTOP)の記録で、ヤクルトの中継ぎ陣を支えました。昨シーズンは僅か5試合の登板に終わりましたが、舞い込んできたのは現役ドラフトに伴う新天地ドラゴンズへの移籍。まだまだ25歳と若いですし、昨年の細川選手と同様に新しいステージで大きく羽ばたいて欲しいと思いますし、強力なドラゴンズの中継ぎ陣に更に厚みを加えて欲しいと思います。羽ばたけ輝け梅野!

6…貴重な左腕 17年の大経験-砂田毅樹投手-

【砂田投手のポストシーズン全成績】

 5人目は砂田毅樹投手です。こちらも涌井投手と同様、2022年オフ。京田陽太内野手との交換トレード。この砂田投手も2017年、当時在籍していたDeNAでリーグ史上初の3位からの日本シリーズ出場を決めた立役者とも言える活躍をしており、「下剋上」から「大舞台」を経験した選手でもあります。
 元々砂田投手は育成選手として入団し、2年弱の期間を経て支配下登録を勝ち取りました。2017-18年に2年連続60試合以上登板を達成し、貴重なサウスポーとして腕を振ってきました。ポストシーズンでは2017年、チームが戦ったCS/日本Sの全14試合中8試合に登板。回の頭からは勿論、時にイニング途中やイニング跨ぎなど様々な起用法に応えました。
 現在ドラゴンズの投手陣は盤石とは言え、課題の1つに左腕不足が挙げられています。昨シーズン途中トレードで加入した齋藤投手、OP戦で結果を残し、ここまで2勝の橋本投手、他にも福投手や福島投手などが期待されていますが、2軍での暮らしが続いている砂田投手にも大きく期待しています。再び下剋上!這い上がれ!

7…大舞台を経て帰ってきた-加藤匠馬捕手-

【加藤捕手のポストシーズン全成績】

 6人目は加藤匠馬捕手です。当時ドラゴンズに在籍していた加藤捕手は2021年途中、加藤翔平外野手とのトレードでロッテへ移籍。移籍したシーズンにポストシーズンを経験しています。そんな加藤捕手は、ドラゴンズの現役捕手で唯一ポストシーズンを知っている捕手でもあります。2021年、チームが戦ったCS全5試合に出場。佐々木朗希ともバッテリーを組んだ経験があります。
 キャッチャーは「グラウンド内の監督」や「司令塔」という位置づけがされますが、現役ドラゴンズ捕手陣にとって、加藤捕手の経験は唯一無二です。見惚れる強肩を武器に躍動してもらいたいです。そして、もう少し打ってくれ!

8…大舞台でもSHO TIME健在-中田翔選手-

【中田選手のポストシーズン全成績】

 7人目は中田翔選手です。2023年オフ。我々に衝撃と心動く、ビックニュースが飛び込んできました。「中田翔 中日入団」打っては10年連続100安打以上・3度の打点王、守っても5度のゴールデングラブ賞。低迷の原因となっている打撃陣の得点力不足解消に、一筋の光が舞い込んできた瞬間でした。その中田選手はポストシーズンでの経験は豊富。計42試合に出場し、打率.250(140-35 25打点.9HR)の成績を残しています。注目は2014年と2016年のポストシーズン。前者では9試合に出場。ここで当時NPBのポストシーズンでは新記録となる4試合連続本塁打を記録。後者のシーズンでは、打率.289(38-11 10打点.3HR)の成績を残し、CSのMVP、更には日本Sの優秀選手賞を受賞。チームの日本一に中心選手として大きく貢献しました。流石の中田翔、流石の大将。大舞台でもSHO TIMEは健在です。
 頼もしい中田選手、立浪監督は4番で起用し続ける旨の発言をしており、基本的に「4番ファースト中田翔」での起用が続くと見られます。ようやくチームの軸となる選手が出来つつあります。その前後を打つ打者も非常に重要であり、更にはポジションが被るビシエド選手の行方も気になる所です。注目していきましょう。終わらないSHOW TIME!

9…全てを知り尽くす頼れる男-中島宏之選手-

【中島選手のポストシーズン全成績】

 8人目は中島宏之選手です。上記の表を見ての通りです。まさに題の通り、もうポストシーズンの全てを知り尽くしています…笑。初出場は2004年。落合監督初年度、死闘となったあの中日-西武の日本Sにも対戦相手として出場しています。2008年のポストシーズンではチームが戦った全12試合に出場し、その内10試合でヒットを放ちました。前述した、当時の同僚涌井投手がこの年のCSでMVPを獲得したという記述をしましたが、中島選手はこの年の日本Sの優秀選手賞を受賞。同シリーズで輝いた両選手が巡り巡って再び同じチームのユニフォームに袖を通し、戦う。こんな素敵な事を誰が予想出来たでしょうか。再び揃って躍動してもらいたいです。
 立浪監督はここまで主に「代打の切り札」として起用しています。OP戦でもチャンスの場面で登場し、確実にランナーを返す打撃を何度も見ました。恐怖の代打として心から期待しています(かつての代打小笠原道大時のような!)。まずはシーズン初ヒットを!

10…竜を支えるヒーローに-山本泰寛選手-

【山本選手のポストシーズン全成績】

 9人目は山本泰寛選手です。2023年オフ。在籍していた阪神タイガースから戦力外通告を受け、ドラゴンズにやって来ました。巨人ー阪神ー中日の3球団を渡り歩いてきたのはプロ野球の歴史の中でも山本選手だけです。伝統のある3球団でもありますが、過去に8試合の出場経験があります。
 内野の全ポジションを守るという事もあり、ユーティリティープレーヤーとして期待されていると思います。ここまで、守備では物凄い守備力を発揮していると思いますし、打撃でも、巧みな右打ちと期待感の強い場面が見られています。頭から出る選手が目立ちがちではありますが、個人的にはこういった選手の役割・重要性は非常に高いと思います。ドラゴンズを様々な場面で支えるヒーローになって欲しいです。鼓舞し、支えてくれ!

11…驚異の打率「大舞台」でも健在-大島洋平選手-

【大島選手のポストシーズン全成績】

 10人目は大島洋平選手です。題にも記したように見て頂きたいのは「打率」で、なんと3割4分4厘!!もうこの男は何者なんでしょうか(笑)、とにかく頼もしすぎますし、神様のようです。28試合のうち21試合でヒットを放っており、現在ポストシーズン9試合連続安打中です。また三振も少なく、四球も選べ、出塁率も見込める打者で、本当に「凄い」という言葉しか見当たりません…。初出場は2010年のルーキーイヤーで、CSファイナルステージ第3戦で代打で登場。見事にヒットを放ちこれがポストシーズン初打席初安打となりました。日本Sではチームとしての日本一は叶わなかったものの、第4戦では3-3の同点で迎えた延長11回に決勝点となるタイムリースリーベースを放つなどし、この年のCS/日本Sでは全試合でヒットと、打率.393(28-11 5打点)の高打率で、日本Sでは優秀選手賞を受賞しました。また2012年のCSでも全試合に出場し、全試合でヒットを放ち、9試合連続安打。打率.429(42-18 4打点1HR)と「大舞台」でも関係なしのまさにレギュラーシーズンの大島選手らしい活躍をしてくれていたのが分かりますね。
 そんな大島選手も39歳を迎えるシーズン。昨年はセンターの守備位置からレフトへと移り、岡林選手の台頭、2024年OP戦では三好選手がアピールを続け、世代交代の時期に差し掛かっています。当たり前のようにスタメンに名を連ねていた大島選手の名が見られなくなる寂しさと、若い力が出てきた嬉しさが混じり、非常に複雑な気持ちです。
 ですがまだまだ大島選手には頼りたいので、チームがポストシーズンに出場した際には「竜の安打製造機」として過去の経験と共に、チームを引っ張っていって欲しいです。まだまだ頼りたい!

12…3拍子揃いのスター候補-上林誠知選手-

【上林選手のポストシーズン全成績】

 11人目は上林誠知選手です。2023年オフ。在籍していたソフトバンクホークスから戦力外通告を受け、ドラゴンズにやって来ました。まさにソフトバンクの黄金期、4年連続日本一の2017-2020年シーズンにおいて出場経験があります。上林選手で印象深いのは、2017年シーズン。選手層の厚いソフトバンクでレギュラーを掴みました。極めつけは翌年2018年シーズン。レギュラーシーズンで22本のHRを放ち、全試合出場。ポストシーズンに入っても、CSファイナルステージ第3戦ではあと一歩でCS史上初のサイクルヒットとなる3安打6打点1HRの大活躍。ちなみにこの6打点は、ポストシーズンにおける1試合最多打点のタイ記録でもあります。このままスター街道一直線かに思われましたが、上林選手は度重なるケガに泣き、現在に至ります。
 厳しい事を言うのであれば、やはり活躍し続ける選手というのは身体が強く・ケガをしないというのが共通項です。強いチームの野球を知る上林選手の経験や力はドラゴンズにとって、非常に大きな意味を持ちます。個人的にはスタメンでどんどん起用していくべき選手だと思います。走攻守全ての面で躍動する上林選手を見たいです。竜のスターとなれ!

13…衝撃HRデビュー、攻守で魅せる‐加藤翔平選手‐

【加藤選手のポストシーズン全成績】

 12人目は加藤翔平選手です。ポストシーズンの成績はロッテ時代のものになります。やはり加藤選手とポストシーズンと言えばあれしかありません。13年のCSファーストステージ第1戦です。この年がルーキーイヤーであった加藤選手は、レギュラーシーズン5/12の楽天戦でプロ初出場初スタメンを果たすと、プロ初打席で初球をホームラン。初打席初安打初打点初本塁打はプロ野球史上54人目。それが初球ホームランに限ると、7人目。さらに新人野手に限れば初と、史上初の新人野手初打席初球初ホームランを記録し、ド派手なデビューを飾りました(この試合では猛打賞も記録しています)。勢いそのままに迎えたCS。ポストシーズン初打席で3ランホームランを放ち、レギュラーシーズンとポストシーズンでの初打席初本塁打達成というプロ野球史上初の快挙となりました。しかし、まだまだ翔タイムは続きます。忘れてはいけないのは、ドラゴンズに移籍しての初打席。神宮球場のヤクルト戦で移籍後初打席初球初ホームランを記録しました。ロッテ・中日と2球団での初打席初球初ホームランはプロ野球史上初の出来事でもあります。凄すぎとしか言いようがありませんね。ちなみに大学時代の4年次の大学選手権でも初打席でホームランを記録しており、もう何なんですかね、意識している部分があるんでしょうか。していたとしても凄いですが…。こうもなると移籍後のポストシーズン初打席なんかも今の内から期待しておこうと思います。まずは1軍で見たい!

14…驚きの爆肩、陰で支える-後藤駿太選手-

【後藤選手のポストシーズン全成績】

 13人目は後藤駿太選手です。ポストシーズンの成績は移籍前のオリックス時代。プロ4年目の2014年のモノになります。この年のレギュラーシーズンでは当時のキャリアハイとなる127試合に出場打率はキャリア最多の.280(246-69)を記録チーム6年ぶりのCS出場に大きく貢献しました。後藤選手と言えば守備のイメージが大きいと思われがちですが、元々打撃でも数字を残している選手でもあります。今シーズン開幕前も後藤選手の起用法を巡って、様々な賛否の意見が見られました。守備は文句無しです。これからも起用された場面でプレーする後藤選手を応援するだけだと思います。レギュラーシーズンは勿論、ポストシーズンでも、守備での躍動と、時にスカッと気持ち良くバットで結果を残す後藤選手を見たいです。与えられた場面で「決めろ駿太」!

15…チームの主軸,竜を担え-細川成也選手-

【細川選手のポストシーズン全成績】

 最後は細川成也選手です。ポストシーズンでは9試合に出場。これは移籍前、DeNA時代のモノになります。2017年のDeNAは前述した通り、3位から日本シリーズ出場を決めた球団史に残るシーズンとなりましたが、細川選手にとっても記録にも記憶にも残るシーズンとなりました。この年ルーキーイヤーで挑んだ細川選手は、開幕は惜しくも2軍スタート。しかし、ファームではフレッシュオールスター出場や高卒新人で二桁本塁打(10本)を記録するなどしてアピールを重ね、シーズン終盤の10月に1軍昇格を手にしました。そして迎えた1軍初出場は10月3日。ドラゴンズファンの方で覚えている方、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。横浜スタジアムで行われた対戦相手は中日ドラゴンズ。「5番ライト」でスタメン出場し、チャンスで迎えたプロ初打席。当時ドラゴンズに在籍していた笠原祥太郎投手から、バックスクリーン直撃となるどデカい3ランHRを放ちました。これがプロ初打席・初安打・初本塁打・初打点・初得点となり、衝撃で強烈なデビューを果たしました。更には翌日にも2試合連続となるHRを放ち、デビュー戦から2試合連続HRを放った高卒新人選手としてNPB史上初の記録を打ち立てました。まだまだ終わらないのが細川選手で、その後のポストシーズンでもCSでは安打と打点を記録し、これ(CSで高卒新人選手が安打・打点を記録)も、チーム史上初・NPB史上2人目となりました。勢いそのまま迎えた日本Sでも、セリーグでは中日ドラゴンズ立浪和義選手以来29年ぶりとなる高卒新人選手の日本S出場を果たし、まさに記録尽くしのシーズンとなりました。その6年後のオフ、初の試みとなった現役ドラフトでドラゴンズへとやって来る訳ですが、DeNA時代からドラゴンズの選手からの記念HRや、立浪監督以来の記録を打ち立てるなど、何かとドラゴンズと繋がっている気がして、細川成也はもう、ドラゴンズでプレーし、活躍する運命だったかもしれません笑。その後の活躍は説明不要でしょう。
 今季開幕直後は不振に陥りましたが、現在打撃主要3タイトル(打率,HR,打点)で、全てTOP3入りしています(2024年5月26日現在)。実質2年目のシーズンとも言える中、今年は中田翔選手の前後を打ち、どんどんHRと打点を稼いで欲しいです。勿論「大舞台」でのド派手な活躍も期待しています。どこまでも飛ばせ細川!

16…まとめ

【チームとして】
・ドラゴンズは12球団で最もCSから遠ざかっている
・ドラゴンズは12球団で2番目に日本Sから遠ざかっている

【個人として】
・ドラゴンズの現役選手で、CS/日本S経験者は14人(12球団最少)
・ドラゴンズの現役生え抜き選手で、リーグ優勝を知るのは大島.大野だけ

タルコン調べ

 今回はドラゴンズとポストシーズンに関してのお話をしてきました。ドラゴンズには現在14選手のポストシーズン経験者が在籍しており、1人1人細かく見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。今季ドラゴンズはここまで一時首位浮上となる躍進を遂げました。1年でも早くポストシーズンで戦える強いドラゴンズが訪れる事を願って、応援していきたいですね。感想等ありましたら、下部よりコメントお願い致します(次回以降の参考にさせて頂きます)。長々だらだらとしてしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。宜しければ「スキ」押して頂けると嬉しいです。それではまた次回!


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