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【2018年冬コミ(C95)】カップリング表記ランキング(速報版)

こんにちは。毎夏冬恒例、カップリング表記統計の時間です。もういくつ寝ると冬コミ。という時期になりましたので、速報ベースではありますがC95のカップリング表記事情を集計してみました。

■調査方法

いつも通り、コミケカタログのサークルカット(34,850枚)から目視でカップリング表記を抜き出して集計しています。現時点での調査時間はだいたい110時間くらい。普段の調査は
①コミケWebカタログで目視調査
②Web版で見にくい文字を冊子版カタログで確認
③ググっても意味がわからない表記を実際に現地(コミケ)に行って調べる
④米沢嘉博記念図書館でコミケの見本誌を調査する
というステップで行っていますが、今は①②まで時点のデータで集計していますのでご了承ください。そういう意味で今回は速報版です。ただ、ランキング上位の作品や表記はググればわかるので、その部分のデータは確定しています。ご安心ください。

■作品別表記数ランキング

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この冬も『刀剣乱舞』がやはり強い。2015年冬から堂々7連覇!これまで調査したなかでの最長政権は1994年夏~1998年夏の9連覇を記録した『SLAM DUNK』でしたが、『刀剣乱舞』は来年にもその伝説に迫る勢いです。直近でも1月には映画も上映されることですし、もし次の夏コミも制覇するようでしたら、謹んで「V8のポーズ」でお迎えしたいと思います。

2位は夏に引き続き『Fate/Grand Order』。刀剣男士の壁は厚かった結果ですが、前回500表記近い差があったところを134表記差までぐぐっと詰めてきました。しかも数の多さだけでなく、内訳が夏までとはかなり変動しています。これまでのFGOカップリングは広く薄い分散傾向にありましたが、今回は突出した組み合わせがいくつか生まれてきています。詳しくは後述しますが、今年はかなり公式が「新しい村を建設しては、突然焼く」を繰り返しており、需要と供給が高いレベルで高速回転している状態です。この高馬力エンジン(いい声の馬は関係ありません)で、夏は『刀剣乱舞』を超えてくるのか、楽しみです。

今回大注目なのが、3位の『名探偵コナン』。4月の映画『ゼロの執行人』、続けて5月に始まった公式二次創作『ゼロのティータイム』効果を背景に、一気に順位を伸ばしてきました。コナンはもう夏コミ時点でもブレイクの兆候は出ていて、「ネクストコナンズヒーント!」→「あかあむ」くらいのテロップが出ていました。しかもこの冬コミ原稿時期にTV版で風見裕也を初登場させてくるなど、公式の確信犯的なムーブも目立ちます。次の映画は少し軸を変えて、キッドと京極を絡めてくるようですので、来年も油断せず行きたいと思います。

■作品別表記増加数ランキング

前回(2018年夏コミ)と比べて増加数の多かった作品ランキングです。つまり今、最も勢いのあるHOTでCOOLな作品たちです。

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『名探偵コナン』の増え方がグレートです。シュワルツェネッガーもびっくりなレベルです。しかも次回の夏コミからは独立ジャンルに。サンデー作品としては初めての独立ジャンルで、今回コミケの歴史に名を刻むことになります。

『Fate/Grand Order』はストーリーが第2部に入り、それがテーマなのか、各章に公式カップリングが配置されています。しかもその後のイベントなどで不意にその二人に言及して、きっちり燃料を投下してくる周到ぶりです。なので今回FGOは新規のカップリングやカップリング表記が多かったんですが、個人的に残念だったのは「パツシィ」を始めとしたヤガ関連のカップリング表記がなかったことです。『ヤガが君になる』みたいな「ヤガ百合」もワンチャンあるかと思いましたが、ノーチャンでした。

3桁増組のラストは『ヒプノシスマイク』。残念ながら作品別ランキングではTOP10に届かず18位タイという結果でしたが、夏コミの1桁から大躍進しました。つい先日「ついに決着・でけえ悶着」した人気投票でもシンジュク・ディビジョンが優勝していましたが、カップリング表記界でも「どひふ・ひふど」がワンツーフィニッシュ。現在のところは名実ともにシンジュク最強の時代と言っていいでしょう。ただ、先日から始まった三作連続コミカライズの波が年末の26日・28日にも待ち構えており、糖質制限ダイエットのような低情報量で生活してきたテリトリーに濃密な設定情報がぶち込まれることは間違いなく、全く余談を許さない状況です。

■カップリング表記ランキング

「カップリング表記」のランキングです。「カップリング」のランキングではありません。表記がどう書かれてるかに注目しています。前回の夏コミは「ヴィク勇」の圧勝でしたが、作品別では『名探偵コナン』に勢いがある今回はどうだったのでしょうか。

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はい、「ヴィク勇」!
「赤安」の猛追を振り切って氷の国の師弟がキス・アンド・クライでイチャイチャパラダイスしています。「赤安」もかなり健闘して順位を上げてきましたが、氷の壁は厚かったですね。

今回はかなり順位の変動がありました。『名探偵コナン』ではエース「赤安」だけでなく、「安コ」「降新」が急上昇。やはり『ゼロの執行人』効果でしょうか。でもたしか安室さんは「恋人はこの国さ!」みたいなこと言ってた気がしましたが、公式と解釈違いですね。危険です。

そして混迷するFGOカップリング界に彗星のように現れた「帝都騎殺」。9位の「龍以」も同じカップリングなのでカップリングランキングにも期待がかかります↓

■カップリングランキング

こちらはカップリング表記をカップリング別に集計したランキングです。

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はい、平成最後の「ヴィク勇」!解散!
これでも夏に比べてかなり減った方ですが、それでも赤安と100表記以上の差があります。ただ赤安も今回+60表記くらい増えてきてるので、ほとんど音沙汰のない『ユーリ!!! on ICE劇場版』の状況次第ではワンチャンあるかもしれません。YOIの公式さんは永田農法もいいですが、来年は劇場版での収穫だけでなく2期や漫画化・舞台化などで二毛作・三毛作も狙っていってほしいところです。
ランキング常連組「兎虎」も今回3位に下がりはしましたが、未だ3桁水準を保っており、とても安定感を感じます。こちらも追加情報がほしいところですね。

そして初登場で堂々4位「帝都騎殺」こと「坂本龍馬×岡田以蔵」ですが、これまで突出した人気のカップリングがなかったFGO界(補足:槍弓・弓槍はstay night)に大きな衝撃をもたらしました。正直あのPV、あんないい声で「ごめんね、以蔵さん」とか言われたら勝ち確ですよね。仕方ない。参りました。ぐだぐだワールドだと思って完全に油断してました。
近年の傾向では、「アニメは尺が制限されてるので少人数の関係性を濃い目に描くことが多く、カップリングランキングに強い」「ソシャゲ系はキャラ数が多いので作品別ランキングでは有利な一方、好みが分散しすぎてカップリングランキングでは不利」という状況が続いていましたが、今回の件は確実に一石を投じてきてると思います。これが今後どう変化していくのか、楽しみです。

■この攻めがヤバい!(2018冬)

そろそろ平成も終わりそうなのでタイトルを変えてみました。
攻めキャラランキングです。

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やはり冬もきた!ヴィクトル・攻めフォロフ!!
今回も「ガチ攻め黄金比」97%をキープしての見事なガチフォロフっぷりです。ここまでくると清々しいですね。そして同じく97%を維持しているバニーもさすがです。「HEROはHとEROからできている」とはよく言ったもので、出会いから7年経ってもバニーの虎徹さん愛は燃え上がっていますね。素晴らしいです。
そして同じく純度の高い攻めを見せているのが「坂本龍馬(FGO)」です。さすがに有名人物だけに『刀剣乱舞』や『遙かなる時空の中で5』などにも同名の攻めキャラがいますが、今回はもちろん区別して集計しています。『FGO』はゲーム内で主人公との絡みが必ずあり、しかもカップリング的に人気なことが多いので攻め受け構成比は分散する傾向にあるのですが、龍馬さんは一途に以蔵さんを攻めてきています。今回もぐだ受けは1表記のみで、残りは全て相方のお竜さんです。やはりこれまでのFGOカップリングとは一線を画していますね。

■この受けがヤバい!(2018冬)

こちらも同じく、受けキャラランキングです。

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ショート受けプログラム1位通過は、やはり勝生勇利!ヴィクトル攻め97%に対していつも6%のギャップがあるのが気になりますが、やはり強い。
そして2位の安室さんはその逆で、赤→安84%に対して安室さんから見ると93%と、受けとしてはガッチリ赤井さんに掴まれてる印象です。
ただその安室さんは攻めランキングにも5位に入る攻め受け両面のダブルフェイスで、4位のコナンくんの相手として攻め安室の姿が見えます。つまりこの攻め受けランキングを総合すると、緋色組の力関係は「赤井秀一>安室透>江戸川コナン」となっていることがわかります。(テストに出ます)

■モブ人気ランキング(2018冬)

こちらは人気のモブランキングではなく、モブ(おじさんとは限りません)に人気があるキャラのランキングです。

1位 ジョーカー(ペルソナ5)  3表記
2位 衛宮士郎(Fate/stay night) 2表記
   坂本龍馬(Fate/Grand Order)2表記
   アーサー(ヘタリア)    2表記
   八代学(僕だけがいない街) 2表記

昨年の冬コミに続いての単独首位。やはり強い「ジョーカー」!
昨年ランキングで初めて見た時はその強さの理由が分かりませんでしたが、今回アニメを見て納得。「言葉」でなく「心」で理解できました。それと士郎は士郎なので仕方ないとして、龍馬さんは攻めでは一途なのに・・・というかんじです。
興味深いのは「八代先生」で、『僕だけがいない街』は今回8表記しかないのに、そのうち2表記が「モブやし」という濃い目の環境となっています。

■今後の予定

年が明けて見本誌の調査が終わり次第、確報版と作品別詳細記事を書く予定です。確報版にはランキングの上位20位まで掲載予定。今回時間の都合でかなり解説で触れられなかった作品やカップリング表記があったので、そのあたりは作品別詳細記事でガッツリ書いていきたいと思います。

それではまた確報版で。よいお年と冬コミを!

■これまでの記事

■同人誌:カップリング表記データブックシリーズ

カップリング表記の歴史がわかる「カップリング表記データブック」シリーズはBOOTHさんで通販しています。(今回の冬コミは不参加です)

■【2018夏新刊】カップリング表記データブックーTypeMー

FGOをはじめ、TYPE-MOONジャンル14年の全カップリング表記データを掲載しています。特にFGOはこれまで観測された392種類のカップリングすべてにコメントを書いてます。


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