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#私が管理本部長だ!

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こんな人たちいっぱいいる!会社の管理側から見た社内の色んな景色を描いた小説『私が管理本部長だ!』をまとめました。成長期の会社にありがちな問題点をバッサバサ切り刻みながらも憎めない…
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#労働基準法

私が管理本部長だ! vol.7.5

中途採用は気が付かない我が社は創業5年目の会社だ。新卒採用など無い。 正確には、社員を一から育てるための決まったフローが社内に存在しないため、「会社に育ててもらおう」と社員入社した人材は決まってガッカリしてすぐに辞めてしまう。 だが逆に、自分から率先して動くタイプは出世するのが早く、即戦力と見られる人材はすぐに会社に馴染んでしまう。 そのため、アルバイトで実務を覚えてから社員登用されることが非常に多いのだが、最近ではそれなりの経験を持った人材が社員として中途採用で入って来

私が管理本部長だ! vol.11

小さな嘘の見抜き方みんな嘘をつく。それは普通のことだ。 だが、一言で『嘘』と言っても色々な嘘がある。 自分の身を守るための嘘。 誰かを庇うための嘘。 自分自身に対する嘘。 ただその中でも、『自分の身を守るための嘘』はとても見抜きやすいものなのだ。 ***** 私の業務は午前中が忙しい。 店舗に何らかの問題があったりすると、当日は誰かしらが取り急ぎの対処をして、私にはその翌日の朝に報告やら根本解決の依頼やらが流れてくるからだ。 そしてその日は、店舗のゴミをルート回収

私が管理本部長だ! vol.10

さらば労働基準法 後編橋間とのやりとりから3日ほど経った頃、阿部取締役から電話があった。 「高良川くん、橋間と結構やりあったんだって?」 ん? 「・・あの、いったい何のことでしょうか?」 本当に心当たりがないが、まさか。。 「そんな隠すほどのことでもないだろう?そりゃあ君は管理本部長と言う立場だから、一度決めたことを変えられるのは面白くないということくらい私にも理解出来るよ」 「・・もしかしたら、伊勢谷くんの件ですか?」 電話の向こう口から、やっぱりなと言わんば

私が管理本部長だ! vol.9

さらば労働基準法 前編私は思ってしまう。 『労働基準法』とは、中小企業や零細企業の利益を一切考えず、従業員一人に対して年間で最大40日間ものサボりを認め、たかだか日が暮れてから仕事をするだけで1.25倍、さらには1.5倍もの賃金を発生させる恐ろしい法律である。 国は、企業には良心が無く、個人には良心があるものと勘違いしている。 昨今、義務を果たさないままに権利の主張ばかりをする人間が増えてきた。そしてその主張は、常に決まって独善的で、自己中心的なものなのだ。 ****