マガジンのカバー画像

#私が管理本部長だ!

19
こんな人たちいっぱいいる!会社の管理側から見た社内の色んな景色を描いた小説『私が管理本部長だ!』をまとめました。成長期の会社にありがちな問題点をバッサバサ切り刻みながらも憎めない…
運営しているクリエイター

#宴会あるある

私が管理本部長だ! vol.16

兵どもが夢の跡 中編の3「高良川さん、あの・・・、岩ちゃんが寝ちゃってですね・・・。全然起きないんです」 エレベーターのすぐ横のところで壁にもたれるように座っていた岩清水は、川島に頬をパチパチと叩かれながらもスヤスヤと穏やかな寝息をたてていた。 堀は川島の後ろでひたすらオロオロしていた。 「僕も運んであげたいんですが・・・浴衣がちょっと、、一応女の子ですし・・・、どうすれば良いのかなって・・」 ああ、なるほど。 岩清水の浴衣は少しはだけていて、不用意に触れるとズルっと

私が管理本部長だ! vol.15

兵どもが夢の跡 中編の2そんな専務のイベントの最中、別のグループでは、舟盛りに使用された舟に日本酒をなみなみと注いで回し飲みをしていた。 その中心には阿部取締役や竹原がいた。 この二人は人に酒を飲ますのが好きだ。 特に阿部取締役はかなりの酒豪で、飲んでも飲んでも滅多に潰れないからタチが悪い。 「なに~、俺の酒が飲めないってのか~」 阿部取締役のこのセリフを今まで何回聞いてきたことだろうか。そして、飲むのを断ろうものなら、 「よし、わかった。じゃあ俺も一緒に飲んでやろ

私が管理本部長だ! vol.14

兵どもが夢の跡 中編の1乾杯が終わるとすぐに、颯爽とした立ち姿の料理長が二人のスタッフを両脇に引き連れて現れた。そして、旅館のマネージャーらしき人が司会さながらマイクでしゃべり始めた。 「本日は当旅館に・・・いただき、誠に・・・がとうございます」 ザワザワ 「・・・は、当旅館料理長の渡部がみなさまの・・・で舟盛りを作らせていただき・・・」 えー!バカじゃねーの~ 「自慢の包丁・・きをご覧になりながら、新潟にしか無い地酒を・・・」 ぎゃはははは! ・・・ああ、酔っ

私が管理本部長だ! vol.13

兵どもが夢の跡 前編の2久しぶりのスキーだったからか、山から下りてきた後には体中がギシギシ言っていた。川島なんかはケロッとしていたが、今日初めてスキーをしたと言う谷と岩清水はかなりグッタリとしていた。 谷には「高良川さん厳しすぎますよ!」と言われたが、スキーは思い切って重心をかけることが出来ないとエッジが効かずに止まることが出来ないので、結構危ない思いをすることになる。 そのため、とくに腰が引けていた谷には、自ずと口調が厳しくなってしまったのだ。 それでもまあとにかく、「