お前はあいつのはじめての男というセリフ サクリファイス/近藤史恵

サクリファイス。自転車競技の奥深さをちょっとしれた気がしました。奥さんが職場の方にオススメされて読んだんですが、そういうイベントがなければ、絶対に手に取らない本だと思います。
どうしても自分が買ってくる本は偏ったお固めの本が多くなってしまうので。

という訳で今回は感想戦です!




 誰が死んでいたのかについて

 ストレートに石尾さんが死んでしまいました。
実社会ではなかなか出会わないタイプでしょうな。周りからは、自分のことしか考えていないタイプに見える。だけど、本当は誰よりも組織のことを考えていて、しかも組織のためになっているという。
なんで、現実には存在しないかというと

実は、こういうことを考えて行動してるんだよ!

などと言って、種明かしが早すぎる人が多い。
仲間に嫌われすぎて、行動が取れなくなる。
そういった人が多いので、石尾さんみたいな動きができる人は実社会にはいないですね。

同調圧力という言葉ありますけど、組織にそういう奴がいると邪魔なんですよね。ということで石尾さんに対する印象は、仕事のポジションによってガラリと変わるのだろうとなと思いました。
石尾さん好き。カッコイイ。カリスマ性があんまり無いように描かれていたので渋くて良かったです。


どの角度から見ても酷いキャラ

 袴田。お前だけは許さん!
恨みを持ってるのも、石尾さんをあんな風にさせたのも、全部こいつのせい。
何も同情出来ません。車椅子ラグビーが嫌いになりそうでした(´・ω・`)w
何も擁護できないし、あれって、ただの殺人じゃないの?
驚くべきクソ男でした。そして思ったのが


恋愛要素は要らなかったんじゃないか

主人公のチカは、幼なじみの子にまだ未練があって、時々思い出しては、胸がギューンってなる描写がありました。
で、石尾さんが死んでしまうきっかけとなったワインボトルがあるんですが、この手渡すイベントが必要で、物語に差し込まなくてはいけなかった。ってのは分かるような分かんないような、要らなかったんじゃないかなって思います。
なんか浮くというか。小説とか漫画で、登場人物がうんちするシーンとか普通は端折るじゃないですか。

そのくらい要らなかった。

ぎゃくにいうと近藤さんはチャリンコの話より恋愛が書きたかったんだろうなと思いました。
これに関しては納得いかないです。
なんで納得いかないかというと

お前はあいつのはじめての男だからな!発言


サクリファイスで1番印象に残った文章になってしまいました。今日日、こんな発言する奴居ないだろうな。今の時代あるとすれば


あいつは俺のはじめての男だ!

これなら違和感ないです。お前はあいつのはじめての男だって発言が凄い気持ちが悪かったです。
みんなそんな感覚なの?よく分からなかったです。
明治大正戦後辺りのお話なら分かるような気もしないでもないですが、よく分からなかったです。
自分の奥さんのはじめての男に恨みを持つって、屈折したピュアさかもしれないが、屈折していたら、それは最早ピュアではないと思いました。

まとめ

恋愛要素がなければもっと楽しめました。しかし、恋愛要素を飛ばして読めない構造になってるので、飛ばせません。色んな価値観あってもいいけど、やっぱり下ネタはどんなに昇華させても下ネタです。

自転車競技の戦略性にもう少し降っても良かった気はするんですけど、戦略性に降ってしまうと、物語から脱落する人がとても多くなる気もするので、うーーーん、いいバランスだったのかもしれないですね🤔

袴田。許さん!

以上です!あざました

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