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相棒のタロット

私がタロットカードを初めて手にしたのは、30年も前のこと。
高校生の時だ。
こう書くと、私もいい年になってきたのだと感じてしまう。

当時の私は、何故かタロットカードの事が気になり、機会があったら手にしたいと考えるようになっていた。
でも、占いグッズが売っている場所なんてどこにあるのかわからない。

かろうじて「タロットカードが売っているだろう」と思っていたのは、地元大阪、梅田のマルビルにある「魔女の家」と言う占いの館ぐらいだった。
ちなみに、魔女の家は未だ健在である。

実際にお店に行ったのだが、あまりにも占いの館らしい独特の空間に仕上がっていて、今の私からは想像もつかないぐらいの、とても内気で奥手な少年だった私には、余りにもハードルが高すぎて、お店の中で怖くなってしまい、雰囲気に飲まれてしまった。

その時は結局、タロットカードを買う勇気が出ず、何とか手にしたのが、タロットカードのカタログみたいな本。
この本を買って帰宅し、不思議なタロットカードが世の中にたくさんあるのだというのを、よくわからずに感じたのだ。

その後しばらくして、梅田のLoftへ行く機会があった。
そこで、タロットカードの展示即売会みたいなものをやっていた。

その日は確かCDを探しに来ていたのだと思う。別段タロットカードを買うつもりではなかったのだが、今にして思えばきっと導かれたのだろう。
その時手にしたのが、このタロットカードである。

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映画007でも取り上げられた、「魔女のタロット」というものだ。

このタロットカード自体は、映画でも取り上げられているので結構知られていて、そこそこメジャーなカードのように思う。

この時に手にしたタロットカードが、私が今占いで使っているタロットカードだ。

それから30年。私は今も、この時手にしたタロットカードを使い続けている。

一つのタロットカードを長い間使い込んでいる方は、きっと世の中に居るのだろうが、あまり私は知らない。それは私自身が元々、占い師さんとは積極的に交流しに行かない人なので、他の占い師さんの事情を知らずに、占いをしてきたと言う事情もある。

最近はこのスタンスでは良くないというのがわかってきたので、少し崩しつつあるが、それでも交流は少ないように思える。

その話はさておき、私は自分のタロットの話をいつか書こうと考えていた。
そう考えていた時に、最近書いてみようと考えたきっかけがあった。

それは先日、占い界でも著名な星マリアさんのnoteで、ご自身がタロットカードを長く使いこまれている話を読んだことだ。

私がこのような方と同列に語る事自体が失礼に値するのだが、同じようにタロットカードを長く使ってる方が居ると知り、とても嬉しく感じたのだ。
ぜひ読んでない方は読んでほしい。占いも出来て、文才もお持ちなのが羨ましくて仕方ないと私はいつも思う。

話は戻るが、最初に手にしたタロットカードで私自身は満足している。
それは、自分が納得して買ったからだ。
この話は今度しようと思うのだが、実はタロットカードを別のものに変えようと考えたことは何度もある。

そのように思い立っては、タロットカードの売り場に足を運んだ。
でも、実際に手にとってみたいデッキ、自分が使ってみたいデッキが見つからないのだ。いくら探しても。

そして結局、いつものタロットカードに戻るのだ。

そんな事が続いて30年。結局、最初のカードに戻っている。
もう、使い込みすぎてびっくりするぐらいカードが古くなっている。
カードが少し剥げているのがわかるだろうか。

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そんなタロットカードを、いつしか私は「相棒」と考えるようになった。

私がタロットカードを持つと、その日の自分自身の調子がわかる。
そして、タロットカードの感覚もわかるし、機嫌もわかったりする。

そして、シャッフルを続けているうちに、お互いの波長が合ってくる。
そのうち、自分と相棒のヒーリングがバチッとはまる。

そしたら、占いが始まるのだ。

そのタイミングが来れば、私は自信を持って占うことが出来る。
お互いに精神統一を図りつつ、息を合わせているのだ。

占っていると、相棒が自分を導いてくれたり、そっぽを向いていたり。
その時その時の表情を見せてくれるが、基本は同じ事を考えながら読み取っていく。この感覚は、長く一緒に居るから分かるのだ。

これは、とても人には説明しにくい部分なのだけれど。

ところが、これが他のカードを使ってみると、なかなかうまく合わない。
いつの間にか、切っても切れない信頼関係が出来ているのだろう。

自分が読めない時は相棒が活躍してくれる。
そして、相棒が調子の出ない時は、私が集中する時。
お互いに助け合いながら、結論を導き出す。
そんな作業をこれまでも続けてきた。

手にした当初、本当にこのカードには迷惑をかけたと思う。
私の過去の話を読めばその一端がわかると思うが、無茶苦茶な状況で占いを続けてきた。
それにも関わらず、一生懸命結果を導いてくれたので感謝しかない。

これからの占いでも、私はこのカードと歩むことになるだろう。
どんな場面が訪れようとも、一緒に歩んでいきたい。

だって、大切な相棒だから。

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