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撮影レンズはなにがおすすめ?後編

前編でズームレンズと単焦点レンズのそれぞれの良さを説明させていただきました。

カメラボディのときもでしたが、レンズに関しても「このレンズがいい!」という正解がありません。ゆるく構えてご覧いただけたらと思います。

ちなみに、「どのくらい距離の長い望遠を使っていますか?」と聞かれることがありますが、600mmのズームレンズを持っていても、案外300mmでガシガシ撮っていることも多いです。

焦点距離 300mm

ズームレンズであろうと単焦点レンズであろうと、300mmはあった方がいいと思います。ファインダーの中に選手を収められていても、焦点距離(〇〇〇mm)が足りないことには、ピントが合いません。球場内のどこの席に座るかということも影響してくるので一概には言えませんがフィールドシート(ペイペイドームでいうところのコカコーラシート)から300mmで撮影したら、このくらいの距離になります。

撮影した写真を少しトリミングしていますが、ピントはきちんと合います。逆に言うと、コカコーラシートからでも300mmだとこのくらいの大きさということです。外野手を撮ろうと思うと少し物足りないかもしれません。

300mmで外野を撮影した場合です。けっこうトリミングしています。ほんとうは隠しておきたい編集なしの元データを恥を忍んで載せますが、ファインダー越しの景色はせいぜいこのくらいの距離です。(牧原選手の写真を例に出していますが、よりによってセカンドではなくレフトだったときの1枚)

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300mmは「ズームレンズ」「単焦点レンズ」2種類使っています。


70mm-300mmズームレンズは試合はもちろん、オフイベントや優勝パレードでもかなり役にたったオールラウンダーです。メーカーによっても表記が様々ですが、300mm以上のレンズを「望遠」としているところも多いので、ちょうど300mmくらいからが遠方を撮ることに長けてきます。短くすると70mmというのも、イベント撮影等では融通が効きやすい焦点距離です。

値段でお察しの通り、300mmの単焦点レンズ(2つめ)は中古車買えちゃう値段です。本職カメラマンから「会社の機材でしか触ったことないのに個人で所有してるの?」と驚かれたのはいい思い出。

焦点距離400mm

野球を撮り始めたころ、はじめに使っていたのが単焦点の400mmでした。

また、自分では持っていませんが、レンタル機材で100mm-400mmでも撮影したことがあります。

先ほどの70mm-300mmズームレンズが5~6万だったことを考えると、途端に値段が跳ね上がります。ただ、やはり「100mm」の差は大きいです。300mmだと選手の全身を撮っていたのが、400mmだと選手のバストアップサイズで撮れたりします。

また、CANONの場合、400mmクラスの望遠レンズからレンズの筒が白く塗装されたものが出てきます。正式名称Lレンズという種類になりますが、見た目が白いので「白レンズ」と呼ばれることが多いです。

撮り始めたころは、見た目がなんかプロっぽいというだけでちょっとドキドキしつつ&実力が伴わない腕にイライラしつつ…だったんですが、白レンズだとAFが非常に早くて正確になってきます。AFとはオートフォーカス、シャッター半押しでピピっとピントを合わせてくれる機能です。スポーツを撮るうえで、このAFの精度が高ければ高いほど、撮影をとても手助けしてくれます。

焦点距離500mm、600mm

いよいよ市販で流通している望遠レンズの最長クラスの登場です。私も、屋外球場のデイゲームでは現在も現役で150mm-600mmを使っています。(屋外球場のデイゲーム、と限定した理由は、レンズのF値を説明する記事で詳しく)

600mmをAPS-Cのカメラに搭載すれば見える視界は960mm。球場のどこの席に居ようとも、だいたい撮ることができる優れものです。焦点距離的な意味で欠点を挙げるとすれば、ヒーローインタビュー等で選手が近くにきたときには、望遠が強すぎて近いのにピントが合いません。ただ、試合を撮るには十分機能を発揮してくれるレンズです。


バックネット寄りの3塁側の席から600mmで撮影したセンターです。実際はもう少しだけ小さく写っていましたが、少しだけトリミングをしてこの1枚になっています。実は若干距離が足りていなくて、写真を大きいサイズで見るとピントが甘々なのがバレバレなんですが、バックネットから外野手までの距離を考えると、このくらいの距離が写せれば球場内での大概のシーンは難なく撮影できるかなと思います。

そして、先ほど載せたAmazon価格を見てもらうと、600mmと聞いて、はじめは価格やばそうだな、と思いませんでしたか…?カメラ機材としては意外と廉価な理由は(普通に見たら高いけど)、サードパーティと呼ばれるSIGMA製のレンズです。CANON純正ではないレンズです。

以前はサードパーティレンズは性能が低いと言われていたこともあったそうですが、最近のレンズは趣味で撮るには十分な性能だと思います。(望遠レンズ以外でも、35mm単焦点でもSIGMAを愛用している私です)

迷ったら一度レンタルしてみる

望遠レンズを購入しようとして店頭で触ってみるとします。一度やってみるとお気づきになるかもしれないですが、ボディを触ってみる実感と違って、家電店でファインダーを覗いても、球場じゃないため距離感に関して実はあまりピンときません。それから、超望遠だと日常的にたくさん売れるレンズではないので、そもそも店頭に在庫がないことも。

10万円を超えてくると、思い切って買ってみるには高い買い物です。

そこで、「レンズ レンタル」で調べると、機材のレンタル会社がたくさん出てきます。ここで気になるレンズを借りて一度球場で撮影してみると、自分にとって合う合わないがより明確になるかと。レンタルも、日割りで計算してもらえたりするので1泊2日レンタルで1試合だけとりあえず借りてみるのもありです。

レンタル料金がそこまで安くはないですが(2~3万くらいが相場)、10万を越えるレンズを買ってしまって自分にとって使いづらいかもしれないリスクを考えると、必要経費だと開き直った私がいました。


せっかく機材について書いてきたので、次回、SDカードと、データを保管する際に気を付けないといけないことを更新しようと思います。

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がんばる選手をキレイに撮りたい!たろ氏の野球撮影note
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