見出し画像

その0:プロローグ

このブログを初めて読んだ方初めまして。ペーパーレスコンサルタントの松崎 太郎 です。この度、私が携わってきた「ペーパーレス」について連載を始めるにあたり、プロローグとして、「ペーパーレスとは何か」について、そして、この連載をしようと思った経緯について、書こうと思います。(本でいうところの「はじめに」にあたると思ってください。)

「ペーパーレス」の定義

皆さんは、「ペーパーレス」という言葉を聞いて、何を連想されますか?
「紙をなくすこと?」「あー、PDFにすることかな」「電子契約とかかな。最近よく聞くよね」などと連想されると思います。

どれも正しいと思うのですが、ここでは、以下の意味で、「ペーパーレス」という言葉を使っていきます。(言葉の定義って大事です。)

ペーパーレス:
〘名〙 (paperless) 書類や文書を電子化して、紙を使わずに伝達・保管・管理する様子。
(出典 精選版 日本国語大辞典)

もう少し平易に言うと「紙を使わずに、情報をやりとりし(伝達)、そのやり取りの記録を保存し(保管)、あとで必要な人が確認できるようにしておく(管理)こと」です。

また、ここでは「会社や組織」つまり仕事をする場合における「ペーパーレス化」について話をしていきます。(もちろん会社以外のところ、たとえば家や学校 などでもペーパーレス化はとても重要ではありますが、またそれは別の機会に。)

「ペーパーレス化」できてないとテレワークできない!?

 そして、ペーパーレス化 という言葉を最近よく聞くようになったかと思います。そう、今この記事を読んでいる人の多くも最近はじめた「テレワーク(在宅勤務)」が関係しています。
 テレワーク(在宅勤務)は、簡単にいうと「オフィスに行かずに業務を行うこと」です。ただ、テレワークでオフィスにいた時にように仕事するのは大変です。
 最近ではこんな記事を見かけたかと思います。

1つ目と2つ目の記事は、「紙」の書類(稟議書だったり契約書」にハンコを押すためだけのために感染リスクを押して出社する会社員がいるという「現実」について書かれている記事。そして3つ目は財務経理部門のテレワークを阻害する要因として「紙の書類の処理」があるということについて書かれた記事です。

いずれも、切り口は違いますが、共通するのは書類や業務の「ペーパーレス化」ができていないために、完全なテレワーク(在宅勤務)が実現できない という話です。

つまり、テレワーク(在宅勤務)を実現するためには書類と業務の「ペーパーレス化」は不可欠なのです。

いまだに低いテレワーク率

ただ、この新型コロナの影響でやっとテレワークが騒がれるようになりましたが、実際どれだけ実施しているのかというと、非常にお寒い結果が出てきました。


大手人材会社の調査によると、7都府県への緊急事態宣言後の全国の正社員のテレワーク(在宅勤務)の実施率が、27・9%だったとのこと。これでも3月の時よりもテレワーク率は倍増しているのだそうで、そして6割以上の方はこれまで通り出勤しているのだそうです。

また、同調査で明らかになったこととしては、会社よりテレワークの推奨や命令がされている会社は、まだ半分にも満たず、何も通達がない会社が、約53%もあるとのことでした。

つまり、この状態になっても会社自体がテレワークができる状態になっていない企業が多く、紙の書類の処理や書面への押印のために出社するという事態を引き起こしてしまっています。

要は、テレワークができないのはいまだに紙の書類の作成・処理とやり取り、管理をベースにした「仕事のやり方」そのものが問題であり、これを根本から変える、すなわち業務と書類の「ペーパーレス化」に一気に舵を取らなければなりません。

「新型コロナ」が変えた空気 
〜「そのうち」から「今すぐ」へ 〜

ただ、テレワーク とかペーパーレス という言葉自体は、以前からありましたし、私も以前役員を務めていた会社(ペーパーロジック株式会社)では、ペーパーレス化のためのソリューションの開発ならびに企画、営業を行っていました。

ただ、多くの企業の反応は、以下のようなものでした。

「ペーパーレスの時代はもうすぐ来ると思うけど、うちはそのうちかな」
「今の仕事をやり方を変えるのは、時間がかかるね。」
「テレワーク、できたらいいけどお金と手間がかかるしね」

前職以外にも多くの会社が「電子契約」「ワークフロー」「オンラインストレージ」など、様々なソリューションを開発・提案してきましたが、多くの会社でテレワークが大きく進むことはありませんでした。

しかし、今回の新型コロナウィルスの騒動で、その空気は一変しました。今までテレワークができるよう準備を進めてきた企業は、問題なくテレワークに移行しましたが、多くの会社は、部分的なテレワーク、そして半数以上の会社はいまだ会社に出勤して仕事をしているという状況です。ただ、この状況が今後も続く可能性は高く、いますぐ仕事のやり方を変えなければ、企業の存亡に関わるという事態に直面しています。

どの業種でもテレワーク可能な業務はあります!

もちろんテレワークのしようがない業務はあります。現場に行って作業をする必要がある職業(飲食業・建設業・物流・医療・介護・店頭での小売など)がそれにあたります。ただ、そういう業種でもテレワーク可能な業務、特に紙の処理や印鑑(ハンコ)を押すような業務はペーパーレス化することは可能です。

また、決済業務も今や現金決済ではなく様々なキャッシュレス(お金ならびにそれを取り扱う業務のペーパーレス化)の手段があり、それを活用することで、決済業務や経理業務の大幅な効率化が可能になります。またキャッシュレスにすることで、デリバリーやテイクアウトの際の決済業務が省略でき、テイクアウトの際の決済業務の省略もでき、配達員が対面することなく商品を配達することも可能になります。

以上のように、どの業界でも、ペーパーレス化できる業務はあり、それを実現することで、これまでの働き方を変えることが可能になります。

今回の連載テーマ

今回の連載で執筆予定のテーマは以下の通りです。

その1:知識編(ペーパーレス化に必要な知識)
  ・ 法制度の解説
    (現在予定しているもの)
    ・e文書法
    ・電子帳簿保存法
    ・電子署名法
    ・会社法施行規則
    ・建設法
  ・ 書類ごとのペーパーレスのための要件解説
    (現在予定しているもの)
    ・税務関係書類
    ・契約書
    ・取締役会議事録
    ・株主総会の電子化
    ・人事労務関係の書類
    ・建設図書の電子化
    ・医療関係書類
  ・ 業務ごとのペーパーレス化のための要件
    ・逐次作成予定
  ・ ペーパーレス化を支える技術
    ・タイムスタンプ
    ・電子証明書
  ・ 未来の技術
    ・ブロックチェーン

その2:実践編(実際ペーパーレス化をするためのノウハウ)
  ・ ペーパーレス化の目的を決める
  ・ ペーパーレス化する業務・書類を決める
  ・ 対象業務・書類の法的要件の確認
  ・ 要件に会う形での、業務・書類フローの作成
  ・ 要件を満たすITソリューションの選定
  ・ 新業務フローの策定
  ・ (必要がある場合)申請業務
  ・ 定着化

その3:事例編(ペーパーレス化に成功した企業・組織の事例)
  ・ 成功した企業について事例を紹介します。

その4:ペーパーレス化支援ソリューションの紹介
  ・ ペーパーレス化を支援するコンサルティングサービス 
    及び ITソリューションの紹介

その5:ペーパーレス用語集
  ・ 色々ペーパーレスに関しては用語が出てくるので、それを
    用語集としてまとめます。

最後に

最低でも週に2−3回を目指し投稿をしていきます。(他のテーマでの投稿もあったり、ペーパーレス化に関する進捗やニュースが会った際には、それも紹介します。)

それでは、よろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?