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第11回「打合せで上手に喋るコツ」

 僕はこの仕事で「打合せ」が一番好きですが、入社したての慣れないうちはとにかく緊張するし、「作家が本気で考えたこと」に意見するのが怖くて、ただただ萎縮して縮こまってましたね。どうしたら上手く喋れるだろうか…と悩んでいました。

 しかし、いきなりタイトルをひっくり返すようですが「上手に喋る」必要はなかったりします。これまでの経験上、ど素人のペーペー新入社員編集がなけなしの勇気を振り絞って発言したことに、キャリアがあるベテラン作家さんも、才能あふれる新人作家さんも真摯に耳を傾けてくれました。(耳を傾けてくれた上で、もちろん議論があって、浅い考えなんぞは一蹴されるのですが、それは別の話で…)

 上手に喋れなくてもいいのですが、「何が言いたいのか相手に伝わる」「面白い、つまらないをどれだけ的確に多義的に語れるか」…これは本当に大切だと思います。

「いや、それ一番難しいやつ…」ですね…

 そうなんです、結局 一朝一夕にはできないのですが、「どういう順番で話し」「どんな語彙を駆使するのか」…僕はこれを磨くために取った方法とは…

「この人、打合せ上手いな〜」と思った会社の先輩、後輩(のみならず仕事で知り合った社外の人など)の喋り方、語彙をパクる!…です。

 ドヤ顔で「パクる」とか、編集としてどうかと思うのですが、とにかく沢山の人と一緒に仕事をして「この人は本当に作家さんのモチベーションを上げるのが上手い!」とか「この人は代案を出すのが上手い!」とか「この人は…ホントは何も言ってないのに、なんか上手いこと言った空気にするのが上手い!」とか、様々な“仕事が上手い人”を心のDropboxにストックしていきました。

 考えるのは自分の作業ですが、出力は様々な方法を知っていた方がいいと思います。自分が判断や考え、伝え方に迷った時に「あの人なら、きっとこう言うね!」と思って不安を無理矢理、自信に変えて打合せに臨んだりしてました。

「あの人、どうやって仕事してるんだろう?」と思ったら、ぜひ積極的に混ぜてもらいましょう。

今週は以上です!

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