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第13回「直木賞作品『テスカトリポカ』を読みまして」
山本周五郎賞に続き、直木賞を受賞したこちらの小説『テスカトリポカ』、読みました?
この小説、「古代アステカ文明×メキシコ麻薬カルテル×東南アジア臓器移植ビジネス×川崎の無国籍児童問題」と、ごった煮テーマで、ハードカバー560Pという極厚本なのですが『クレイジージャーニー』と『ブレイキングバッド』を同時に観ているかのような目まぐるしいスペクタクルを味わえる快作で怪作でした!(佐藤究さんの前作『Ank』もめちゃ面白いのでオススメ。)
僕がこの小説を手に取ったきっかけは二つ。一つは佐藤さんの著作であるということと…「テスカトリポカって何よ?」という語感から来る興味でした。以下、ザックリあらすじですが…
「テスカトリポカ」は古代アステカの神の名です。主役の一人、麻薬カルテルの幹部が凶暴&冷酷な一方、めちゃくちゃおばあちゃんっ子でおばあちゃんが熱心に信仰する古代アステカ文明の神「テスカトリポカ」への信仰を自身も忘れないんですね。麻薬も児童臓器ビジネスも顔色ひとつ変えないのにテスカトリポカの怒りだけは恐れる、アンバランスなスピリチュアルさが際立つ素晴らしいキャラクターでした。
もう一人の主役、川崎の無国籍児童も親からは虐待を受け、自身も手のつけられない乱暴者で信じるものは何もない、という風なのですが前述の幹部と出会ってテスカトリポカを信仰するに至り…という…
テスカトリポカの影響力すごっ…!
…と、ここまで書いてすっかりキーボードが「テ」と打つだけで「テスカトリポカ」と変換してくれるようになったのですが、「人が聞いたことない」「人が知らない」ことはエンターテイメントの大きな力になるなー、と改めて思いました。
どんな時代、どんな場所にも人間は生きていて、その人の精神や生き方に触れるノンフィクションやドキュメンタリーも好きだし、フィクションであればそこに更に想像の力をオンして、マジでどこまででも連れってってくれるな!こんなコロナ禍でも!と改めて感嘆しました。
あれ?ただの読書感想文…いやいや、違うんですよ!
こんな風に「何 観た?」「何 読んだ?」ていうのも、打合せの大事なトークテーマなんですね。いや、本当に!
やや強引ですが、今週は以上です。
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