いかにも女子っぽい車から降りてきたよ

「最近ビックリしたことってあります？」

男子スタッフ太田から接客の合間に受けた質問。

「急に言われたって思いつかないよ」と言いつつも考えてみる。思い浮かべてみると意外にあったりする。

店の駐車場に女っぽい車が３台続けて入ってきた。美女子の来店には高級ホテル並みの接客をと店の外で待ち、車のドアを開けてスマートに店内にエスコートするほどの意気込みだ。駐車場に車が停まる。カウンターごしに運転席にシルエットが見える。期待に胸高鳴る。

遠目にでもシルエットで分かる髪型は角刈り！？

オッサンの来店など日常にいくらでもあるが「いかにも女子ってカワイイ車」×３から降りてきたのは３人とも全てが角刈りのオッサン。

そのゴリゴリのオッサンはうち２人がエロ本を買っていくという、美女子の来店を期待したのに残念ながら男で、しかも、そのなかでも男くさいヤツが来店してしまったという、まったく嬉しくない驚き。

女っぽい車に乗るオッサンたちは、店で美女子の来店を待つボクだけでなく、世の中に向かって悪い意味の意外性を発揮しているのだ。

「どんな女子があの車に！？」という気持ちを抱かせておいて、一気に夢をぶち壊しにするというスタイルで車から降りてくる。もうこれはオッサンのプレイとしか思えない。

「それはビックリというより、ガッカリじゃないっスか？」

話し終わったボクに太田は言ったけれど、ビックリの概念が悪い意味でも良い意味でも期待を裏切るということだとすれば正しいはずだ。

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