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重工業という楽曲について

お久しぶりです。キジウマです。
12月7日からグレイテスト・ヒッツというアルバムをサブスクで配信スタートしました👇みんな聞いてね👂

グレイテスト・ヒッツはお笑い芸人の永野さんにコメントを寄せてもらっています。CDはこちらから購入できます👇(数量限定です☆)ぜひ〜!

そんな我々変寺ですが、12/14にしれっとシングルをリリースしました。
それが重工業という曲です👇

わざわざ「シングル」で出すってこともあって、重工業への思い入れというのは、相当なもんがあります。
今回は重工業という楽曲について色々書いていこうと思います。

岡本太郎さんの作品から着想する

タローキジウマという名前で音楽をやっていますが、私の本名はタローでもキジウマでもないです。キジウマは私のふるさと、熊本県人吉球磨の郷土玩具「きじ馬」より。タローは岡本太郎さんのタローなのです。そのぐらい好きです。そんな岡本太郎さんの作品に重工業というものがあります👇

歯車にネギと人が巻き込まれている様子が描かれている作品で、いろんなイメージが湧く、楽しく、シュールで、出口のない面白さが満点の作品です。1949年の作品らしいです(すげぇ)。

歯車に巻き込まれている人の様子から、チャップリンのモダンタイムスを思い浮かべる人も多いと思います。私もそうでした。

モダンタイムスは時間と機械を操るはずが、いつのまにか時間と機械に操られる大量生産大量消費を風刺した快作です。

モダンタイムスを初めて見たのは高校生の時で、その時感じたのは
やってんのか、やらされてんのか わかんない。」面白さです。
自分の意思でやっているのか、それともやらされているのか、意外と人生そういう局面多くね?と思うわけです。

やってんのか、やらされてんのか わかんない

自分の意思でやっているのか、誰かにやらされているのか、分からなくなる瞬間って人生で結構ある気がしていて。

モダンタイムスでもあったように、あれ?俺なんで飯食ってんだっけ?腹減ってるから食ってんだっけ?それとも12時だから食わされてるんだっけ?とか。

この仕事、したくてやってるんだっけ?それともやらされてるんだっけ?という「やってんのか、やらされてんのか わかんない」瞬間をどうにか歌にできないかと思いました。(最初は普通に歌おうって思ってました。)

くるりのTokyoOP Osaka BPの衝撃

どうやって表現するか、どういう歌詞を書くか、みたいなことをぐるぐる考えたんですが、そんな中2019年にくるりがTokyoOPという曲を出しました(東京オリンピックと読みます)。

この曲があまりに衝撃すぎて、、、さらにその年のライブで「もう一曲、こういう変な拍子の曲できたんでやります、OsakaBP(現:大阪万博)」と岸田さんが言って、とんでもないインストをやってくれたんです。

聞いた瞬間「ドン・ガバチョやわ。」と漏らしました。
※かっこよすぎて、人生変わるくらいの衝撃や。という意味で使っている私だけのプライベートスラングです。

なんやかんや、イエスとかエマーソン・レイク・アンド・パーマーとか、ジェントル・ジャイアントとか

そういう方々の変な拍子の楽曲は好きなんですが(※好きなだけで詳しくはない。)特にくるりのTokyo OPとOsaka BPのジューシーな感じがすごく好きで「インストに挑戦してみたいなぁ。」という気持ちが高まっていたのを覚えています。(特にOsakaBPが決定的だった。レコード持ってるもん。)


相方のまさしくんに「僕ら(変寺)って普段2−3分の短い曲やけど、6分くらいのインストちょっとやってみたいな。」と伝えたところ「それ意味分からなくていいね!」と言ってくれました。この人好きだなってなりました。

重工業というタイトルで、インストを作ろうかな。みたいなのはぼんやり決まった感じがあります。

デュビア80000cc辻くんの言葉

少し話が変わりますが、熊本にはデュビア80000ccというバンドがいます。
(私は経理事務やってる人間なんで、デュビア80,000ccと書きたくなる)

すっげーかっこいいバンドです。
みんな年下なんですけどやってることは大先輩みたいなそんなバンドです。

そんなデュビアの辻くんが「変寺ってチューニングが違う曲、何種類あるんですか?」って聞いてくれました。
その頃「チューニングをいじる」って事自体全然やろうともしてなかったんで「辻くんよ、漢は黙ってレギュラーチューニングやで!」って言った帰り道、すげー悔しくなって帰宅後速攻「DADGAD」という最も有名な変則チューニングで作った曲が 禅坊後円墳です👇

この曲結構好きなんですがライブでやる時、この曲のためにチューニングを変えないといけないので、ちょっと演奏のハードルが高くて・・・。
DADGADで、もう一曲くらいあればライブでもやりやすいよね〜っていうタイミングも相まって<DADGAD・インスト・重工業というタイトルで作る>という3つのお題ができました。

まさしくんのいびきの話

重工業についてアイディアを集めている中、まさしくんと伊勢にライブをしに行きました。変寺は経費削減のためツインのホテルに泊まったのです。

まさしくんは「俺、いびきヤバいけど大丈夫?」と宿泊前から再三確認してくれていました。
私は「大丈夫やで!(ノイズキャンセリングイヤホン持ってるし。)」と言っていましたが、、、本当にヤバかったです

当時持っていた👆このノイズキャンセリングイヤホンなんて相手にならないくらい、耳をつんざくいびき。
なんならイヤホンから流れてるんじゃないか、くらいの臨場感。
複雑なパターンのビート、変化するリズム、急に訪れるブレイク(無呼吸,
心配。)これは、、、、ジャズだ ← 絶対違う。

寝れねぇよ、、くそう、、、って思っていたのですが、まさしくんの轟音のいびきから、楽曲冒頭のリフのアイディアを得ました。

ゆっくり低音の重たい感じから始まって、早くなって、ブレイクして、またゆっくりなるという、組曲的な作り方にしよう。というのは、まさしくんのいびきからヒントを頂きました。本当にありがとう。


やってんのか、やらされてんのか わかんない について

前述しましたが、モダンタイムス的な面白さを表現するためには「弾いてんのか、弾かされてんのか わかんない」ポイントを作る必要がありました。

ループさせると、ループのタイミングに沿って弾かなければならないので、曲の中盤で7/8拍子のカッティングをループさせることにしました。
最初のメインテーマ〜中盤までは2人の間で好きに弾けるのですが、ループさせたら最後までループの枠の中で演奏し続けなければならないので、弾かされている感じが出せるんじゃないかなと思いました👇


ループの中で弾かされている、ループの速度で弾かされている感じをさらに演出するため、少しわかりにくいですがブレイクの後はカッティングループを1/2倍速にして、そのループの中で演奏しています👇

そんな感じで出来上がったのが重工業という楽曲です。
スタジオでまさしくんと、あーじゃない、こーじゃないと色々詰め込んで、詰め込んでは壊して、なんとかできたぞ、、、。という感じです。
仕上がったときの喜びは本当に大きかったです。

今回もRECはDOTs SOUNDさんで録ってもらいました👇

1日で録ることができて、自分たちでもすっごく驚いたのですが(笑)佐藤さんのお陰で重工業の世界観がどーん!と奥行きのあるものになりました。本当にありがとうございます!!(引き続きよろしくお願いいたします!)

ループを1/2倍速にしたり通常速度に戻したりというのはずっと昔からやってきた手法なのですが、改めてインストで使うとなるとジャストタイムでループさせる難しさみたいなのを痛感しました。
ヨレたループを1/2倍にすると、ヨレ幅も倍になるんで本当に大変で、、、。
難しい曲なのですが、本当に大好きな曲です。

アートワークはMORITA YUUSAKIU

重工業のアートワーク

天才やろ、このアートワーク。普通に家に飾りたいです。
変寺は3ピースバンドです。ドラムとギターとアートワークです。
いつも本当にお世話になっています。本当にありがとう!
はやく森ビルとかのデザインやろうぜ、一緒に売れようや〜!
ゆーさくのインスタグラムアカウントは👇こちら

重工業についてはそんな感じで、まだまだこの曲については面白い仕掛けができるんじゃないかなと模索しております。

また、こういう曲もそうですが変寺って感じの、短くて、なんやそれ!おちょくっとるやろ!みたいな曲も引き続き作っていきたいと思います◎

皆様今後ともよろしくお願いいたします!(たくさん聞いてください。)





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