シンデレラボーイを聴いた

Saucy Dogのシンデレラボーイ。
私の中では最も苦手とするというか、好き好んで聞かないタイプの曲である(描写が素晴らしすぎて、ありありと映ってしまうがゆえのそれである)。どんなに音楽が好きでも、そういう曲ってあるだろう。この曲が好きな人が読んでいたら大変申し訳無い。私の趣と情緒の感じ方の問題である。この曲が大変人気である以上、私のことについては人格破綻者であると罵ってもらって構わない。



愛だの恋だのの話がそもそも本当に苦手で、歌だと描き方による。とにかく大学生が一部歩むような「エモい恋愛」みたいなものが苦手だ。


じゃあ具体的にこの曲の何が苦手かというと、歌詞である(それはそう)。
描写がストレートかつ美しいがあまり、語り手の女の子の気持ちと、女の子の目にうつる男の子の非道な振る舞いがありありと伝わってきてしまう(以下この話は語り手の女の子の話がすべて正しいと仮定して、話を進める)。


この男の子は人の気持ちを考えていない。女の子にも問題があったかどうかは定かではないが、ここまで人を思いつめさせる人間は本当にどうかと思う。あくまで女の子側の話しか我々はこの曲から聴くことができないからなのだが……話だけを聴くと鬼畜外道である。

こういう場合、男の子側としても離れたほうが正解だと思う。現にこの歌詞の中ではきっと刺されるか何かしている(あるいはそのような計画を立てられているに違いない)。
人を傷つけてしまうことは生きている限り避けられないのかもしれないが、これはある程度回避可能な事由であろう。人というものは本当に嫌になったら離れるべきであると思っているので(離れることによって恨みを買う危険性も孕んでいるが、それでも状況を見つつ安ー全に)。

というかどういう教育を受けたらそのような傍若無人な振る舞いができるのか……甚だ疑問である。


女の子側は執着にも似た、何か末恐ろしいものを感じてやまないのだが(早く離れればいいと思ってしまうが、心情的にそうもいかないのだろう)、優しい人が酷い扱いを受けるとこうなってしまうのだろうか……この男の子の全てを許そうとしているが、やはり自分を「人」として扱ってくれない男の子に対し恨みのようなものもある。いにしえなら丑の刻参りは不可避だろう。


きっとこの鬼畜外道な男の子にも素敵な時代があったのだろう。それなりに素敵な思い出もあるはずだ。ずっとずっとこの男の子のことが大好きで、この男の子の為だけに涙を流すこの女の子は、悲しいより深いところにいる。明日や明後日のことが考えられない境地で、大好きだけで生きているように思う。


気づかないふりをしてタバコに火をつける男の子の神経が私にはわからない。しかし、多少の良心の呵責みたいなものは感じる。きっと「そんなことされたらまぁ泣きますよね」くらいはわかっていて、自分が悪いのを知っているから知らんぷりをする。
しかしながら女の子にとっての自分がどれほど素敵で、過ごした時間一瞬一瞬がどれほど大切なものだったかまでは、理解していない。

誰かにこんなに想われているにも関わらず、誠意を持って接しようと思わないのは正直意味がわからない。もうあんまり好きじゃなければごめんなって離れたらいいし、一緒にいたいなら蔑ろにすべきではないはずである。相手は人間なのだ。それは友人だって、家族だって、同じではなかろうか……


何より嫌なのは「こういう人たちがごまんと世の中には存在するらしい」ということである。

私自身は幸いこのような環境に置かれたことはないのだが、世の中には変な人がいるものである。自分に愛情をかけ、優しくしてくれて、大好きでいてくれる人間に対して物凄い非道な扱いができる人がいる(無論状況や関係性を見て、相手方が危険な感情表現をしてくる人間である場合はそれなりに対応せねばならんわけだが、そこは別の話として)。嘆かわしい。

この曲が人気なのは、きっとそのような話もあろう。あ〜〜やはり苦手である……



ちなみにこの曲の対義語っぽいKing & Princeの「シンデレラガール」があるが、いつかこの女の子がシンデレラガールになれることを祈るばかりである。「君はシンデレラガール My Precious One〜」である。
対極〜〜!!(CV:IKKOさん)

希望を持ってその男の子から離れてほしい。



グッ……胃が痛えな……
もうマヂ無理……ライヒ聴こ……

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