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話すの何回目かな 3

父、69周年記念 続き

そんな父親だが、足の悪いおばあちゃんをおぶって勤務するホテルのロビーまで連れて行ったのを会社の偉い人に見つかり、非正規雇用から役付にまで上げようかという話になったが、自由がきかないので断ったという。ここまで話しても我が父の人物像はつかめんと思うが、そういう人だ。

そしてこの気質と教えはきれいに私に受け継がれている。
人に縛られるのを嫌い、身分で区別されるのを嫌い、人のた

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話すの何回目かな 2

父、69周年記念 続き

父親がいないときは、こっそり本を読んだ。
最初は雑誌や新書をめくるだけ。次に漢字辞典を隅々まで。次は国語辞典と、クレヨンしんちゃんを1巻から。

テレビもラジオも、母親が「面白くないから見ないでよし」とするものを漁った。知を得るとはじめは怒られたけれど、「まあ、違う家の血が入っているし」と早々に諦められた。
祖母だけ「そんなに字を読んだら体を壊す、辞めさせてあげなさい」と

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話すの何回目かな 1

今日は、父親の誕生日だ。
このnoteを始めてから何度か書いているが、今一度思い出すとしよう。新規に思い出していることもあるかもしれない。話さなければ忘れてしまう。忘れたら本当に、なかったことになってしまう。

長くなるのでわけよう。

私が生まれる予定日も、この日だったと聴いている(10日遅れた)。

父親は普段出稼ぎに北部に行ってて、1ヶ月に1度、大きな買い物袋にいろんなものを詰めて帰ってきた

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