弁護士2年目の振り返り

 なんとか弁護士2年目が終わりました。2019年12月に弁護士登録してから2年を生き抜くことができました。今、これを書いている時点では、もうすぐ2年半が経過する頃です。
 コロナ禍もあってか、消極的な性格もあってか大したイベントはありませんでしたが、つらつらと防備録的に振り返りたいと思います。

1 イソ弁として

 イソ弁としては、任される仕事が少しずつ増えてきた気がします。1年目は、ボスとともに出廷したり、事案の整理メモみたいのを作成したりするようなことが多かったですが、2年目は必要な書面はだいたい起案するようなことが増えてきました。準備書面も、ある程度方針をもらって起案することもあれば、とりあえず自分なりに起案することもあります。ただ、自分で考えた構成は結構な割合で採用されるので、起案自体はやっぱり楽しいですね。
 また、街弁なので、思っていたよりもいろいろな案件に関わることができて、起案することについては楽しくやれていたと思います。とくに、ボスもあまり経験のないような案件に関わる場合には、ボスに追いつけ追い越せの勢いで参加することができるので、それはやりがいがありました。
 一方で、達成感を感じるようなことはあまり多くないです。これは仕事をはじめてかなり驚いたのですが、案件が終わっても大した達成感は感じられません。おそらく、全ての業務を担当しているわけではないのと、依頼者にお礼を言われることもほとんどないからかと思います。全面的勝訴というのがあまり無いので、依頼者からそもそも感謝されることが多くないのと、仮に感謝されても基本的にはボス弁に対する謝意のみで終わることが多いからでしょう苦笑。そういう意味では個人事件のほうが達成感は多少感じている気がします。
 あと、達成感が感じられないことから派生して、自分の成長もあまり実感することができません。ボス弁から起案能力について褒められることはあまりないですし、裁判所もそういう評価は当然しないので、自分の仕事のレベルをどう観察していけばいいのかいまいち分からないなと思います。そういう意味では自分で評価軸をしっかりと設定して、いわゆるKPIなどについても観察していくことがいいのではないかと思いますが、そんな余裕は・・・。
 というような感じで個々の面白い案件はテンションが上がるけれども、通常は淡々と事件を処理しているといった2年目イソ弁でした。

2 個人事件

 個人事件は多くなかったです。全て法テラス案件で、国選がほとんどという感じです。
 国選については、うまく不起訴にできた案件があったりと良かったと思う反面、保釈が通らないもどかしさや、薬物事犯の多さに辟易としたりなどありました。何度か勾留請求に対する準抗告が通ったりしたのもよかったですね。ほとんど修習で見てきたことを生かしている感じなので、修習まじめにやってよかったと思っています。1年目のときに法テラスに書類を出し忘れて、準抗告の報酬をもらえなかった事件がありましたが、反省を生かしてしっかり報酬ももらえました。が、そんなに多くないですね苦笑。だいたい1年で20件くらいでしょうか。公判になるのはそのうち2、3割くらいだったかと思います。
 民事の個人事件は、シンプルな労働事件もあれば、少し変わった事件もありましたが、なんとかうまく解決することができました。ただ、報酬の少なさは刑事よりも輪をかけてやばいので、正直早く卒業したいです。

3 今の悩み

 私の就労環境は極めてホワイトなので、その辺の問題はほとんどありません。ただ、これからどういうキャリアを歩めばいいのかという漠然とした悩みは尽きません。今の事務所で将来を約束されているわけでもないですし、かといって独立したいという願望もそれほどありません。やりたい事件もとくにないですし、はてさてどうしたものかと思い悩んで悩んで終わりません。
 中小企業診断士の勉強をやってみたり、あまり触れていない法律分野の勉強をしてみたりしてみますが、あまり続きません。仕事も楽ではないので常に安定した勉強時間自由時間があるわけではないので、それも継続が難しい事情のひとつです。
 同期には私の何倍もの収入を得ている人もいたり、好きな分野に特化している人もいたりと、うらやましいなと思います。
 ただ、私はいまできることに全力を注ぐだけかなと思い、基本的には仕事に全力、少し余裕があれば他の勉強というスタンスでこのまま継続してみようかなと思います。
 



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