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創作大賞感想 #恋文供養人

 ここからの感想文は謝罪から入ります。
 投稿が遅くなり応援として力になれず、申し訳ありませんでした。

 けど、ちょっと言い訳させていただくなら、私ごときの応援がなくても作品の素晴らしさは皆さんが認めるところだとも思うのです。ヨイショッ!
 ということで、トガシテツヤさんの「恋文供養人」がこちらです。

 ネタバレ無しです、安心してお読みください。というか何度か私の「感想文」をお読みの方は御承知と思います。ほとんど作品の内容に触れないということを。

 友達でもないのに「トガシさん」とお呼びするのが申し訳ないくらい、創作小説が巧みな書き手だと敬意を抱いています。最近、交流された方は御存じないと思いますが、昨年の私は「創作大賞2023」に全く興味を示さないどころか、逆に背を向けていました。
「アッシにゃぁ、関係ないこって」
ということで、創作大賞の匂いを感じると避けているぐらいの感じでした。

 ところがところが、何の拍子かトガシさんの小説を拝読してしまいまして、その世界にすっかりとりこまれ、トガシさんのフォロワーとして「追っかけ」というか「推し」として暮らすようになり、約1年が経過しました。

 「巧み」と表現しましたが、ほんと上手なんですよね。地の文と会話、風景や心理の描写とか、伏線の貼り方とか、総じて「バランスが良い」ので、読んでいて心地良いと感じる書き手さんなのです。

 で、そういう巧みさをそのままに、今回投稿された「恋文供養人」は、さらに設定が上手なのです。1話完結、舞台の基本はバー、登場人物は主人公とバーテンと客という、1幕1場を基本として会話と回想で舞台を回しながらお話を進めていくわけです。他の方も「教室形式」とかで使っていましたが、「やられた感」が強いのです。こういう形式なら、お話をどこまでも膨らませることができますし、逆にある程度進めば、いつでも完結できるわけです。

『商業向けな作品だ』

と感服してしまうのです。もちろん、スタイルだけではなく、その設定に見合う主人公の閉塞感とか戸惑い、バーテンの深み、客(そう、まさにゲスト)の突き抜けた非日常感を「手紙」というアイテムを鍵として、読者の心の扉を開けていくのです。

 登場人物たちに感情移入させられながら
「自分なら、どうしたろう」
と自分の内面と向き合うことになります。そして、登場人物の答えと自分の答えを照らし合わせながら、ホロ苦いウィスキーを煽ることになります。

 先ほど『商業向けの作品だ』と書きましたが、悔しいけれど訂正します。
『商業向けのとても面白い作品だ』
なんですよ。小説が巧みな書き手が、今年の「創作大賞」をこの1本に賭けてきたのです。締切間際に書いて駆け抜けたのです。書き手の一人としては「悔しい」です、けど読み手の本音としては
「さすが、トガシさん。俺には出来ないことを平然とやってのけるゥ。
 そこに痺れる、憧れるぅ」と言いたくなるくらい面白いのです。

 さらに、まだ潜在力を秘めているお話のようです。どうか本稿をお読みの方に「恋文供養人」を読んでいただき、潜在しているお話を掘り起こしていただきたいと思うのです。

 なお、サムネ画像は「トガシさん」の写真をお借りしました。小説だけではなく、写真、ピアノなど多芸な書き手さんでもあります。創作大賞を別としても是非、トガシワールドを楽しんでいただきますようお願いします。

#何を書いても最後は宣伝
 次に感想文を書きたいのが、こちらの「水蝸牛さん」です。感想文を書けない時のために、せめてリンクを埋めておきます。


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