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【創作SS】半笑いのポッキーゲーム

 子どもの頃、小さな村の三人で遊ぶのが世界の全てだったから気づかなかった。一緒に遊んでいる男の子が、とってもとっても、もの凄く素敵な男性だということ。

 中学校に入り二人のことを聞かれたり、仲が良いことを羨ましがられたりしたけど、最初は不思議だった。譲二君も良樹君も仲の良い幼馴染だったから。

 三人で同じ高校に進学して同じ関係が続くと思っていたけど、譲二君は柔道部に入り「男の世界」の雰囲気になり、良樹君は背が伸びて成績も伸びて格好良くなり「モテ期」なのに「誰とも付き合わない」と硬派な一面を見せていた。

 私は大学を卒業後独りで上京し、数年後に故郷に戻った。

 その年の同窓会の後、三人だけの二次会で良樹君の歌声が響いていた。
 私はポッキーを取出し譲二君に提案した。
「ポッキーゲームしようか」
 譲二君は烏龍茶を口にして静かに首を横に振った。

 ポッキーを口にした私は、譲二君側の半分だけ笑顔を浮かべ、もう半分は……。

(本文ここまで)
 たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】 お題「半笑いのポッキーゲーム」に参加です。

 文字数が少ないので伝えきれず恐縮ですが、
 良樹⇒女性⇒譲二
 という関係性が隠れています。高校時代には
 良樹⇒女性=譲二
 という状況もありましたが、卒業後はそれぞれの道を歩みました。
 良樹は女性に片思いをしたまま大学に進学・卒業して田舎に帰ります。
 譲二は女性に一方的に振られた後、田舎暮らしのまま自信喪失の低迷期に入ります。
 女性は舞台女優になるという夢が叶わず故郷に帰ってきました。
 というバックストーリーが隠れています。果たしてこの三人の行方は?

 と、気になる方のために「回答編」が準備してあります。
#何を書いても最後は宣伝
 今回のお話はこちら「会津ワイン黎明綺譚」のifストーリーとして書かせていただきました。結論までの道筋は同じです。

 なお本編の主人公は、本作に登場しない「桃ちゃん」になります。
 
 久しぶりに好きなキャラを書かせていただき嬉しいです。
 たらはかにさん、また、お読みいただきました皆様ありがとうございました。

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