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恋にあるのは下心


 娘に太郎さんが言うことには。

 恋には気をつけてください。恋という字は、下に心がありますね。下心があるのが恋なのです。しかも、久しく叶わず、拗らせてしまうと、心が離れて「変」になることがあります。ストーカーとかハラスメントにも繋がりやすいので、危険なのですよ。
 それに対して、愛という字は、真ん中に心がありますね。相手を思いやる真心から生まれるのが愛だと思うのです。恋をするよりも、愛を育んでください。
 
 もう少し、わかりやすく言えば、「あなたと話をしたい」「一緒にいたい」くらいであれば、まだ可愛いのですが、「あれをして欲しい」「こうして欲しい」「もっと、もっと」と、際限なく相手に求めてしまうのが恋でしょうか。
 逆に相手に対し、「何かしてあげたい」「自分ができることは」、時に「邪魔をしないようにしよう」というふうに考えるのが愛のような気がします。自分本位か相手本位かの違いですね。

 君達の人生は君達のものですから、進学や就職について、積極的に口を挟まないようにしていました。自分で考え、選択することが重要だと考えているからです。
 今後も、その気持ちに変わりはないですが、まぁ、人生の先輩として少しだけ話をさせてもらうと、出会って、すぐ口説いてくるような異性は、愛ではなく恋で動いている可能性が高いと思いますので、気をつけてください。

 愛は育むものなので、時間がかかるものなのです。

「でも、お父さんとお母さんは、就職して最初の職場研修で出会って、付き合い始めたのでしょう」

 その通りです。恋は落ちるものだから、気をつけていても、時として落ちてしまうのです。罠と気づいた時には遅いので、人としては仕様がないことです。
 なので、恋をするなというわけではなく、気をつけつつ、恋も人生も楽しんで欲しいと思うのです。ただし、「落ちた」「落ちてる」とか「変だ」と感じた時は、父も含め、周りの人に助けを求めてください。

 父はいつでも君達の味方ですし、君達を応援していますから、すぐに駆けつけ、力になります。


 君達が小さい時に、母さんと離婚してしまい、ほとんど父親らしいことをしてあげられませんでしたから、今さら父親面をするつもりは無いのですが、新生活にあたり、伝えておきます。

 君達を愛しているよ。

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