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【企画参加】#こんな仕事です

 み・カミーノさんのこちらの企画に早速乗ってみます。

#こんな仕事です

 ご存じの方が多いと思いますが、福島太郎の本体は地方公務員、具体的には市役所職員として勤務しています。その経験を素にして「ビジネス実用社様」から次の本を出版していただきました。

 本にも書いていますが「一口で説明するのが困難」なくらい、幅広い領域の仕事をしています。
 地方自治体の仕事については「ゆりかごから墓場まで」と表現されることもありますので、察していただけるかもです。

 とは言え、職員は特定の部署に所属し、職制を与えられて特定の業務に従事することになります。現在の私は「生活保護」の事務に従事していますが、役所では「職員が最も嫌がる職場の一つ」です。

 生活保護というのは「国民の健康的で文化的な最低限度の生活を守る」国の仕事です。
 大事なことなので繰り返しますが本来は「国の仕事」です。市役所は国が決めたルールに基づき「下請」をしていることになります。
 具体的には大きく二つです。
1   生活保護が必要かどうかを調査して決定する
 (生活保護の開始・廃止の決定)
2  毎月の生活保護費を計算し扶助する
(生活費・家賃・医療介護・教育費など)
 そしてこれらに付随する「よろずやっかいごと」の対応になります。ある意味、この「よろずやっかいごと」が業務の本質かもしれません。
「トラブル イズ マイビジネス」
という日々で、国が想定している規定の範囲を超える様々なことと向き合います。

 またトラブルは生活保護を受けている方だけではなく関係する様々な方からもたらされるのです。
親族関係
「母が電話に出ない、様子を見て来て欲しい」
「アイツに俺たちがどんな酷い目にあわされたと思う、あんな奴に生活保護を受けさせるな!」
不動産関係
「一日中、歌ったり大声を出したり騒いでいる。なんとかしろ」
「家賃の滞納が続いている、退去して貰う(本人には家賃分のお金を扶助しています」
病院関係
「入院、手術が必要ですが同意する親族がいません。何とかしてください」
「救急搬送されてきましたが、お金が無いそうです。生活保護を受けさせてください」
市民の方
「アイツは生活保護のくせにパチンコ三昧だ。保護を辞めさせろ」
「市役所に隠れて働いている。保護を辞めさせろ」
「子どもの泣き声がしている、虐待では」
他の市役所
「うちに生活保護の相談がありましたが、そっちの市役所が担当だと思うんです」
「うちで受けていた方がそちらに転居しますので、◯月◯日からはそちらでお願いします」
などなどの対応に追われています。

 このうち「他の市役所」との話を補足しますと、生活保護は「どの自治体が担当するか」ということを「実施責任」という言葉で細々と規定しています。基本的には
「住民票がどこにあるかは関係なく、実際に住んでいる場所(居住地)又は保護が必要な時にいる場所(現在地)を所管する自治体」
となるのですが、本当に細々とした規定なので、ちゃんとした知識が無いと間違えることも多々あります。
 時にその解釈を巡り、自治体同士でバトルになることもあるのです。
 酷い自治体になると確信犯的に「それは私どもよりも、N市に相談すべきです」
と別な自治体に押し付けようとしているのでは?と邪推することもあります。
 先日は「県にも確認しましたが、福島さんの自治体との判断でした」と騙る自治体職員がいまして、納得できない私がその県に確認したところ
「聞いた話と違いますね、その内容なら福島さんの市では無いです」
ということもありました。
 普段は温厚な私が相手市役所の職員を怒鳴りつけましたので、周囲にドン引きされました。

 脱線しましたが「本来は国の仕事」ですが、前面に立ち全面的に怒鳴られたり、文句を言われたり、泣かれたり、泣かされたりする仕事をしています。国が決めた制度ですが、制度についての批判非難罵倒もいただきます。
(俺たちに言われても、どうしろと)
  下請けは親会社に逆らえません。

 ただ「命」やその次に大事な「お金」に直接関わる仕事でもあり、住民の方たちと本音で本気で向き合う仕事でもあり従事する職員を守る仕事です。

 時に暗黒とか残酷とか深刻という言葉を感じながらも、私なりに楽しみ、生き甲斐を感じながら、いつかこの日々を物語にできないかと考えたりもしています。
(おしまい)
#何を書いても最後は宣伝
 お役所仕事の物語と言えば

 そして

です。

 



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福島太郎
サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。