見出し画像

【読書感想文】たりない思い #創作大賞感想

 もう我慢ができないのですよ。この作品のことを私のフォロワーさんたちにも知っていただきたいのです。こちらです。

 「お仕事小説部門」ですから私が応募している作品と競合しています。しかし「黒田製作所物語」から引用します。

「黒田は給料を払いながら、商売敵を育ててやがる」
と揶揄する者もいたが虎一にしてみれば同業者は敵では無い。寧ろ「溶接道」という悠久の昔から続く遙かな道を歩む仲間であり、弟子たちは未来への希望であると考えていた。

福島太郎著:黒田製作所物語

 この作品に対し、この作者について勝手に「仲間意識」を抱いてしまいました。共感するのは
『あなたは何のために仕事をしているの』
という感覚です。言い換えるなら
『あなたは何のために生きているの』
と言えるかも知れません。再び「黒田製作所物語」から引用します。

「稼ぐ、働く、楽しむ、楽しませる。そして生きていく」

福島太郎著:黒田製作所物語

 私の片思いというか勘違いかもしれませんが「足りない思い」という作品から同じような思いを感じるのです。古い映画の台詞を借りるならば

『君も同じ目をしている』

ということになろうかと思います。この映画は「オタク」とされる登場人物たちのマイノリティの悲哀を描く物語でした。
 そう私が「足りない思い」という作品に共感するのは「マイノリティ」としての「悲哀・疎外と阻害・藻掻き・足掻き」それでも、自分を否定せずに前に進もうとする「意志」のような気がします。

 私が創作を通じて描こうと挑戦し続ける世界と似ている気がします。そして目指すのは「大団円」「ハッピーエンド」です。
 現実はそんなに甘くないことを感じながら
「せめて物語の世界くらいは、優しい世界であって欲しい」
という願いを感じています。

 近年の風潮として「楽して儲ける」「コスパ」「タイパ」という言葉を聞くことが増えているような気がします。「足りない思い」という作品では「AIによる翻訳」がその象徴的な存在として描かれています。
 作者の「小梅はる」さんは登場人物を通じて問いかけてきます。
「それで、それだけで良いのでしょうか」
 まだ、最終章が書かれていませんので、この問いに対する答えがどのようになるのかはわかりません。ただ、何となくですが作者が「私はこう思う」ということを押し付けるのではなく、小説としての一つの解を出しつつ、正解は読者に委ねるような気がします。

 「小梅はる」さんが紡ぐ世界はとても優しく「他者を強く否定しない」印象を抱いています。そこにある多様な価値観を認めつつ、それでも幸せになるためには「足りない思い」があると感じているから生まれた作品のような気がしています。

 まぁ、私のツマラナイ講釈はともかく、この作品を読んでいただければと思います。

 ある意味、note街のクリエイターの方々はリアルな世界で「足りない思い」を抱きつつ、そのピースを埋めるために「楽しそうなこと、好きなこと」を表現するために、note創作に遊びに来ているような印象も抱いています。
 同じような思いを抱いている方に是非「足りない思い」を読んでいただきたいと考えています。そして何故かリアルでは難しい
『支え合う 高め合う 喜び合う』
世界に共感していただければです。小梅はるさん、素敵な作品をありがとうございました。

 また、最後までお読みいただきありがとうございます。
#何を書いても最後は宣伝
 本文で引用している「黒田製作所物語」はこちらです。

また私の「お仕事小説部門」はこの2作品です。



この記事が参加している募集

#創作大賞感想

サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。